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すみだ北斎美術館の概要
東京都墨田区にある「すみだ北斎美術館」は、江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の美術館で、2016年11月22日にオープンしました。少々意外なことに、北斎を単独で扱っている専門の美術館は、日本でこちらだけです。墨田区に北斎の美術館が造られた理由は、北斎が生まれて生涯のほとんどを過ごした土地であり、地元の人達からも馴染まれていることにあります。
ちなみに、美術館の敷地は元々大名屋敷があった場所で、時の当主に依頼された北斎がここで馬の絵を描いたという逸話が残っています。
設計したのは国内外で高い評価を受けている建築家の妹島和世で、地域との一体化をコンセプトにして造られました。浮世絵の美術館といえば古風な建物を想像しますが、こちらはアルミの外壁とシャープなラインが斬新な印象です。鏡面仕上げのため周囲の景色が建物に映り込み、また切り込み部分から内部の様子も垣間見られるように出来ています。
すみだ北斎美術館の所要時間、観覧料など
こじんまりした美術館なので、基本的に1時間少々あれば回ることができます。ただし、企画展の内容によっては混む場合もあり、館内のエレベーターは順番待ちになることもあるので注意してください。場所がら外国人観光客も多く来館しており、入館者数は開館半年で20万人を突破しています。
すみだ北斎美術館
- 〒130-0014 東京都墨田区亀沢2-7-2
- 03-5777-8600
- 9:30~17:30
- 月曜(月曜が祝日の場合は翌日に振り替え)年末年始
【観覧料金(常設展)】一般 ¥400 高校・大学・専門学校生、65歳以上 ¥300
*こちらの入場券の半券を持参すると、以下の施設でも割引が受けられます。
・江戸東京博物館(常設展のみ団体割引料金での観覧可)
・郵政博物館(一回のみ入館無料)
・すみだ水族館(団体割引料金での観覧可)
企画展については観覧料が別途かかります。現在までのところ「富嶽三十六景」展や「大ダルマ制作200年記念」展などが開催されており、一般で¥1,000前後の観覧料になることが多いです。現在開催中の企画展、また今後の開催予定は下記のページから確認してください。
葛飾北斎について
葛飾北斎(1760〜1849)は江戸時代後期の絵師です。肉筆や刷物の浮世絵も多く残していますが、有名なのは錦絵(多色刷りの版画)の富嶽三十六景シリーズでしょう。なかでも、大きな波が立つ向こう側に小さく富士山が見える「神奈川沖浪裏」は特に有名です。ほぼ90年の生涯で残した3万点にのぼる作品の一部は海外へも渡り、特にヨーロッパで現地の画家たちに大きな影響を与えました。近年でも大英博物館で北斎展が開催されるほど注目されており、日本を代表する芸術家の1人と言えます。
北斎は生涯にわたって93回も引っ越しを繰り返したと言われていますが、ほとんど現在の墨田区界隈から出ませんでした。そのため、当時の両国橋や地元の神社などを描いた作品も多く残されています。また、「葛飾」という名字は墨田区を含む地域名の「武蔵国葛飾郡」からとったものです。
彼の本名は川村鉄蔵で、北斎は画号です。しかし画号を頻繁に変えており、「宗理」「百琳」「春朗」など生涯で約30もの号を使用しました。中には「画狂老人」「卍」「月痴老人」という冗談のような画号もあります。最も知られているのが「北斎」ですが、この号も生前弟子の1人に譲ったため、二代目葛飾北斎も存在しています。
2回の結婚で6人の子どもをもうけています。その中の1人、阿栄も女ながら才能のある絵師で、葛飾応為という画号を持っていました。一度結婚しましたが、離縁した後は北斎と一緒に暮らしており、北斎の作品には応為の代筆、または共作ではないかと言われるものも多く残っています。
すみだ北斎美術館の見どころ①〜錦絵
北斎と言えば、やはり錦絵が有名です。すみだ北斎美術館では企画展での展示の他、常設展でレプリカや映像資料などを展示し、多角的に北斎の作品に触れられるように工夫されています。本物の作品の展示はその時の企画展の内容によって変わりますが、ここでは所蔵作品の代表的なものを紹介します。
富嶽三十六景
北斎以前の版画と言えば、美人画や風俗画などの浮世絵が一般的でした。そこへ風景画を描いて好評を得たのが北斎で、他には「東海道五十三次」で知られる歌川広重がいます。こちらで所蔵している富嶽三十六景の作品は、著名な北斎コレクターだったピーター・モースの遺族から寄贈されたコレクションです。モースは大森貝塚を発見したエドワード・S・モースの子孫にあたる人物で、東西の版画に関する造詣が深い人物でした。
このコレクションには上記で紹介した「神奈川沖浪裏」の他、地元の両国橋を描いた「御厩川岸より両国橋夕陽見」、また赤富士の「凱風快晴」などがあります。
百物語
江戸時代に流行した百物語をテーマにした北斎の作品は、確認されているだけで5図残されています。すべて北斎ならではの、不気味な中にも一種のユーモアや洒落が感じられる作品ばかりです。下の「さらやしき」は1831〜1832年頃のもので、怪談「番町皿屋敷」をテーマに、奉公先で大事な皿を割って手打ちにされたお菊の幽霊が描かれています。お菊が「いちま~い、にま〜い…」と皿を数えたというストーリーになぞらえ、首から下の部分が皿を連ねた姿になっているのが特徴的です。
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すみだ北斎美術館の見どころ②〜北斎漫画
北斎の作品を風景画や浮世絵でしか知らない人に驚かれるのが「北斎漫画」です。漫画と言ってもコミックではなく、「漫然と描いた」スケッチ集のことで、15篇の絵手本(絵本)が発行されました。図柄は人物や動植物、妖怪変化、時代の風俗までありとあらゆる物が約4000ほども描かれています。北斎の確かな画力で人物や動物が生き生きと描写されており、こちらのコレクションの中の「雀踊り」という踊りの動きを順に並べたものなどは、特にコミカルで楽しい作品です。
すみだ北斎美術館の見どころ③〜北斎のアトリエ
常設展の区画には、北斎のアトリエ兼住居が再現された模型があります。これは北斎の弟子の1人が描いた絵を元に造られたものです。座敷の中には、布団にくるまって絵を描く84歳の北斎と、火鉢に寄りかかって座る娘の阿栄の人形が配置されています。北斎は実際に布団やこたつの中でよく絵を描いたと言われているため、本当にこんな感じだったのだろうと想像できる模型です。彼ら親子は2人とも絵を描く以外の事柄に興味がなく、掃除や片づけもしなかったとのことで、その乱雑な感じもよく表れています。
すみだ北斎美術館のお土産・食事情報
美術館1階のミュージアム・ショップには、入館チケットがなくても入ることができます。扱っているのは企画展の図録の他、北斎を中心とした浮世絵をモチーフにしたグッズなどです。墨田区で作られたクラフトなども購入できるので、お土産を買うのに立ち寄るのも良いでしょう。
なお、館内に付属のカフェやレストランはありませんが、両国駅前から錦糸町にかけて多数の飲食店が点在しています。こちらでは下町の雰囲気を感じられるカフェを紹介しますので、食事や休憩場所をお探しの人は参考にしてください。
北斎茶房
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北斎通りを、美術館から見て両国とは反対方向の錦糸町に向かうとある甘味処です。元は長屋の倉庫だったものを改装した、いわゆる古民家カフェで、引き戸や漆喰の壁、年季の入った色合いの柱などに趣が感じられます。京都で修行したという和菓子職人が作る和スイーツが好評で、材料にこだわったあんみつやわらび餅、また、かき氷やおしるこなど季節ごとのスイーツも楽しめます。その他、和デリプレート(定食)やパスタなどの食事も人気があり、リピーターの多いカフェです。
北斎茶房
- 〒130-0014 東京都墨田区亀沢4丁目8−5
- 03-5610-5331
- 11:30~22:30
- 火曜
すみだ北斎美術館へのアクセス
観光客も多い両国地区にあるため、公共交通機関が充実しています。
【電車の場合】
最寄りは400mほどの距離にある両国駅です。都営地下鉄大江戸線・両国駅のA3出口からは徒歩5分程度で到着します。またはJR総武線の両国駅東口から徒歩9分ほどです。
【バスの場合】
都営バス「都営両国駅前」停留所から徒歩5分です。なお、都営バスの路線図は
こちら
から検索できます。
墨田区内循環バス「すみだ北斎美術館前(津軽家上屋敷跡)」停留所からすぐです。墨田区内巡回バスの路線図は
こちら
をご覧ください。
【車の場合】
すみだ北斎美術館に駐車場はないため、近隣の駐車場を利用する必要があります。ただし、小さなパーキングばかりなので、空車があるか心配な人は公共交通機関を利用しましょう。
周辺の駐車場情報は
こちら
から検索できます。
周辺の北斎関連スポット情報
北斎はすみだ美術館のある、現在の墨田区亀沢1~4丁目あたりで誕生したと言われています。そのため、近隣には「北斎通り」や「葛飾北斎生誕の地」の立て札や記念碑があるので、周辺を散策してみるのもおすすめです。
北斎通りの詳細は
こちら
また、下記のページから北斎ゆかりの地マップと、古地図上で北斎が住んだ場所が確認できます。古地図なので現在の道路とはずれていますが、墨田川を基準にすると大体の場所が分かるかもしれません。
すみだ北斎美術館のまとめ
話題のすみだ北斎美術館は、下町の観光スポットとしても、日本の大事な文化である浮世絵・錦絵に触れられる場所としても魅力があります。映像での展示も多く、子どもでも飽きずに回ることができるので、家族で訪れるのもおすすめです。また、外国からのゲストを連れて行っても喜ばれるでしょう。来館の際には、ぜひ、北斎が住んでいた江戸時代の街の様子などを想像しながらの周辺散策と合わせて堪能してください。
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