上海観光の基本ガイド：かつての「魔都」は、現代でも不思議な魅力にあふれる街

「上海」の歴史

上海の都市としての歴史はそんなに古くはありません。世界史に登場するようになったのは、19世紀のアヘン戦争後に、海外向けに開港したことにはじまります。
以後、フランス、イギリス、日本、アメリカの租界が次々に開かれ、海外資本の本格的な進出がはじまります。1920－30年代には金融都市として発展するとともに、「魔都」「東洋のパリ」と呼ばれる歓楽街としても栄えました。

明時代の上海の風景

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1941年、第2次世界大戦がはじまると日本により接収されます。1949年、中華人民共和国成立とともに、外国資本は香港に移動しましたが、上海は工業都市として発展します。
1978年の開放政策以降は、再び外国資本が参入し、現在にいたるまで急速な発展続ける中国最大の経済都市となっています。

「上海」観光の基本

中国経済の中心都市

上海市は、「市」ではありますが、大分県ほどの広さがあり、中国では「省」と同等の扱い、日本でいえば東京都のような存在です。
人口は、2,400万人を越え、経済規模では首都北京を越えて中国最大、日本からの進出企業は9000社を越え、滞在日本人は10万人以上と、長期滞在日本人の多さでは、タイのバンコクに次いで2番目の多さです。

上海の気候

上海市の経度は日本の鹿児島と同じくらいの場所にありますが、曇りの日が多く、鹿児島よりは寒い気候です。冬の最低平均気温は5度前後、夏の平均最高気温は32度程度と、日本の本州と同じような気候です。
梅雨が6月末から7月前半まで20日間ほどあります。

上海人ってどんな人？

中国人と一口に言っても、地方によりその気質は様々あります。日本で言えば東京人と大阪人（関東と関西）のように対比されるのが、北京人と上海人です。気質も大きく違う上に、その仲の悪さは想像以上です。

首都、北京人は、経済よりも地位や名声への興味関心が強く、お金よりも信頼関係を重んじるといわれます。一方、上海人は、個人主義で地位や名声よりもお金に関心が高く、他の中国人に対する優越意識があってプライドも高い、と言われています。

「上海」の交通手段

上海の交通機関は、とても先進的です。空港からはリニモーターカー、市内は地下鉄網が発達、バスはあらゆる場所へ行き、タクシーも日本に比べれば格安で利用できます。

空港からは「リニアモーターカー」

上海には「浦東空港」と「虹橋空港」の2つの空港があります。どちらも国際線が就航し、連絡バスで接続しています。市内へはバスや地下鉄で接続できますが、「浦東空港」からはリニアモーターカーがおすすめです。時速420キロで走る独特の乗り心地は、未来都市上海観光の幕開けとしても楽しいイベントになるでしょう。

市内観光に便利なタクシー

上海市内の観光は、2人以上ならタクシーの利用が最も便利です。初乗りは300円程度なので気軽に利用できます。

充実の地下鉄網＆どこまででもゆけるバス

市内の移動には地下鉄がおすすめです。上海市内を回る環状線と、東西を横断する路線があります。運行本数も多く、治安も問題がないので日本と同じような感覚で利用できます。電車、バス、タクシー共通で使える電子マネーのキャッシュカードを使えば割引もあります。

時間があるならば、バスも選択肢のひとつです。上海市内でいけないところはないと言うくらいバス網は発達しています。路線が複雑ですが、インターネットで乗り換え検索ができます。

レンタル自転車に挑戦!?

日本でもニュースになっている、乗り捨てができるレンタル自転車も、機会があれば乗ってみたいもの。オレンジ色などの派手なカラーがレンタル自転車です。料金が15円前後と格安なため、爆発的に普及しています。
ただし、スマホの決済口座が必要なので、長期滞在する人におすすめです。

「上海」のみどころ

上海一の名所、夜景もすばらしい「外灘（ワイタン）」

上海へ行くなら、まず押さえたいのが上海最大の繁華街「外灘（ワイタン）」です。上海の夜景として紹介されるのは、ほとんどがこちらです。
場所は、上海の中央を流れる「黄浦江（コウホコウ）」に面した1キロほどのエリアです。19世紀から始まった上海租界地区が発展、租界当時の洋風建築が立ち並び、対岸には対称的な超高層オフィスビル街を眺めることができます。
川沿いは遊歩道になっていて散策が楽しめます。

歴史的な西洋建築は、レトロな雰囲気のバーやレストラン、ラグジュアリーな高級ホテルとして今も使われています。
特に夜景は圧巻です。外灘側のレトロな建物がライトアップされ、19－20世紀初頭の異国情緒が感じられます。対岸に目を移せば、近未来的なタワーやまばゆいほどの高層ビル群がそびえています。

歴史巡り

上海の歴史に興味があるなら「上海城市歴史発展陳列館」がおすすめです。上海の歴史を動くアトラクションでわかりやすく紹介しています。外灘のそばにあるので、まずここで歴史のおさらいをしてから外灘の建築物などを眺めると、さらに楽しめそうです。

博物館の北にあるのが「多倫路文化名人街」、かつての日本人街を散策路にしたエリアです。著名文化人銅像とともに、旧式家屋、長屋、骨董品店などの歴史的な建物や、毛沢東グッズのお店などもあります。

レジャー施設で遊ぶ：上海ディズニーリゾート

「上海ディズニ－リゾート」は2016年にオープン、上海浦東国際空港からは、車で2～30分の距離にあります。ここをメインテーマに上海に行く人も多い人気スポットです。総面積で東京ディズニーランド＆シーの2倍ほどで、パークと直営ホテルが2軒、ショッピングエリアがあります。

上海ディズニーパークのシンボルは、「エンチャンテッド・ストーリーブック・キャッスル」というすべてのプリンセスのストーリーをモチーフにしたお城で、ディズニーパークの中では最大で高さ60メートルもあります。

ショッピング三昧

「淮海路（ワイカイロ）」は、上海の最新ショッピングタウンです。西蔵中路と華山路をつなぐ東西4kmほどのストリートに、ショッピングモールや海外のラグジュアリーブランド、ファストファッション、高級時計店、アップルストア、家具店、高級レストランなどなど、あらゆるお店があります。

旧フランス租界の老舗ホテル「花園飯店」内にある「上海三越」は、高品質なカシミアとシルク製品で定評があります。シノワズリ雑貨ブランドがすべてそろっています。
中国らしいお土産を買うのなら「全国土特産食品商店」がおすすめです。木の実、ドライフルーツなどのお菓子、梅干しやデザートなどの食品が安く購入できます。

「上海」の食

上海料理の特長

四大中華料理のうちのひとつが上海料理。北の北京、西の四川、南の広東に対して、東側、海岸沿い上海を中心としたエリアの料理です。周辺地域から上海へ来た移民の料理と、19世紀以降の海外の技法なども取り込んだ、魚介類を中心とした料理です。酒、醤油、黒酢や砂糖を用いるため、甘く濃厚な味が特徴です。

近年ではさらにヨーロッパ料理の手法や素材をとりいえた高級店も出現し、それらが「ヌーベルシノワ」（新中華料理）と呼ばれています。

代表的なメニュー

日本でも冬になると話題になる「上海ガニ」、日本人になじみがあるところでは、「八宝菜」「上海焼きそば」「小籠包」などがあります。その他、豚バラ肉を煮込んだ「紅焼肉（ホンシャオロウ）」、アヒル料理の「八宝鴨」などがあります。

「上海」のおすすめのお土産

「ばらまき系」お土産ならば「全国土特産食品商店」などでいろいろなものが安価に入手できます。ここではちょっと大切な人や自分に贈りたい、上海らしいおみやげをピックアップしてみます。

シノワズリグッズ

中国らしい色使いやデザインにヨーロッパの洗練が組み合わさった、モダンなデザイングッズです。外灘地区などのショッピングエリアやデパートで、安いものから高いものまで各種そろっています。バンド地区の「アナベルリーシャンハイ」、新天地の「Zen Lifestore」などが日本でも人気があります。

景徳鎮の陶器

中国茶の急須などでおなじみの景徳鎮も上海にあります。伝統的な景徳鎮なら、上海老街の「紫壺軒」などで多種多様な陶器がそろっています。現代作家の品を扱う小さなショップや、アンティークを扱う日本人オーナーのお店「ダブルヒッピネス」など新しいタイプのショップも登場してきています。

龍井茶（ロンジン茶）

上海でお茶と言えば龍井茶（ロンジン茶）です。日本ではあまりなじみがありませんが、杭州の西湖周辺で栽培されている緑茶です。日本の緑茶とは風味が異なり、ウーロン茶やジャスミン茶ほどメジャーでもないので、ちょっと珍しいお土産としてもおすすめです。

「上海」観光の注意点

治安について

概ね良好ですが、特にスリなどに注意が必要です。日本にいる感覚、財布やスマートフォンを外から見えるポケットに入れて持ち歩くとすられる危険があります。

交通事情

車の運転のマナーはよくありません。横断歩道や道路を横断する際など、日本の感覚で渡ると危険です。また、電気スクーターが普及しており、走行音が静かなため気がつきにくく、注意が必要です。

衛生状態

上海などの大都市のレストランやホテルでは、清潔な洋式トイレが用意されています。ただし、紙がなかったり清潔でないことも多いので、トイレットペーパーと消毒用ウェットティッシュなどは常に携帯することをおすすめします。

「上海」のホテル事情

フェアモント ピースホテル オン ザ バンド

上海のホテル相場は、5星で1泊 15,000円～、3星で6,500円～です。5星の代表的なホテルとしては、チャップリンなどの海外著名人も利用した「フェアモント ピースホテル オン ザ バンド」、「ザ ペニンシュラ上海」「マンダリンオリエンタル」「ザリッツカールトン」などがあります。

「上海」観光のまとめ

最先端都市でありながら、植民地時代の建築物や街並みが残る上海。中国でありながら、西洋的な文化を取り入れてきた歴史が、上海らしさを生み出しています。
20世紀のノスタルジーと21世紀の実現しつつある未来。その2つが同時に楽しめる上海を、たっぷりと楽しんでください。

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