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ハノイ観光の基本ガイド:千年の歴史を持つ古都。歴史の刻印が色濃く残る街

南北に長いベトナムの、北部に位置する古都であり、首都であるハノイ。ハノイと並び称されるもう一方の大都市、南部に位置するホーチミンは、発展するベトナムの最先端、活気あふれる経済の街としての性格を持っています。一方、北部のハノイは、その気候も含めてホーチミンとは全く別の特徴をもっています。 11世紀から李朝の首都として栄え、19世紀にはフランスの植民地となり、第2次大戦では日本が占領、戦後2度の戦争を経て独立したベトナム。中国風の旧市街とフランスコロニアル調の建築が入り交じった、ベトナムの歴史を感じさせてくれる街並みを持つハノイは、歴史の街であり、ベトナムの政治と文化の中心地です。

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更新日: 2024年10月10日

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「ハノイ」の歴史

7世紀、当時の中国の唐の支配拠点となり、ハノイは都市としての発展をはじめました。11世紀の李朝の時代に首都と定められ以後、1802年にフエへ遷都するまで王都として栄えました。その間の名称は、昇龍、東京、東都などと呼ばれ、1831年に、現在の名称であるハノイとなりました。

1920年のハノイの地図

https://gl.wikipedia.org

ベトナムは、1873年にはフランスに占領され、ハノイはフランス領インドシナの中心地となります。1940年には日本軍が進駐、45年、戦争の終了とともに独立を宣言するも、第1次インドシナ戦争、ベトナム戦争と戦火が続きます。そして1976年、戦争の終結とともに、ベトナム社会主義共和国の首都となりました。

「ハノイ」観光の基本

ハノイの交通

ハノイ市内の公共交通機関はバスのみため、時間の制約がある観光にはタクシーの利用が一般的です。料金は初乗りが約30円と格安です。バイクタクシーや自転車タクシーの「シクロ」もありますが、実用的な移動と言うよりは、観光の一環として乗るのには楽しい乗りものです。

ただし事前に料金交渉が必要なので、料金トラブルなどには気をつけてください。市民のほとんどはバイクで移動しています。

ハノイの言葉

ベトナムの公用語はベトナム語ですが、主要な観光地では英語も通じます。ただし、観光エリア外や小さなレストランなどでの英語が通じる率は、シンガポールやマレーシアなど他のアジア諸国と比べても低い印象です。レストランなどで使える簡単なベトナム語などは覚えておく方が、旅行が楽しめそうです。

ハノイの気候

南国のイメージが強いベトナムですが、南北に長いため、南部は熱帯ですが北部は亜熱帯に属し、雪が降る地方もあります。北部に位置するハノイは、雨季と乾期にわかれますが年間での寒暖差が激しく、ハノイには「四季がある」とも言われています。

5月~10月が雨期で、特に7~9月は30度を超え、雨も多く、湿度も高くなります。日本の夏休みのシーズンが最も過ごしにくいシーズンとなっています。

10月の後半から4月までが乾期です。温度も湿度も下がり、12月~2月の間は、最低気温は5度前後、最高気温で20度前後と、冬と言ってもよいくらいの季候になります。3月から気温は上昇し、短い春のような時期を経て、4月下旬からは25度を超える気候となっていきます。

ハノイ観光のベストシーズンは、10-11月といわれています。ただしビーチを中心にするなら、夏らしい6月から8月がおすすめです。雨期といっても一日中雨が降り続けるのではなく、スコールのように一定時間だけの降雨なので、南国らしい夏が楽しめます。

「ハノイ」のみどころ

1000年の連続した歴史が残る世界遺産「タンロン遺跡」

Central Sector of the Imperial Citadel of Thang Long - Hanoi

1000年の歴史を持つ古都、ハノイ。1010年の李朝から始まる王朝の首都、その歴代皇帝の居住していたエリア一帯が「タンロン遺跡」として、世界遺産にも登録されています。現在まだ発掘の最中ですが、李朝以降の各時代の遺跡が重なって残されているのが特徴です。

現在見ることができるのは、「端門」という入り口の楼閣と、側近が使っていた「後楼」、「正北門」、そして発掘されたものが展示されている博物館となります。

「正北門」には19世紀のフランス軍との「ダナンの戦い」の際の砲弾跡も残されています。タンロン城に1965年に作られた地下壕は、ベトナム戦争時の司令基地となった場所です。ここには当時の会議室が再現されて展示されています。
11世紀から19世紀の植民地時代、そして20世紀のベトナム戦争まで、歴史の足跡がここには残されています。

緑豊かな伝説の湖、市民が憩う「ホアンキエム湖」

Tortoise tower

ハノイ中心部にある穏やかで、散策や観光に最適な、市民も憩う静かな湖です。この湖には伝説があります。15世紀、黎朝の始祖がこの湖に棲む亀から授かった剣で中国を打ち破り、ベトナムを中国から解放しました。その剣を、この湖に返還したのです。
湖周辺の遊歩道では、市民がベンチでくつろいだり、似顔絵画家がいたり、電気自動車やシクロでの遊歩道巡りも楽しめます。

ノスタルジックな旧市街と活気あふれるナイトマーケット

ホアンキエム湖の北にあるのが、ハノイ最大の繁華街である「旧市街」です。タンロン城の城下町として栄え、以来商業地区だったエリアです。36の同業組合毎にエリアが分かれていて、その区画が現在でも引き継がれています。

街並みは国によって保全管理されているため、古い建物のまま、現在でも営業が続けられています。
通り毎に売られている様々な小さなお店に加え、大型の屋内市場として「ドンスアン市場」があります。ここには日用品、雑貨、土産物、食堂などなんでもそろっています。

また、金曜~日曜の間は、夜18時半~深夜までナイトマーケットが開催されます。ハノイでは最も賑やかなナイトスポットです。
道にはテントが張られ、数百の屋台がならぶ、アジアらしい活気にあふれています。お酒や食事はもちろん、サンダル、ライター、おもちゃ、お菓子、などなどあらゆるものが販売されています。

ハノイを空から眺めるなら「カンナム・ハノイ・ランドマークタワー」

ベトナムで最も高い、高さ320メートル、72階建てのオフィスタワーと高層住宅からなる高層ビルです。ハノイ市内から車で30分の新市街、トゥーリエム地区にあります。
72階が展望台になっていて、ハノイの市街がすべて見渡せます。東北方向には、ハノイ最大の西湖、街を囲むホン河、そして西側には緑の田園地帯が残っています。
展望台フロアにはトリックミュージアムがあり、名画や動物をモチーフにしたトリックアートを楽しめます。

タンロン水上人形劇場

ベトナムの農村に伝わる人形劇で、水中に隠された仕掛けを使い、コミカルな人形の動きが特徴的な伝統芸能です。劇のテーマはの農村の生活や教訓を織り込んだもので、伝統的な楽器や民謡とともに演じられます。

言葉はベトナム語ですが、意味はわからなくても人形の動きで十分楽しめます。
劇場はホアンキエム湖のそばにあり、ベトナムの建国の父と言われるホ・ーチミンが建てたものです。

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「ハノイ」の食を知る

ベトナム、ハノイ料理の特長

ベトナムは、長い間中国の影響を受けてきたため、料理にもその影響は色濃くあります。さらに、19世紀からのフランス支配により、フランス料理の要素も取り入れられています。

ベトナム料理の特徴は、魚醤(ニョクマム)を使い、米が主食で、麺や春巻きなどの皮にも小麦ではなく、米が使われること。炒める、蒸す、焼くなど中華料理と共通の技法が多いこと、香菜(シャンツァイ/コリアンダー)などの香草類を多用することなどがあげられます。
味は全般に穏やかで、極端に辛い、しょっぱいことはなく、日本人でも食べやすい料理です。

また、ベトナムは南北に長く、地方毎に習慣や気候が異なるので、料理も地域毎に違いがあります。
ハノイがある北部地方は、ニョクマムや醤油を多用した、少し塩辛い味付けです。香菜はそれほど使用しません。フエなどがある中部は、辛い味付けのものが多く、阮(グエン)朝が置かれていたこともあり、宮廷料理の影響を受けた料理が多くなっています。ホーチミンなどがある南部は、砂糖、ハーブを用いた甘い味付けが多くなっています。

代表的なメニュー

●フォー

ベトナムの麺料理と言えばフォーが有名で、ベトナム全土で食べられていますが、発祥はハノイがある北部です。地方により味付けが違い、ハノイのフォーはさっぱりとした味付けが特徴です。屋台や専門店、レストランなどいろいろな場所で食べられます。

●バインミー

近年日本でも人気が出てきたベトナムのサンドイッチです。19世紀からのフランス植民地時代にパン食が一般的となったことから作られるようになりました。ベトナムのパンには米粉も入っていて、軽い食感が特徴です。
パンにレバー、鴨、魚のペーストなどと、ナマス、ラディッシュ、香草などの野菜、そそて鳥、豚耳、ベーコン、サラミなどの肉系をはさみます。具材や味つけは店毎に工夫を凝らしています。

●ブンオック

「オック」は貝、「ブン」は米で作ったビーフン麺のこと。ベトナムではフォーよりも日常的に食べられている麺料理です。そのスープ付きのブンにムキガイをトッピングしたのが「ブンオック」です。ハノイならではのブンで、他のエリアではあまり見かけません。

●ブンチャー

同じくブン(麺)を使った料理。こちらはつけ麺です。甘酢スープに、ハーブをちぎって入れ、麺をつけながら食べます。スープには、グリルされた豚肉や、豚のつくねがどっさり入っています。

「ハノイ」のおすすめのお土産

ベトナムにはシルク製品や刺繍、バックや様々な雑貨など、お土産選びに困ってしまうくらいの様々な雑貨があります。伝統を踏まえながらも、現代的にアレンジしたモダンなデザインもたくさんみかけるようになりました。

刺繍小物

ベトナムの女性の民族衣装、アオザイは有名ですが、アオザイで手縫いの刺繍が使われているように、シルクへの手刺繍はベトナムの伝統的な工芸品です。
シルクのバッグやモダンなデザインの巾着など、様々な刺繍小物があります。安価な巾着などは「ばらまき用」お土産にも最適です。

バッチャン焼き(陶器)

ベトナム独特の陶器がバッチャン焼きです。ハノイから車で30分ほどのバッチャン村で焼かれたものだけにこの名前がつけられ、山地のバッチャン村はそのほとんどが陶工という焼き物の村。伝統的なバッチャン焼きは、中華らしさもありつつ、素朴で落ち着いた雰囲気です。同時に、新しい世代の、新しいデザインのバッチャン焼きも増えてきています。

フェーヴァのチョコレート

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トリニタイリオ種カカオ豆だけを使った、シングルオリジンの本格派チョコレートで、最近注目度アップのお土産品です。スタンダードなチョコに加え、黒コショウ、粗挽きのゴマ、ショウガなど意外なものも含めて18種のフレーバーが楽しめます。

「ハノイ」観光の注意点

治安について

治安は総じて安定していますが、近年の観光客の増大によりスリやひったくりが増えてきています。特に、背後からバイクによるバッグのひったくりでは、転んでけがをするケースもあるので、十分注意してください。

交通事故について

ベトナム旅行最大の注意点は、交通事故だという人もいるくらい、交通事情はよくありません。日本と比べると、歩行者の保護などの交通マナーは悪く、道路の横断などは危険が伴いますので十分注意が必要です。

「ハノイ」のホテル事情

JWマリオットホテルハノイ

Agoda

ハノイのホテルの相場(1泊)は、5星で15,000円~、4星で10,000円~、3星で5,000円~となっています。飲食などの物価の安さから考えると、比較的高めの印象です。ユースホステルやB&Bならば、2,500円程度で宿泊できます。

5星では、インターナショナルホテルグループ系の「シェラトン ハノイ ホテル」「JWマリオットホテルハノイ」「ホテルニッコーハノイ」などがあります。

ハノイホテル

Agoda

4星では、ハノイのVIPが集うという老舗の「ハノイホテル」、フレンチモダンな雰囲気の「メルキュール ハノイ ラ ガール」などがあります。

「ハノイ」観光のまとめ

10世紀から近代にいたるまで、その時代時代の軌跡を残している歴史と伝統の街、ハノイ。
中国の影響を受け、フランスの文化を取り入れ、2度の戦争を経て独立した国、ベトナム。その歴史を積み重ねてきた現在のハノイには、ベトナムならではの文化や街並みを見られます。

そんなベトナムの歴史を、ぜひハノイで感じてください。

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