【神奈川】猿島の観光ガイド：夏はバーベキュー！？横須賀からフェリーで行ける無人島

東京湾で唯一の無人島・猿島

猿島は、東京湾にある最大の自然島で、横須賀市にある東京湾で唯一の無人島です。面積は55平方キロメートル、周囲は約1.6キロメートルほどの大きさで、1時間もあれば散策できてしまうほどの広さです。猿島は東京湾の防衛拠点として要塞が築かれた歴史を持ち、その様子が「非日常感を醸し出している」と多くの観光客を集めています。

一時は海水浴などが禁止されていましたが、1906年から海水浴場が再開されました。そこから徐々に観光地として再整備が始まりまり、現在では観光ツアーや人気の撮影スポットとして注目を浴びています。夏は多くの人がバーベキューをしたり海水浴を楽しむなど、横須賀でも人気観光地となっています。また、仮面ライダーのショッカーの基地の撮影地になったことでも有名です。

展望台広場の手前には、階段と急斜面が続くいろは坂があります。猿島の入り口には無料の杖が置いてあるので、普段歩き慣れていない方はその杖を利用することをおすすめします。

猿島を有名にした観光名所・要塞エリア

猿島の特徴は、なんといっても要塞の島として機能していたことです。国の史跡にも登録されています。猿島に着いてすぐの坂を登っていくと、高い壁に囲まれた切り通しを目にできます。それは空から敵に自軍の位置を知られない様にするために作られたと言われています。さらにその切り通しを進むと、猿島の代名詞ともいえるレンガの要塞が目に入ります。

要塞エリアに残されているレンガの建築物は、明治時代に作られた「フランス積み」という方法で作られています。日本では猿島のほかに、富岡製糸場などを含めた4ヶ所しか現存していない、とても貴重な建物なのです。その先では、砲台跡を見られます。フランスから輸入したカノン砲は実戦で使われることがなく、その後配置された高射砲も、終戦とともに解体されました。現在残っている砲台跡は、この高射砲のために用意されていた時期のものです。

フォトジェニックなラピュタの世界

猿島には太平洋戦争の後連合軍が発砲した銃弾の跡が残っていたり、戦争の名残である砲台が残っているなど、ほかの場所とは違う独特な雰囲気が漂っています。それらの遺物は保存はされているものの、長い年月が経ち、現在ではまるで廃墟のようなたたずまいとなっています。その様子が、映画『天空の城ラピュタ』の雰囲気と似ているということで、フォトジェニックなスポットとして注目を浴びています。

レンガ造りの要塞とそれを覆うツタや苔など、まるでラピュタの世界に迷い込んでしまったかのような感覚になることまちがいなしです。猿島は、参加者は募って撮影会をすることを禁止しています。あくまで個人として、他の来訪者の方に迷惑がかからない様に撮影を楽しみましょう。

デートで行くなら外せない愛のトンネル

猿島には、愛のトンネルと呼ばれている煉瓦造りのトンネルがあります。明かりがないため誰かと手を繋ぎたくなるということから、愛のトンネルと言われているそうです。このトンネルが暗いのは、敵が攻め込んできたときに出口が見えないよう、少し傾斜がついているからです。出口から光が差さないので、一層暗くなっているのです。デートで訪れる際は、ぜひこのトンネルを通りましょう。

またトンネルは、地下から司令部や兵舎などに行けるようになっています。もっと奥へ入りたい方は、後述するツアーに申し込みましょう。

東京湾を臨める広場とショッカーの基地・展望台

猿島には、横須賀市街や東京湾を眺めることができる展望広場があります。そこからは横須賀の海軍基地を見ることができ、横須賀ならではの風景を味わえます。普段とはちがった角度から横須賀を眺めてみるのも良いかもしれませんね。

天気が良い日には、横浜のベイエリアや千葉房総半島までを一望できます。

また、愛のトンネルの近くに展望台もあります。展望台は猿島に残っている5つある砲台と同時期に、第二次世界大戦中に観測所として作られたものです。仮面ライダーの悪役としておなじみの初代ショッカーの基地として使用されたことでも有名です。仮面ライダーが好きな方やその世代の方にとっては、ぜひ足を運んでおきたいスポットです。

猿島をもっと詳しく！ガイドツアー

猿島についてもっと詳しく知りたい方は、猿島のガイドツアーに申し込みましょう。ガイドの方と一緒に、兵舎や爆薬庫など、普段は入ることのない要塞の内部を見学できます。専門ガイドの方は知識が豊富で、ツアーでは知的好奇心をくすぐられること間違いなしです。ミリタリー好きの方には特におすすめです。

ツアーは決まった時期、決まった時間に行われます。基本的には、猿島に着いてから管理棟で直接申し込むことになります。史跡見学ツアーに参加したい方は、船を降りて真っ先に管理棟へと向かいましょう。また、猿島公安コース、走水低砲台跡コース、猿島公園と走水低砲台跡コースの3つのコースを自分で選べる、個別ガイドツアーも行われています。

「自分のペースでゆっくりと散策したい」「いろいろなことを聞きたい」という方は、個別ガイドツアーを利用するといいでしょう。このツアーは事前予約制になりますので、興味のある方は こちら からチェックしてください。

夏はバーベキューでにぎわう猿島

猿島は手ぶらで行ってバーベキューを楽しめることを売りにしています。コンロや炭、着火剤など、すべて現地でレンタルできます。さらに一部の食材は島で入手することもできるので、まさに手ぶらでバーベキューをすることが可能なのです。都会の喧騒を忘れ、東京湾の無人島で友人とバーベキューをしたり、海水浴を楽しむなど、夏の思い出を作りたい方にはぴったりです。

ですが猿島には商店などはないので、レンタルできるものは事前に確認しておきましょう。夏を思いっきり楽しみたい方に、猿島はもってこいですね。

猿島までのアクセス

横須賀中央駅まで電車で

交通公共機関を使って猿島へ向かう場合、京急本線で横須賀中央駅、もしくはJR横須賀線の横須賀駅に向かいましょう。横須賀中央駅、もしくは横須賀駅から、徒歩で猿島までの船が出ている三笠公園へ向かいます。横須賀中央駅からは10分ほど、横須賀駅からは20分ほどかかります。

横須賀中央駅で下車する方が近いですが、軍港めぐりやヴェルニー公園の観光など、その後観光しやすいのは横須賀駅です。猿島に行ったあと、さらに横須賀を観光したいのであれば、横須賀駅の利用の方が良いかもしれません。

三笠桟橋まで車で

車で三笠桟橋に向かう場合、横浜横須賀道路の横須賀インターチェンジから、本町山中道路を経由して三笠桟橋へ向かいましょう。横須賀インターチェンジから三笠桟橋までは10分もあれば着きます。

横須賀インターチェンジの出口から汐入へ向かう際、横須賀の海軍基地の様子を見られます。同乗者の方は、進行方向左に見える横須賀市軍港の景色を楽しむのもいいでしょう。

三笠公園には、付属の駐車場、また近くにはコインパーキングがいくつかあります。ですが駐車場はシーズンになるととても混雑するので、汐入・横須賀中央エリアで車を止めておき、そこから歩いた方が確実かもしれません。

三笠桟橋から猿島まで

猿島は無人島なので、当然船で行くことになります。その船が出ているのが、三笠公園にある三笠桟橋です。船のチケットは当日買うこともできますが、土日、特に夏休みの期間はとても混雑することが予想されます。可能であれば、オンラインで予約しておくことをおすすめします。土日に現地でチケットを買う予定の方は、時間に余裕をもって早めに行っておきましょう。

三笠桟橋がある三笠公園には戦艦みかさがあり、観光地としても人気になっています。そのため、早く行っても散策して船を待っているのもいいでしょう。飽きることはありません。三笠桟橋から猿島へは、片道約10分の船の旅となります。夏の期間は、朝8時半から夕方4時半まで、1時間に1本の感覚で運行しています。猿島に行く前に、しっかりと 時刻表 を確認しておきましょう。

軍港めぐりやヴェルニー公園など！近くの観光地情報

近くの観光地として最近特に注目を集めているのが、日米の戦艦を見ることができる日本唯一のクルーズである、横須賀軍港めぐりです。横須賀は海上自衛隊とアメリカ海軍の施設がある軍港として有名で、軍港めぐりでは、海上自衛隊司令部、吾妻倉庫地区、そしてアメリカ海軍横須賀基地の3箇所をを船の上から観光できます。詳しい予備知識がなくてもガイドの方が丁寧に解説してくれるので、きっと楽しめるでしょう。

また、軍港めぐりの発着場である汐入桟橋は、ヴェルニー公園内にあります。フランス庭園の様式を取り入れた洋風の公園で、初夏には130品種1400株ものバラが咲き誇ることでも有名です。海沿いのボードウォークからは、横須賀本港、そして停泊している海上自衛隊の戦艦を見ることもできる人気観光地です。

横須賀には、ほかにも観音崎や走水などの観光地があり、さらに南下すると、三崎港や城ヶ島まで行くことができます。

猿島で気軽に非日常体験を

首都圏からほど近く、気軽に非日常体験を味わえる場所として人気を集めている猿島。要塞としての面影と圧倒的な自然の雄大さを同時に感じられます。写真撮影が好きな方には、特にたまらない場所でしょう。

車でのアクセスはもちろん、公共交通機関でのアクセスがいい無人島なので、週末のプチ旅行にもぴったりです。次の旅行先に迷っている方は、ぜひ猿島を検討してみてください。

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