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【世界遺産】イベリア半島の地中海沿岸の岩絵:考古学好きならぜひとも見たい旧石器時代の遺産

イベリア半島の地中海入り江の岩絵(ロック・アート)は、スペインの南東部に広がる6つの州(カタロニア、バレンシア、アラゴン、カスティーリャ・ラ・マンチャ、ムルシア、アンダルシア)の地中海沿岸にある洞穴や、岩場に描かれた古代壁画です。 はじめてこの地方で壁画が発見されたのは20世紀に入ってからの1906年。スペイン、アラゴン州テルエルで発見されました。100年程度の短い期間ですが、すでに1000kmにもおよぶ範囲に約758の岩絵が確認されています。岩絵と言えばアルタミラの洞窟の絵画が有名ですが、アルタミラより新しい時代、農業が始まる寸前の時代です。当時の様子や文化を探る資料的価値の高さから1998年に世界文化遺産に登録されました。 スペインの主に地中海沿岸から内陸部の山の中にあるイベリア半島の地中海沿岸の岩絵は、範囲が広く、また、未だに研究の過程にあるため一般公開しているものも少なく、見に行けるものはそのなかでもわずかです。 遺跡、特に旧石器時代、亜旧石器時代といったプレヒストリーに興味のある人のために、イベリア半島の岩絵のある場所の中から比較的行きやすい場所を選んで紹介します。20世紀まで手付かずの場所だっただけに自然が溢れた素晴らしい場所ばかりです。

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https://commons.wikimedia.org

更新日: 2024年4月25日

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イベリア半島の地中海沿岸の岩絵の特徴

壁画は主に、岩山の窪みや自然光の入る洞穴に描かれており、雨ざらしの状態です。しかし、保存状態は良く、何が描かれているのかはっきりとわかるものが多く残されています。いずれも作製された正確な年代は不明ですが、およそ紀元前8000年から3500年という説が有力です。あまりに広範囲に渡っているため、すべて見て回るのは困難ですが、地中海沿岸の街を観光していると、そのいずれかを目にする機会は多いことでしょう。

「イベリア半島の地中海沿岸の岩絵」とくくられる岩絵は、抽象的に子どもの描いた落書きのようにシンプルなのが特徴です。色使いもほぼ、黒と赤、たまに白があるだけ。さらに古い時代のアルタミラなどは、もっと色を使い、具体的に写実的に描いています。

描かれる場所にも違いが見られ、アルタミラは洞窟の奥のほとんど光が入ってこないところに描かれていましたが、イベリア半島の地中海沿岸の岩絵はスペイン語でabrigoと呼ばれる浅い、洞窟とは呼べない窪みのような場所に描かれています。つまり、自然光を使って描かれているのです。
アルタミラ洞窟のように光の差さない場所は、火の明かりによって描かれたと想像されています。

アルタミラが動物のみを主に描いていましたが、イベリア半島の地中海沿岸の岩絵は人間をプラスしていることも大きな特徴です。

人類がまだ文字を持たなかった、太古の人々の暮らしが描かれています。衣服や生活道具、狩りの様子、農産物の収穫、葬式などの儀式、部落間の戦いなど、多岐にわたっています。絵自体は、シルエットや素描に着色したシンプルなものが多いのですが、そのシンボル的な描写は、当時の人々の様子を鮮明に記録しています。

アルタミラは、描いた絵の上にまた違う絵を重ねて描いていますが、イベリア半島の地中海沿岸の岩絵は新しい壁に次々と描かれ、重ねられている絵はごくわずかです。そのことから、何かを記録するのが目的であったのではないかと言われていますが、まだ、研究の途中です。

Wikipedia

大きさもイベリア半島の地中海沿岸の岩絵は数十センチ程度と小さいのも特徴です。他の世界遺産に登録されている岩絵に比べても小さいことも特徴のひとつです。

カタルーニャ州、アンダルシア州東部、ムルシア州、バレンシア州、アラゴン州、カスティーリャ=ラ・マンチャ州の6州、16県で合計700以上の岩絵が発見されています。
地域によって特徴があり、北部(The northern zone)には人や動物が単体で描かれたものが多く、マエストラスゴとエブロ川下流(The Maestrazgo and the Lower Ebro)やその他の地域では狩猟や戦闘シーンを描いたものが多く見られます。

イベリア半島の地中海沿岸の岩絵ってどこにあるの?

イベリア半島の地中海沿岸の岩絵は、スペインの広範囲に点在しています。近年まで見つからなかったくらいに人が通らない山奥にある場合が多いので、訪れる場合は山歩きの支度が必要になります。

また、中には調査中で一般公開されていないものも多く、公開されていても直接市役所にお願いして鍵を受け取り、中に入るシステムになっているようなところもあります。

イベリア半島の地中海沿岸の岩絵の場所と数
■アンダルシア州: 69 ヵ所
ハエン県: 42 ヵ所
アルメリア県: 25 ヵ所
グラナダ県: 2 ヵ所
■アラゴン州: 163ヵ所
テルエル県: 67ヵ所
ウエスカ県: 78ヵ所
サラゴサ県: 18ヵ所
■カスティリャ−ラ・マンチャ州: 93ヵ所
アルバセテ県: 79ヵ所
クエンカ県: 12ヵ所
グアダラハラ県: 2ヵ所
■カタルーニャ州: 60ヵ所
タラゴナ県: 39ヵ所
レリダ県: 16ヵ所
バルセロナ県: 5ヵ所
■バレンシア州 301ヵ所
アリカンテ県: 130ヵ所
カステジョン県: 102ヵ所
バレンシア県: 69ヵ所
■ムルシア州: 72ヵ所

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バルセロナの岩絵のおすすめスポット

カタルーニャにあるイベリア半島の地中海沿岸の岩絵は1908年に発見されたロカ・デル・モロス( Roca dels Moros)または,エル・コングル( El Cogul)と呼ばれる洞窟内にあったもので、岩絵の中でも特に重要と言われています。その中でも特に写真の「コングルの踊り(La Dansa del Cogul.)」は保存状態も良く、9人の女性たちがダンスをしている様子が生き生きと描かれ、代表的な絵画になっています。

カタルーニャの岩絵は写真のようなシェルターで保護され、内部にある岩絵を見られます。

アクセス

バルセロナにある博物館 カタルーニャ考古学博物館(El Museu d’Arqueologia de Catalunya)通称MACがイベリア半島の地中海沿岸の岩絵を見るガイド付きツアーを企画していますから、それを利用すると気軽に訪れられます。

カタルーニャ考古学博物館El Museu d’Arqueologia de Catalunya

Passeig de Santa Madrona 39 - 41 08038 Barcelona
934 23 21 49
9:30–19:00
月曜日
http://www.mac.cat/esl/El-MAC

バルセロナで世界遺産ガウディも!

バルセロナに滞在したら、ガウディもゆっくり見られます。ガウディ建築は、サグラダ・ファミリア、カサ・ミラ、グエル邸、グエル公園など。また、隣のタラゴナ市にも地中海沿岸の岩絵が保存されていますから、そちらにも行けます。タラゴナにも考古学博物館があるので、合わせて訪れるといいでしょう。

バレンシアの岩絵のおすすめスポット

蜘蛛の洞窟(クエバス・デ・ラ・アラニャCuevas de la Araña)

バレンシアの郊外、ビコルプにある洞窟で岩絵が見られます。クエバス・デ・ラ・アラニャは英語で、”the Araña Caves ”、または、” the Spider Caves”と呼ばれ、いくつかの洞窟が固まって存在します。鹿などの動物や、狩の道具、弓矢や弓、槍など、生活の様子が描かれています。

一番有名な画像が、この蜂蜜を採取している男性です。この画像は亜旧石器時代 、つまり8000年くらい前に描かれたということがわかっています。20世紀の初期に地元の中学の教師によって発見されました。

Paso estrecho

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子どもたちも歩いて行ける、比較的なだらかな山ですから、ピクニックの用意をして訪問すると楽しいのではないでしょうか。ただし、ビコルプに行くバスは最近閉鎖されてしまいましたから、レンタカーの利用をおすすめします。バレンシアから約90キロメートル、約1時間。タクシーで100ユーロくらいです。バレンシアへは、マドリードまたはバルセロナからスペインの新幹線とも言えるアベ(AVE)で。以前はマドリードからバレンシアまで3時間以上でしたが、今では1時間半くらいです。

アンダルシアのアルメリアの岩絵のおすすめスポット

アルメリアのシンボルにもなっているインダロ(indalo)は、マリア~ロス・ベレス自然公園(Sierra de María-Los Vélez Natural Park)で発見された亜旧石器時代の岩絵にあったインボルです。虹を支えている人を表していることから、いわゆるパワースポット的意味合いをもち、アルメリアではあらゆるところにインダロをモチーフにしたオブジェが飾られています。このインダロが発見されたレトレロス洞窟(クエバ・デ・ロス・レトレロス、Cueva de los Letreros)は、国の重要文化財にも指定され、一般公開されています。

アルメリア県都アルメリア市の街路にもこのようにブロンズで作られたインダロが立っています。そのほか、バスやトラックなど、もしかしたらスペインのどこかで目にしているかもしれません。もし、インダロのマークが付いているトラックを見かけたら、アルメリアから来ているのだとわかります。

Indalo winestoppers range from Spain

アルメリアのおみやげ屋さんで見つけたワインのコルク栓です。アルメリアはカラフルなセラミックも名産ですから、セラミックを使ってかわいく仕上げています。

Lucky Indalo thimbles from Spain

お裁縫用の指ぬきです。ヨーロッパの指ぬきはコップを逆さにした形で、あちらこちらで売っています。刺繍をするときにも使えますし、使わなくてもコレクションをしている女性も多いようです。セラミックで作った指ぬきは小さくてお土産にも最適です。

アクセス

アルメリアにはマドリードから国鉄(レンフェ)で約4時間くらいです。マリア~ロス・ベレス自然公園に行くには、ベレス・ブランコ(Vélez-Blanco)市に滞在します。アルメリアからアルサ(ALSA)社のバスに乗って行きますが1日1本しかありませんから、宿泊はベレス・ブランコになります。

Untitled

ベレス・ブランコは人口2000人弱の小さな村です。16世紀に建設されたロス・ファハルド城(Castillo de los Fajardo)がある城下町で、スペインの伝統が守られ、興味深い滞在になることでしょう。ベレス・ブランコに滞在し、地元のタクシーを使うのが確実に岩絵を見る方法です。

しかし、人口たった2000人弱の村にホテルなんてあるのかしら?と心配する人も多いかもしれません。スペインは小さな村でも、そこがきれいな場所で、おまけに特別なもの、世界遺産に指定されているイベリア半島の地中海沿岸の岩絵の一つがある洞窟があるようなところなら、ホテルの心配はありません。

むしろ、他の地域よりも素敵なホテルがある場合も多いです。貴族のお屋敷のようなホテルに泊まって、タイムスリップすることも可能です。

Hotel Velad

イベリア半島の地中海沿岸の岩絵観光のおすすめシーズン

地中海地方は1年を通して温暖な気候ですが、それでも冬になると雨も多く、寒くなります。行きやすい岩絵の場所を紹介しましたが、それでも何千年もの間、人々が見つけることなく閉ざされていた場所です。かなり不便な場所であることは想像できます。そのため、行くとしたら、3月から6月、9月から11月頃が良いでしょう。

歩きやすい履物の用意と急な雨や風のためにウィンドウブローカーなど羽織るものを用意して行きましょう。

イベリア半島の地中海沿岸の岩絵にロマンを感じる旅

アンダルシアのハエンでも2006年に20カ所以上がイベリア半島の地中海沿岸の岩絵として世界遺産に登録されました。これから、整備されて公開されて行きます。全部で、700ヶ所以上ありますから、遺跡ファンはぜひチェックしながら、少しずつ見に行ってください。

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