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神社やお寺さんには庭が付きもの。とりわけ大きな社寺は、有名な庭園が、必ずといっていいほどあります。その庭には、眺めてうっとりの「観賞タイプ」、ぶらぶら歩いて楽しむ「回遊タイプ」と、大きく2つに分かれるでしょうか。どちらのタイプもそれぞれの良さがあります。写真に撮ったり、スケッチしたり・・・。日ごろの騒々しさを忘れ、赤と青の美しい花たちを心ゆくまで愛でてください。
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■大田神社
京都の寺社散策スポットの最初におすすめしたいのは「大田神社」。青い花といえば、古くから和歌や俳句に詠まれ、染物の原料にも使われてきた「アヤメ」「カキツバタ」「ハナショウブ」。まずは源氏物語を書いた紫式部も参考にした「伊勢物語」にも「杜若」として登場するカキツバタを取り上げます。鮮やかな紫色の花を咲かしてくれるカキツバタ。京都では5月初めから咲き始め、1ヶ月ほど目を楽しませてくれます。
カキツバタとアヤメ、ハナショウブの違いをご存知ですか? アヤメとショウブの漢字は「菖蒲」。ますます混乱。咲く場所が、湿地だったり乾燥した土だったり、お花の色が濃かったり、薄かったり、お花に模様が入っていたり、いなかったり。葉っぱの形もぜんぜん違うんですって・・・奥が深くて驚きです。
京都でカキツバタといえば、大田神社。カキツバタの名所として平安時代から伝わっているくらい有名な神社です。静かな洛北にあり、長寿・芸能・縁結びの神様として知られています。毎年、梅雨入り前になると参道入り口、その名も「大田ノ沢」と名づけられた三百坪に、藍色の可憐な花が、一面に広がる光景は、それは見事なものですよ。野生群生地として国の天然記念物に指定されているほどですから。
大田神社
- 京都市北区上賀茂本山340
- 075-781-0907
- 入場料無料。終日自由に見学・散策可能です。
■梅宮神社
2番目におすすめする京都の寺社散策スポットは「梅宮神社」。薄い緑の葉っぱの中から、自己主張の強い濃い青の花を咲かすカキツバタ。「カキツバタ」の名前も、着物を染め、絵や柄を描いたので「書き付け花」と呼ばれていたことに由来するとか。この美しい花の名所を、もう1カ所、京都の西へ梅宮神社をたずねてみましょう。
梅宮大社は安産、子授けとして信仰を集めていて、またぐと子宝に恵まれるといわれている子宝の「石」もあります。もともとは京都の南が、梅宮神社のはじまり。平安京に都が移されたころ、世を治めていた嵯峨天皇の奥さん、橘嘉智子という人が、ここ右京に移したと伝わっています。この女性、のちに檀林皇后となるのですが、なかなか子どもができず、梅宮の神体に祈願したことで男の子を授かったそうですよ。
梅宮大社のある梅津は、古くは湿地で、たくさんのカキツバタが自生していました。そのカキツバタを境内の池の中に植え、「梅宮の杜若(カキツバタ)」として、長く讃えられてきました。そのなかには、真っ赤なカキツバタも。梅宮紅という名前が付けられています。
梅宮大社は、本当に四季折々季節の花で知られている「花の神社」。夏の花ではハナショウブ、そして睡蓮(スイレン)もステキです。5月の終わりごろには、見どころがカキツバタからハナショウブにバトンタッチ。ハナショウブに続いて7月には睡蓮、そのあと、大きな蓮が開きますよ。
■八坂神社
続いておすすめの京都の寺社散策スポットは「八坂神社」。次はツツジ・サツキの名所をたずねてみます。京都では、蹴上(けあげ)のツツジが有名ですが、ここではやはり有名な社寺のサツキをご覧いただきます。ツツジよりも一回り小さなサツキ。ピンクの小さな花が、まるで宝石を散りばめたように咲いている光景は古くから和歌にも詠まれ、手ごろな盆栽としても親しまれています。そうです、5月の別名「皐月」も、この花が由来。「五月晴れ(さつきばれ)」のもとで、美しく咲く花ですね。
遠くからも目立つ、八坂神社の朱の鳥居。鴨川を歩いていても目に飛び込んでくるサツキのピンク。5月下旬には鳥居の生垣がピンクに染まります。サツキで有名な社寺は多くあるものの、朱とピンクのコントラストといい、アクセスの良さや、お年を召した方、ハンディのある方でも気兼ねなく訪ね、散策できるスポットとして真っ先に挙げられるのが、八坂神社です。
八坂神社は、京都の守護神。たくさんの言い伝えがありますが、ちょっとだけ頭の片隅にでも置いておきましょう。「泣くよウグイス平安京」。話は794年の平安遷都よりも、もっと前までさかのぼります。現在の朝鮮半島、高麗より日本に派遣された使節、伊利之(いりし)が、神様も連れてきた。その神様は、高麗の神聖な山、牛頭山をつくったという伝説を持つ素戔嗚尊(すさのおのみこと)。その神様を現在の地におさめたんですね。当時の地名が山城国愛宕郡八坂郷。ここから八坂神社と親しまれています。
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