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「ルーヴル美術館展」について
日本テレビは2012年にルーヴル美術館とパートナーシップを結び、2018~2034年の期間、4年に1度・計5回の「ルーヴル美術館展」を開催することを決定しました。今回の「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」はそれに先立つ展覧会として実施されるものです。
今回のテーマである“風俗画”は、日常生活を題材とした作品群で、歴史的にみて、宗教画や物語作品よりも低い地位にあるものとみなされる傾向が長らくつづいてきました。風俗画には、制作された社会状況や世相を色濃く反映しているため、その表現は時代・地域によってさまざまに異なるのだそう。
この展覧会では、16世紀初頭~19世紀半ばまで、約3世紀半にわたるヨーロッパ風俗画の多彩な展開を、約80点の名画によって紹介するというコンセプトになっています。こうした風俗画の歴史を包括的に跡付けることを試みた展覧会は、世界でもほとんど例がなく、ルーヴル美術館だからこその作品が集まる貴重な機会なのです。
ルーブル美術館
フランス / パリ / ルーブル / オペラ座周辺
- Musée du Louvre, 75058 Paris - France
- +33 1 40 20 50 50
- 9:00 - 21:45
国立新美術館へ
六本木にある国立新美術館は、千代田線・乃木坂駅が最寄駅。駅からは直結の地下通路があります。駅構内にある案内掲示板にしたがって、6番出口を目指しましょう。
改札を出てすぐに美術館の掲示が登場。そのまま進み、エスカレーターを昇ります。
美術館の裏入口へと続く通路に出ました。券売機があるので、前売り券を持っていない場合は、ここで当日券を購入しましょう。
「ルーヴル美術館展」は大人1,600円。同時開催の展覧会(このときは「マグリット展」)のチケットをセットで購入する場合は割引の特典が受けられるようです。
ちなみに正面入り口側へまわるとこんなかんじ。六本木駅・東京ミッドタウン側から向かった場合はこちらから入ることになります。印象的な形状の建物で、国内を代表する現代建築としても注目されています。裏側から入った場合にも、正面はぜひチェックしたいところ。
館内に入るとパンフレットが並べられていました。展覧会の趣旨や展示作品の紹介が書かれています。記念の意味も込めて、ぜひもらっておきましょう。
ルーヴル美術館展の展示場の入り口。撮影できるのはここまで(ルーヴル美術館からのレンタルということで著作権上NGとのこと)。そのため展示場内の写真はないのですが、美術にはさほど詳しくない筆者のごく個人的な見どころと、印象的だった作品を何点か紹介したいと思います。
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展覧会の見どころ
17世紀オランダを代表する画家フェルメールの晩年の傑作『天文学者』。今回待望の初来日ということで、本展覧会の目玉のひとつとなっている作品です。フェルメールといえば、リアリズムを追及する写実絵画の世界ではけっして無視することの出来ない超重要人物で、その道を志す人なら彼の作品を模写することが珍しくない、という話を聞いたことがあります。
面白いのは、写真のように「リアル」な彼の作品が、じつはぼくたちが想像するほどには精密に描かれていないというところ。適度に省略して絵具を重ねているんですよね。とくにこの絵は、全体的にぼんやりとソフトフォーカスをかけたように描かれているそうで、そこには何らかの意図があったことが解説に書かれていました。
ちなみに、ここに描かれた学者が身に着けているのは、着物を模した「日本の上着」と呼ばれるガウンで、当時の知識人・上流階級の間で流行していたファッションなんだそうです。
パンフレット等の主要作品の紹介にも挙げられていないのですが、鮮烈な印象を受けた作品のひとつ。イエスを中心とする光の陰影のバランス、筋肉や布の質感が生々しく描写されていました。人々がそれぞれに歓喜の感情をあらわにしながらも、必ずしもイエスその人に注目していない、ということが何となく不思議で面白く鑑賞しました。
こちらも今回あまりプッシュはされていない作品のひとつ。構図の精密さ、線のシャープなかんじ、そしてなにより光の表現の美しさに惹かれます。この写真でも作品のすごさの一端は伝わると思うのですが、実物の写真はもっと明るい印象を受けました。絵に吸い寄せられるというか、魅入ってしまうかんじ。壁に掛けられた鍋の金属の光沢表現など、技術的なインパクト(「どうやって書くの!?」)も大きいですね。
また人物もよく描けているのですが、なんだか海外の3Dアニメのキャラクターのような顔立ちに見えるのが面白い。他の作品には、「ジブリのキャラクターの原形?」と思わせるような人物がいて、アニメーション作品のクリエイターたちが美術作品から少なくないインスピレーションを受けているんだなあ、と想像させられました。
労働者や物乞いの姿を描いた作品も多数並び、当時の貧困状態の過酷さを伺い知ることのできた展覧会だったのですが、こちらの『蚤をとる女性』もまたすこし違った感慨をもった作品でした。裕福ではないにせよ、極端に貧しそうにも見えないこの女性の部屋でも、“蚤をとる”という行為が日常的なものだったと。いまぼくたちが生きている社会とは衛生状況がまったくちがうことが分かる一枚です。
鑑賞を終えて
鑑賞にかかった時間はおよそ100分ほど。開催スタートから時間が経っていることもあって、待ち時間こそありませんでしたが、それでも場内では行列のなかに混ざって、すこしずつ進んで観ていくかんじでした(作品からやや離れて観るぶんには、行列と歩みを合わせず、さっと観て次へ進む方もちらほらいるようでした)。
全体的に場内に設置された解説が素晴らしく、時代背景や描かれる主題などがひとまず提示されているので、美術の素養の薄い自分にも楽しく鑑賞することができました。さて、鑑賞を終えると・・・。
観覧を終えると、そのままミュージアムショップにたどり着きました。
いま観てきたばかりの作品の複製画が販売されています。絵画を飾ることに今まで興味のなかった自分も、ちょっと盛り上がる! お安いもので3万くらいから。別のコーナーには絵葉書とそれ用の額縁も売っており、そちらはもっと気軽なお値段でトライできそう。芸術初心者用のスターターキットですね(笑)。
『天文学者』にも登場する地球儀。かっこいい。小さい方で59,400円也。
展示された全作品が掲載されたカタログ。日本語のみの通常版とバイリンガル版があります。薄いタウンページくらいのボリュームで、見ごたえ十分ですね。
こちらが出口。入り口のすぐ横にあるのに、中は驚くほど広く感じました。観終わる頃にはそれなりの疲労感…。中盤をこえたあたりにトイレと休憩所がありました。
さて、正面エントランスへ向かいます。目の前には「空中レストラン」が見えますね。
1階ではカフェやほかの展示もやっていました。
出入り口のとんがりがカッコイイ。
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独特の波打つようなフォルムを持つ建物です。日本を代表する建築家の黒川紀章氏が設計。「森の中の美術館」をコンセプトとしているそうで、周囲は緑に囲まれていました。
東京ミッドタウンへ
国立新美術館を出て、東京ミッドタウンへ向かいます。徒歩5分くらいの距離。「ルーヴル美術館展」の半券サービスが受けられる、というのもありますが、ガレリアB1 の「DEAN & DELUCA」前にある“アレ”がお目当て・・・。
ギリシャのサモトラケ島で発見された、勝利の女神ニケを題材とした彫刻、とのこと。ぼくもそのあたりを知っていたわけではなく、「教科書でみたことある、みたい!」くらいのノリで来てみました。けっこうデカイ。日本テレビとルーヴル美術館のパートナーシップの象徴、という意味もあるよう。
ニケを見上げる。絵的にちょっとカッコイイ。
後ろからだとこんなかんじ。記念撮影するよね、うんうん。
国立新美術館での「ルーヴル美術館展」は6月1日(月)まで。その後、場所を京都にかえて、2015年6月16日(火)~9月27日(日)の期間で京都市美術館で開催とのことです。東京での開催期間はあとわずかなので、見逃したくない方は早めの来場がおすすめです!