マレー半島の南部と、その東にあるボルネオ島北部に国土を持つマレーシア。赤道に近く、高温多湿の熱帯雨林気候で、平均気温は約27℃です。通年真夏の暑さのため、Tシャツや短パンで過ごすことができます。日本からは成田空港や羽田空港、関西国際空港と首都クアラルンプールの間に直行便があり、フライトは約7時間。また、成田空港とボルネオ島のコタキナバルの間にも直行便が運航しており、こちらの所要時間は6時間ほどです。日本との時差は1時間しかないため、時差による身体への負担はほぼないと言えるでしょう。
また、マレーシアは2019年まで発表されていた「ロングステイ希望国・地域」で14年連続1位。自然も都市も満喫できる長期滞在先として、幅広い世代から人気を集めています。東南アジアの中でも生活水準が高いのに反して、物価の水準は日本の半分とも3分の1とも言われるのも人気の理由です。そんなマレーシアですが、多民族国家のため民族や言語、宗教、食などが多様性に富んでおり、他者は自分と違って当たり前、という寛容な風土があります。その特徴は住む人だけでなく観光客に対しても変わらないため、滞在中は居心地のよい時間を過ごすことができるでしょう。
ここからは、近代都市、リゾート、世界遺産の自然など特色あるマレーシアの各エリアをご紹介します。
地上88階の「ペトロナス・ツインタワー」がランドマークの首都クアラルンプール。超高層ビルが建ち並ぶ近代都市にオールドタウンや豊かな自然も残り、ショッピングもグルメも大満足できます。周辺にはモスクや寺院、王宮など見どころもたくさん。
©Joshua R. Hawley
ペナン島は中国系住民の割合が高く、マレーやインドの文化も混在するエキゾチックなエリア。世界遺産の街ジョージタウンには、イギリスの統治時代の街並みが残り、歴史を感じます。島の北部はリゾートホテルが並ぶビーチエリアです。
かつてはマラッカ海峡を要衝とする東西貿易で栄えた古都マラッカ。その歴史的な背景から街並みが世界遺産に登録されています。中国のほかポルトガル、オランダ、イギリスなどヨーロッパの文化が共存しており、国内外から多くの人々が訪れる観光スポットです。
ランカウイは、アンダマン海に点在する99の島で構成される群島。中でもランカウイ島はユネスコのジオパークにも認定されているほど、貴重な生態系や地域文化が残る緑豊かな島です。高級リゾートも点在しており、白砂のビーチを楽しむこともできます。
マレー半島の最南にあるジョホール州は、シンガポールと橋でつながっており、気軽に行き来されています。「レゴランドマレーシア」や大型複合リゾート「デサルコースト」などのレジャー施設で楽しめるだけでなく、モスクや寺院などの歴史的建造物巡りをすることもできます。
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ボルネオ島の北部にあるサバ州は、世界遺産の「キナバル国立公園」を擁する自然の宝庫。広大な森に多様な動植物が生息しており、オランウータンやテングザルなどの固有動物を見学できます。州都コタキナバルの動物園でも、ボルネオ島固有種の貴重な動植物を間近に見ることができます。
マレーシアで、最大の面積を占めるサラワク州。州都の「クチン」はマレー語で「猫」の意味であることから、猫の銅像や博物館、祭りなどがある猫の街として有名です。世界遺産のグヌン・ムル国立公園では世界最大規模の洞窟や地下水路を探検できます。
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KUALA
LUMPUR
©Patrick Foto
クアラルンプールシティギャラリー
マレーシアの首都であり、東南アジアを代表する国際都市のひとつ、クアラルンプール。市内には高架鉄道(LRT)やモノレール、新路線のMRTなど公共機関が発達しているため、街歩きに困ることのない観光しやすい街です。高さ451.9mの「ペトロナス・ツインタワー」はそのシンボル。ショッピングモールやフードコート、展望エリアも備える超高層オフィスビルです。ムルデカ広場の周辺には、フォトジェニックなウォールアートが人気の「鬼仔巷(Kwai Chai Hong)」や「I ♡(Love) KL」のモニュメントで知られる「KLシティギャラリー」があるので、ぜひとっておきの1枚を写真に収めてください。
バトゥ洞窟 ©Khoroshunova
クアラルンプールには他にも観光スポットがたくさん。ブキ・ビンタン地区は大型ショッピングモールやホテル、バー街や屋台などが集まるおしゃれな繁華街です。市内中心にあり観光客にも人気の「マレーシア国立モスク」や、カラフルな階段がSNS映えするヒンドゥー教の寺院「バトゥ洞窟」など、さまざまな宗教的・文化的スポットも混在しています。SNS映えといえば、マレーシアのウユニ塩湖といわれる新名所「スカイミラー」もぜひ訪れたい場所。海の真ん中に引き潮の時にのみ現れる干潟が鏡の役割を果たすので、被写体が反射して幻想的な写真を撮影できます。
アロー通り
多民族国家のマレーシアは、グルメも種類豊富。マレー、中国、インドのほか、マレーと中華が融合したニョニャ料理などさまざまなルーツを持つ料理が楽しめます。クアラルンプールはアジア随一のグルメ都市で、レストランから屋台までバリエーション豊か。シーンや気分に合わせた店舗選びが可能です。ローカルグルメを味わうなら、ブキ・ビンタンの「アロー通り(ジャランアロー)」はぜひ訪れたい場所。サテーやシーフード、中華料理などの屋台がずらりと並びます。夕方以降になると人々が集まりだし、深夜まで賑わう大屋台街です。
ルーフトップバー ©Marini’s on 57
雰囲気抜群のルーフトップバーも人気。地上57階にある「MARINI’S on 57(マリニーズ オン 57)」は、目の前に迫るペトロナスツインタワーを眺めることができます。「Vertigo(ヴァーティゴ)」は、ツインタワーとKLタワーを並べて眺められるルーフトップバー。クアラルンプールで最も高い場所にあり、夜景を見渡すのに最適です。
もっと詳しく見るパビリオン
クアラルンプールには、たくさんのショッピングモールがあります。550店舗以上が出店している「パビリオン」は、ブキ・ビンタンを代表する大型ショッピングモール。高級ブランドからカジュアルな店舗、スーパーマーケットまでそろい、日本をモチーフにしたエリアもあるおすすめのショッピングスポットです。「スリアKLCC」は、300店舗以上が出店するショッピングモール。ペトロナス・ツインタワーの真下にあり、噴水や公園、水族館がなども併設されているため、デートスポットとしても人気です。
セントラルマーケット
「セントラルマーケット」は、クアラルンプールの中心にあるマーケット。木工雑貨屋や、更紗の一種であるバティック雑貨などをはじめ、パステルカラーのプラナカン食器やマレーシア土産として定番のなまこ石鹸などが幅広くそろい、自分や家族、友人のお土産選びに最適です。
もっと詳しく見る©YTL Hotels
マレーシアを旅行する際の嬉しいポイントとして、高級ホテルが他国よりもリーズナブルである点が挙げられます。その分、予算内でスパで癒されたり、優雅なアフタヌーンティーの時間を過ごしたりするのがおすすめです。
「ザ・リッツ・カールトン・クアラルンプール」はクアラルンプールの一等地ゴールデントライアングルに位置し、各国の王族や著名人にも愛される豪華なホテル。ミシュランに選ばれた中国料理をはじめ、各国料理のレストランやロビーラウンジなどがあります。「フォー シーズンズ ホテル クアラルンプール」も同じくゴールデントライアングルにあり、屋外プールやフィットネス、サウナといった施設も充実。ダイニングは6店舗あります。その他にも「マンダリン オリエンタル クアラルンプール」「セントレジス クアラルンプール」などさまざまな高級ホテルがひしめいています。
©KLOE
ブティックホテルなら居心地の良いおしゃれで洗練された空間が広がる「クロエ ホテル」、駅からも程近くモダンクラッシックな雰囲気の「ザ チョウ キット・オーモンド ホテル」などがおすすめです。
ペナン島
PENANG
ジョージタウン ©Penang Global Tourism
ペナン島は、マレー半島の西にある「東洋の真珠」と称されるマレーシア屈指の観光地。南北に約24km、東西に約15kmというコンパクトな島で、見どころを周るにも、長期滞在して生活するにも適しています。島の中心は、歴史的都市群として世界遺産に登録されているジョージタウン。コロニアル様式の建築物が残り、イギリスや中国、インドなどとマレー独自の文化が融合した街並みを歩くことができます。イギリス領時代の駐屯地「コーンウォリス要塞」の周辺や、モスクやインド人街が密集しているハーモニーストリート、中国式の霊廟「クー・コンシ」の周辺、地上65階建ての高層ビル「コムター」のあるペナン通りなど、街歩きが楽しいスポットが多数。さまざまな民族の歴史的建造物や宗教建築が共存している様子が見られます。
極楽寺
少し郊外に足を伸ばせば、東南アジア最大でさまざまな国の仏教様式が融合した「極楽寺」や、海沿いに広がる「ペナン国立公園」、15,000匹以上の蝶や昆虫が見られる「エントピア」などの見どころもあります。また、ペナンではウォールアートを巡るのもおすすめです。壁画アートやコミカルなアイアン(針金)アートが多数あり、ツーリスト・インフォメーションセンターでマップが作成されているほど。立体的な作品が多いので、絵の一部になりきって一緒に撮影すると、SNS映えする写真が撮れるでしょう。
もっと詳しく見るガーニードライブ ホーカーセンター ©Penang Global Tourism
ペナン島は屋台天国。安くておいしいものがあふれる屋台街(ホーカー)が島中にあり、各店の競争も激しいため料理の質が高くなっています。ぜひ訪れたいのは、ペナン島最大の屋台街といわれる「ガーニードライブ ホーカーセンター」。メインの食事だけでなく果物やデザートの定番「アイスカチャン」などの屋台も出ています。「レッドガーデン フードパラダイス」はジョージタウンにある国際色豊かな屋台街。地元の人から観光客まで大勢の人が集まります。マレーシアのローカルフードはもちろん、タイ料理や中東料理、洋食も食べられるのが特徴です。
アッサムラクサ ©Penang Global Tourism
ペナンで食べたい料理といえば、中国とマレーの文化が融合して生まれた「ニョニャ料理」。イスラム教で禁じられている豚肉も使われることがあります。メニューは麺やカレー、煮込み、お菓子などバラエティ豊富で、地域により味の特徴も異なります。マレーシアを代表する麺料理「ラクサ」の中でも、ペナン発祥で人気の「アッサムラクサ」は、そのまま「ペナンラクサ」とも呼ばれる魚介の麺料理。「アッサム」は「酸っぱい」という意味で、発酵したエビや魚の出汁にパイナップルなどの酸味を足し、ハーブをトッピングしたものです。「チャークイティオ」は「炒めたライスヌードル」を意味し、幅広の麺を醤油やエビ、アオガイ、もやし、ニラなどで炒めたもの。これらの料理は小さめの皿に盛り付けられ手頃な価格のものがほとんどなので、いくつかの屋台をはしごして色々な料理を食べ歩くことができます。
もっと詳しく見るエスケープ ©Penang Global Tourism
ペナン島でマリンアクティビティを楽しむなら、北部のビーチエリア「バトゥ・フェリンギビーチ」はいかがでしょうか。シュノーケリングには向かないものの、白砂が続いて美しいビーチです。アクティビティはジェットスキーやバナナボート、ウインドサーフィンなどが楽しめます。ビーチ以外の水のアクティビティでおすすめなのが「エスケープ」。緑あふれる森の中に作られた広大なウォーターパークです。子どもから大人まで満喫できるいくつものスライダーとアスレチックが楽しめます。
ザ・ハビタット ©Penang Global Tourism
山を楽しみたい場合はペナン島の中央にある「ペナンヒル」を訪れましょう。ケーブルカーやハイキングで頂上へ向かえば、ジョージタウンから対岸の本土まで見渡すことが可能です。レストランや公園のほか、ヒンドゥー教の寺院やイスラム教のモスクも建てられています。「ザ・ハビタット」は自然保護区。ネイチャートレイル沿いにはさまざまな種類の動植物が見られ、画像の「カーティス クレスト ツリー トップ ウォーク」からは、眼下に広がる熱帯雨林を眺められます。ジップラインで森の中ををすべり抜けるスリリングなアトラクションにもぜひ挑戦してみましょう。
もっと詳しく見るE&Oホテル ©Penang Global Tourism
「E&Oホテル(イースタン アンド オリエンタル ホテル)」は、ジョージタウンにある全室スイートの由緒あるホテルです。歴史的建造物を改装したヘリテージホテルで、コロニアル調の外観は荘厳。各国料理を提供するレストラン、プール、スパ、フィットネスセンターのほか、ギャラリーなどもあり館内施設が充実しています。
Sevens Terraces ©Penang Global Tourism
「Seven Terraces(セブンテラシズ)」も同じくジョージタウンにあり、店舗と住居を兼ね備えたプラナカン様式のヘリテージホテル。ニョニャ料理で有名な「クバヤ・ダイニングルーム」もホテル内にあるので夕食におすすめです。