ヤマカガシの駆除方法｜毒蛇にはどんな対策が有効か？

ヤマカガシは、強い毒性を持つ日本在来の毒蛇です。北海道や一部の離島を除き、日本全国に生息しており、アズマヒキガエルなどのカエルやトカゲを好んで食べます。体長は70cmから150cm程度、体色や斑紋は生息地域によって異なり、赤や黒、緑、青などさまざまです。強い毒性を持っていますが、臆病で大人しい性格で、身の危険を感じない限り人間を攻撃することは少ないと言われています。そのため、ヤマカガシに遭遇した際は刺激せず、放置するのが一番です。自身で駆除を試みる際は、捕獲器や忌避剤、殺蛇スプレーなどを使用するとよいしょう。自分では駆除できない、何度も出現するといった場合は専門業者へ駆除を依頼するのもおすすめです。

毒性はマムシやハブの数倍？恐ろしい毒蛇ヤマカガシとは

ヤマカガシはナミヘビ科に分類される日本在来の蛇で、北海道や一部の離島を除き、 日本全国に広く生息しています。 体長は70〜150cm、体色は生息域によって異なり、東日本ではオリーブ色の体に赤と黒の斑紋を持つ個体、西日本では、赤みのない個体、青色が強い個体、黒っぽい個体などさまざまです。 猛毒を持つ毒蛇で、その毒性はハブの10倍、マムシの3倍と言われています。 環境省が定める特定動物（人に危害を加える恐れのある動物）にも指定されており、保護や飼育には一定の許可が必要となります。

毒蛇と認識されたのはごく最近

日本在来種の蛇の中ではトップクラスの毒性を持つヤマカガシですが、実は長らく無毒の蛇だと思われていました。毒蛇と認識されたのは1970年代。ヤマカガシによる死亡事例が発生したことをきっかけに毒蛇であることが明らかになりました。近年では、2017年に小学生の少年がヤマカガシに噛まれ、一時意識不明の状態になったことがテレビ番組で取り上げられ話題となりました。 ヤマカガシは奥歯と頚部に2種類の異なる毒を持っている珍しい毒蛇です。 奥歯の毒は溶血毒で、噛まれると血液の止血能力が低下し、皮下出血や内臓出血、血尿、頭痛などの症状が現れます。重症化すると脳内出血や急性腎不全などを引き起こす可能性があり、 最悪の場合には死に至ることも。 また、頚部の毒はヒキガエルを捕食した際に蓄えられる毒で、毒が皮膚に触れると皮膚炎を起こしたり、目に入ると失明したりする危険もあるので注意が必要です（ヒキガエルのいない地域に生息するヤマカガシの中には頚腺毒を持たないものも存在します）。万が一、噛まれた場合や首の毒に触れる、毒が目に入ったという場合は 速やかに医療機関を受診し、医師の判断を仰ぎましょう。

カエルが大好物

ヤマカガシはカエルや鳥の卵、魚やサンショウウオ、トカゲ、ネズミなどを好んで食べます。特にカエルが大好物で、他のヘビが敬遠する毒を持つヒキガエルなどもお尻から丸ごと飲み込み食べてしまいます。泳ぎが上手なので、川を泳いで魚を捕食したり、俊敏な動きでトカゲやネズミなどを捕食したりします。このような食性から、 餌が豊富な田んぼや川など水の多い環境で主に生活しています。 ヤマカガシの天敵には私たち人間や蛇を捕食するタヌキやイタチ、ワシやタカが挙げられます。さらに、同じ蛇類の仲間がヤマカガシの天敵となることも。アオダイショウやシマヘビなどの大型のヘビにとって中型ヘビのヤマカガシは絶好の餌となっています。

性格は臆病

ヤマカガシはとても大人しく臆病な性格なので、人間を見るとすぐに逃げ出してしまいます。そのため、 駆除しようとむやみに近づいたり、刺激を与えたりしない限り、人間を襲ったり、噛み付いたりすることはほとんどありません。

家の中や庭でヤマカガシに遭遇したら？自分でできる駆除・対処方法

ヤマカガシは生息域が広く、日中に行動する昼行性のため、 家の中や庭等で遭遇する可能性も高いヘビです。 では、ヤマカガシを自分で駆除する方法はあるのでしょうか。ここでは、ヤマカガシに遭遇した際の対処方法や自身でできる駆除、捕獲の方法などについて紹介します。

基本的には放置が一番

前述した通り、ヤマカガシは非常に臆病な蛇で、人に遭遇するとすぐに身を隠すように逃げていきます。そのため、ヤマカガシに遭遇した際は、 無理に駆除しようとせず、基本的にはいなくなるまで放置しておくのがよいと言われています。 室内にヤマカガシが侵入した場合は、ドアや窓などを開け、ヤマカガシが外に出ていくのを待ちましょう。

捕獲器などで捕獲する

ヤマカガシの駆除には、捕獲器などを使用して捕獲するという方法も。壁などに沿って移動する蛇の習性を利用したトラッブ型の捕獲器や距離を保ったまま捕獲できる捕獲棒など、ヤマカガシをはじめヘビ類を捕獲するさまざまなグッズがホームセンターなどでも市販されています。 捕獲したヤマカガシは生態系保全のため、むやみに殺めたりせず、再度遭遇しないよう離れた場所へ放してあげましょう。 捕獲方法によってはヤマカガシが身の危険を感じ、攻撃的になることもあるので、噛まれたり、毒を飛ばされてたりしても大丈夫なように 十分な装備をして捕獲を試みるようにしましょう。

出現場所に忌避剤を撒くのも効果的

捕獲器を使用した駆除方法には抵抗がある、子供や、犬、ネコなどのペットが噛まれないか心配なのでヤマカガシが家の周りに近づかないようにしたいという方は、 忌避剤を撒く方法がおすすめです。 ヘビ忌避剤にはスプレータイプの他、液体タイプや粒状タイプ、石、砂タイプなどさまざまなものがあります。ヘビは地面に這って移動するので、 地面に撒いておける忌避剤が最も効果的でしょう。 普段あまり人が立ち入らない犬走りや家の軒下、プランターや植木の周りなど、ヤマカガシが出現しそうな場所に撒いておくと、ヤマカガシに遭遇する可能性はぐんと減ります。また、ヘビのエサとなりそうものを排除したり、ヘビの巣になりやすい場所の草木を刈ったり、家への侵入経路となる穴や隙間を埋めたりするとより効果的です。

徹底的に駆除するなら殺蛇スプレーの使用も

ヤマカガシを徹底的に駆除したいという場合は、 殺蛇剤や殺蛇スプレーを使用する方法も。 殺蛇剤は薬剤によりヤマカガシを徐々に弱らせ、数時間後に死に至らしめるもので、ホームセンターなどでも市販されています。殺蛇剤は、安全性を考慮し、離れた場所からでもヤマカガシを狙える強力噴射のエアゾールタイプを選ぶのがおすすめです。ヤマカガシは薬剤が回り始めると、攻撃的になる可能性があるので、薬剤散布後は 絶対に近づかない ようにしましょう。また、駆除する際はヤマカガシが完全に絶命していることを確認してから近づいてください。

自分で対処できない場合は専門業者への依頼も

ヤマカガシは猛毒を持つ毒蛇ですが、生態系を形成する自然の生き物のため、自治体等で駆除や捕獲を行っているところは少ないのが現状です。そのため自分では対処できないが、どうしても駆除したいという場合は、 害獣を駆除する専門業者へ依頼をしましょう。 プロに依頼をすることで、目の前のヤマカガシを捕獲、駆除するだけでなく、今後ヤマカガシが室内や敷地内に侵入しないよう対策を取ることも可能です。業者選定の際は、ヤマカガシなど毒を持つヘビの駆除を行っているか、どのような方法で駆除を行うのか、料金はどのくらいかかるのかなどを事前に確認しておくとよいでしょう。

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ヤマカガシの駆除は放置か業者への依頼がおすすめ

猛毒を持つヤマカガシですが、基本的には大人しい性格なので無理に駆除しようとせず、姿がなくなるまで放置しておくのが最も効果的です。止むを得ずご自身で捕獲や駆除を行う場合でもむやみに近づかず、長靴をはく、肌を露出しないなど十分な装備をして行うようにしましょう。ご自身で駆除が難しい場合や対策方法がわからない場合は、害獣専門の駆除業者へ依頼し、対策を講じるのがおすすめです。

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