自己破産についてわかりやすく解説！手続きの流れやデメリット・メリット

事故や親の介護、会社の倒産などやむを得ない理由で多大な借金を抱えてしまう人は多くいます。しかし自己破産だけはしたくないと無理に問題解決を後回しにして、精神的にも肉体的にも追い詰められてしまっては元も子もありません。また滞納が続くと差し押さえなど新たな負担が増えることもあります。確かに自己破産はその言葉の響きからネガティブなイメージがつきまとうもの。そのため手続きに踏み切れない人もいるのではないでしょうか。この記事ではそんな自己破産の基本知識からそのメリットやデメリット、手続きの流れなどを分かりやすく解説します。借金問題に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。

そもそも自己破産とは？できないこともある？

自己破産とは借金が返せなくなった状況の人が一定の財産を債権者に差し出すことで、その借金を全額免除してもらう法的手続きのこと。免除してもらえる借金額に上限がない上、消費者金融や銀行、友人など借り入れ先も問われません。国が用意した救済措置の中でもすべての借金が帳消しにできる唯一の方法で、借金問題に悩む人の光明となっています。

自己破産のメリット

自己破産の主なメリットは借金がゼロになることです。消費者金融からの借り入れだけでなく、クレジットカードのリボ払いや住宅ローン、友人からの借金など借りたお金はすべて免責されます。また破産手続きを受任した通知を法律専門家から債権者に送ることで、取り立てや給料差し押さえもストップ。もちろん必要最低限の財産は残せますし、自己破産後に得た財産は没収されません。

自己破産のデメリット

やはり家や車、土地といった価値のある財産が没収されることが大きなデメリットでしょう。これらは売却され、借金返済に充てられます。その他、連帯保証人に借金の返済義務が移るため多大な迷惑をかけること、ブラックリストに記録されること、国の機関紙「官報」に名前が掲載されること、手続き期間中は資格・職業に制限がかかることなどが挙げられます。

自己破産できないこともある？

自己破産の申し立てをしたからといって、すべての人が認められるわけではありません。自己破産はやむを得ない理由で借金が返せない人を対象にしているため、浪費やギャンブルなどで借金が膨らんだ場合は免責が認められないこともあります。しかしながら法律専門家の裁量や裁判官の判断によって認められることもあるので、あきらめずに相談しましょう。

自己破産を検討すべきタイミングは？

自己破産はやむを得ない理由で借金が返せなくなった人のための措置です。そのため「借金の総額が年収よりも多い」「利息を払っていくだけでも精一杯」「現在収入がない」などの状態であれば、自己破産を検討するべきかもしれません。自己破産だけはしたくないと一人で抱えこんでしまうと、銀行預金が差し押さえになるなどさらなる負担が増える可能性もあります。

自己破産の種類と解決までの期間

自己破産の方法は破産者の条件によって、「同時廃止事件」と「管財事件」に分けられます。原則として法人やその代表者が破産する場合は管財事件、個人が自己破産する場合は同時廃止となります。しかし個人でも処分する財産がある場合、破産管財人による管財事件となることもあります。ここではそれぞれにかかる期間や費用、特徴などをまとめました。

同時廃止事件の場合

破産者に処分すべき財産がなく、破産管財人による清算が必要ない手続き。自己破産者の約80％がこれにあたります。破産管財人の選定もないので、管財事件よりも早く解決することが特徴です。具体的なスケジュールとしては、必要書類作成などの準備に約3カ月、裁判所に申し立てをして免責が得られるまでに約3カ月。解決まで6カ月程度が目安と言えるでしょう。

管財事件の場合

債権者に配当できる資産を持つ人が自己破産した場合の手続き。破産管財人の選定や報酬、調査期間も必要となってくるため、同時廃止事件に比べて期間も費用も多くかかってきます。免責まで約1年、費用も最低約50万円と高額なため、東京地裁など一部では手続きを簡略化した「少額管財事件」を行い、一日も早い経済更生を促しています。

自分はどっちに当たる？

自分がどちらに当たるのか分からないという人も多いでしょう。同時廃止事件と管財事件のどちらになるのかという判断は裁判所によっても違いますが、東京地裁の場合だと33万以上の現金、評価額が20万を超える財産が一つでもあるかどうかがポイントとなっています。ただしこれらの基準は裁判所によって細かく分かれているので、まずは専門家に相談しましょう。

自己破産手続きの流れとは？

自己破産には同時廃止事件と管財事件の2種類があることをお伝えしましたが、手続きの流れはどちらもそれほど変わりません。ただし管財事件の方は破産管財人の選定などが絡む分、同時廃止事件よりも解決まで時間がかかります。ここではそのおおまかな流れを詳しくまとめました。実際に専門家に依頼したらどのように手続きが流れていくのか、参考にしてください。

受任通知から破産申し立て、破産審尋（しんじん）

まず弁護士や司法書士が自己破産手続きを受けた旨を記した受任通知を債権者に送ります。そして債務者の資産状態を調査の上、裁判所に破産手続きを申請。その後裁判所に赴き面接を受ける破産審尋が行われます。これは多くの場合申し立て内容に間違いがないかどうか念押しされる程度なので、それほど心配する必要はありません。また最近は破産審尋を省略するところもあります。

破産手続き開始決定

申立書に問題がなければ、ここで裁判官によって破産手続き開始が決定されます。同時廃止事件になるか、管財事件もしくは少額管財事件になるかどうかもここで決められます。管財事件や少額管財事件になると破産管財人が裁判所によって選定。今後は債権者と話し合いを持ちながら、弁護士や司法書士とは別の観点から債務者の資産を管理して調査、分配していきます。

債権者集会（管財事件のみ）

管財事件の場合、破産手続きから数カ月の間にこの集会を持つのが一般的です。集会では破産管財人から、借金に充てる財産の内訳や現在の状況などが詳しく報告されます。処分の進み具合によっては何回かこの集会が開かれることも珍しくありません。またこの集会では、債権者が債務者を免責させるかどうかの意見を交わしあうことも許されています。

免責審尋から免責決定

最後、免責を受けるためもう一度裁判所に赴く必要があります。この裁判官との面接を免責審尋と言い、先の破産審尋同様、申し立て書に記載した内容にその後変更はないかどうかの確認程度に留まります。その結果問題がなければ、裁判官が免責を決定。その免責許可決定が国の機関紙「官報」に公告後、2週間の間に債権者からの不服申し立て等がなければ無事免責確定となります。

免責許可決定書は大切に！

すべての手続きが終了すれば裁判所から「免責許可決定正本」が送付されてきます。法律専門家に手続きを代理していた場合は、そちらから原本かその写しがもらえます。日常生活ではそれほど使う場面はありませんが、生活保護の申請の時などに必要なことがあるので念のために手元に置いておきましょう。その他、免責確定を証明する「免責許可決定確定証明書」というのもあります。

自己破産は誤解だらけ？生活はどうなる？

その言葉の響きからか、「自宅がなくなる」「財産をすべて取り上げられる」とネガティブなイメージがつきまとう自己破産ですが、実際はどうなのでしょうか？実はイメージが先行したことによる誤解がほとんどで、「選挙権を取り上げられる」「子供の就職に影響がある」といったデマも多くあります。ここでは自己破産することで生活がどう変わるか具体的にまとめました。

自己破産後に残る財産

自己破産してもすべての家財道具が取り上げられるわけではありません。例えば生活必需品となるテレビや冷蔵庫などの家電、パソコン（1台まで）、99万円以下の現金などは対象外です。また差し押さえられる財産の対象は破産した人自身のものに限られるので、たとえ破産者の家の中にあったとしても家族のものであれば差し押さえられることはありません。

差し押さえられるもの

家や土地、車、高額な預金などは差し押さえの対象となります。また20万円以上の価値がある財産も同様です。ただし自己破産後に得た財産は差し押さえの対象とならないため、給料などは基本的に差し押さえられません。むしろ自己破産することで、債権者による給料の差し押さえをやめさせることができます。しかし退職金は差し押さえ対象になる場合があるので注意が必要です。

家族や会社への影響

破産者名義の家や車は差し押さえ対象となるので、このあたりは家族に大きな迷惑をかける可能性があります。また子供の教育ローンや将来に向けての貯蓄、保険なども原則手元には残らないので、破産後は家族の協力と理解が必要です。会社には直接借金をしていない限り基本的にバレることはありません。また自己破産したことを理由に社員を解雇することは不当解雇に当たります。

公的年金の支払いは？受給はできる？

公的年金の支払いは自己破産したからといって免除されません。その代わり公的年金は差し押さえの対象外なので、自己破産しても問題なく受け取ることができます。しかし債権者に銀行が含まれている場合、その口座は手続きの間凍結されてしまうことも。そのため公的年金の受け取りには債権者と関係のない銀行口座を指定する方がベターです。

手続き中に旅行に行ってもいい？手続きの後は？

自己破産手続きを開始してから終了するまでの間に長期間居住地を離れるには、裁判所の許可が必要です。しかしながら「親族の結婚式に出席する」といった正当な理由なら許可してくれることもあります。手続き後は同時廃止事件でも管財事件でも、どちらでも問題なく旅行は可能。また破産手続き中であってもパスポートの発行・更新に影響はありません。

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こがわ法務事務所の口コミ

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司法書士法人赤瀬事務所の特徴・おすすめポイント

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グリーン司法書士法人・グリーン行政書士法人

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自己破産は「この世の終わり」ではない！

これまでお伝えしてきたように、自己破産は一定の財産は手放さなくてはならないものの、借金をすべて清算し新たなスタートを切るチャンスだとも言えます。また思っていたよりもデメリットが少ないこともお分かりいただけたのではないでしょうか？判断はそれぞれのケースによって異なるので、借金で悩んだら一日も早く弁護士・司法書士に相談することをおすすめします。

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