四日市はとんてき発祥の町？ポークソテーとの違いは？その歴史とおすすめのお店を紹介します

更新日: 2023年11月21日

三重県の北部に位置する四日市（よっかいち）市は、中京工業地帯の中心都市の1つとして知られていますが、ほかにも四日市の名を世に広めているのがご当地料理のトンテキです。四日市のトンテキは「四日市とんてき」と呼ばれ、スタミナ抜群のB級グルメとして全国的にも人気を集めています。トンテキと聞くと、単に豚肉を使ったステーキを想像する人も多いと思いますが、四日市とんてきにはきちんとした定義があり、ステーキとは一線を画すこだわり料理なのです。この記事では、そんな「四日市とんてき」について、そのルーツや定義、おすすめのお店などをまとめました。是非チェックしてみてください。

とんてきとは？

「とんてき」という料理をご存知でしょうか？とんてきとは厚切りの豚肉をニンニクと共にソテーし、ウスターソース等をベースとした濃厚ソースでからめた豚肉料理のこと。三重県四日市市が発祥といわれ、現在も四日市のご当地グルメとして全国的にも人気を集めています。とんてきという料理名は、牛肉のステーキがビフテキと呼ばれていたことから、豚（トン）のステーキ＝「トンテキ」と名付けられたそうですが、本場の四日市では多くのお店で「とんてき」と平仮名で表記されています。四日市では1枚の大きな豚肉に切り込みを入れて焼いたグローブのような形のとんてきを出すお店もあり、「グローブ焼き」や単に「グローブ」と呼ばれることもあります。

四日市の西新地にある人気店「来来憲」が発祥

とんてきのルーツは三重県四日市の西新地にあった飲食店「来来憲」。戦後、来来憲の店主であった下田憲雄氏が厚切り豚肉をニンニクとタレでソテーしたステーキを開発し、お店のメニューとして提供したのが始まりです。その後、四日市にとんてきを提供するお店が増え、2008年には「四日市とんてき協会」が発足。とんてきは今や四日市の名物料理として注目を集めるようになりました。

ポークソテーとの違いとは？

この記事の冒頭で「とんてき」とは分厚い豚肉をソテーした料理だと紹介しましたが、豚肉をソテーした料理といえばポークソテーも有名です。では、とんてきとポークソテーはどこが違うのでしょうか。端的に言うとその違いは味付けと言えるでしょう。一般的なポークソテーとは、豚肉に塩コショウなどで下味をつけた後フライパンでソテーし、デミグラスソースやケチャップ、マスタードソースなどの洋風のソースをかけたものです。一方とんてきは、ウスターソースや醤油、ニンニクなどを使った和風のソースを絡めながら豚肉を焼いたものです。また、四日市のとんてきにはきちんとした定義があり、その条件を満たしたものが「四日市とんてき」と名乗ることができます。

「四日市とんてき」の定義をリサーチ

四日市とんてき協会によると、四日市とんてきの定義とは、1．ソテーした厚切りの豚肉である、2．黒っぽい色の味の濃いソースが絡められている、3．にんにくが添えられている、4．付け合わせは千切りキャベツが主である、の4つの条件を満たしていることです。味つけや形状については細かい決まりがなく、お店ごとに異なるオリジナルのとんてきが提供されています。

おいしい「とんてき」がおすすめのお店1:まつもとの来来憲

四日市とんてきの名店として必ず名前があがるのが「まつもとの来来憲」。とんてきの発祥「来来憲」で修行を積んだ店主がオープンしたお店で、四日市のとんてきを世に広めた有名店です。看板メニュー「大とんてき」は、250gの大きな豚肩ロース肉を柔らかく焼き上げてあり、お肉に絡むニンニクの風味や秘伝のソースが絶品。この大とんてきを目的に遠方から来店するファンもいるほどです。

おいしい「とんてき」がおすすめのお店2:隆座(たかくら)

ボリュームたっぷりのとんてきと山のような千切りキャベツが名物のお店です。隆座のとんてきの特徴は霜降りの豚肉を使用していることで、お肉が柔らかくジューシーでペロリと食べられます。また、うず高く盛り付けられたキャベツの量は見た目にも圧巻。シングル、セミダブル、ダブルからとんてきのサイズが選べるので、大食いの人も満足できること間違いなしです。

おいしい「とんてき」がおすすめのお店3:一楽

四日市1番街商店街の中にある中華料理店で、近鉄四日市駅から徒歩約3分の場所にあります。おすすめメニューのとんてきはタレが醤油ベースで甘めの味わい。ゴロゴロと入ったニンニクも風味が良く、ご飯のおかずにぴったりです。四日市とんてきとしては価格設定がリーズナブルなのも魅力。とんてき以外に、餃子やチャーハンといった定番の中華メニューも提供しています。

おいしい「とんてき」がおすすめのお店4:トンテキ屋　ちゃん　四日市店

近鉄四日市駅から徒歩2分の場所にあるトンテキ／ラーメン店です。トンテキはウスターソースをベースとして10種以上の調味料や香辛料をブレンドしたスパイシーなソースが特徴で、ご飯やビールが進みます。お店の人気メニューは、トンテキとラーメンが一度に味わえるセット。単品のトンテキメニューはお肉の量が選べるほか、食べやすいコマ切れのトンテキも好評です。

おいしい「とんてき」がおすすめのお店5:華実苑

近鉄名古屋線・霞ヶ浦駅から徒歩約5分の住宅街にある中華料理店です。メニューにはラーメンやレバニラ、天津飯といった昔ながらの中華の定番料理が並びますが、トンテキもお店の名物の1つ。華実苑のトンテキの特徴は、焼く前に一度揚げてあることと隠し味にカレーを使っていること。お肉は柔らかく、噛むと口の中に広がるほのかなカレー風味が癖になります。

おいしい「とんてき」がおすすめのお店6:あたりや

四日市ではあらゆるジャンルの飲食店でとんてきが提供されていますが、こちらは鉄板焼・お好み焼のお店です。あたりやのとんてきは大粒のニンニクがごろごろ入っていて見るからにスタミナがつきそう。豚肉は一口サイズにカットされ、照りの良いタレはあっさりしていて食べやすいのが特徴です。近鉄湯の山線・伊勢川島駅から徒歩約3分、国道477号線沿いに店舗があります。

おいしい「とんてき」がおすすめのお店7:きりん亭

一風変わった見た目の「マンゴーカットとんてき」が看板メニューの人気店。とんてきには地元三重産の「さくらポーク」を使用し、濃厚な豚肉のうまみが楽しめます。さらに、マンゴーのように格子状に切り込みを入れることで火が通りやすくなり、食感が柔らか。タレはお好みでソース味、みそ味の2種類から選べます。女性や子供には薄切りのとんてき「コマ焼き」もおすすめです。

おいしい「とんてき」がおすすめのお店8:アサヒビアケラー四日市

近鉄四日市駅北口のふれあいモール内にあるアサヒビールのビアホールです。おすすめメニューは鹿児島産茶美豚の肩ロースを使った「スタミナ！とんテキ」。グローブ形に切られたお肉は食べ応えたっぷりで、濃厚な味わいのソースが絡んでビールとも相性抜群です。その他、多数の居酒屋メニューが楽しめるほか、とんてきが入ったコースもあり女子会や飲み会などでも重宝します。

おいしい「とんてき」がおすすめのお店9:とんとん食堂 EXPASA御在所下り

東名阪自動車道のサービスエリア「EXPASA御在所（下り）」のフードコート内にある豚肉料理の定食屋で、気軽に四日市名物の「とんてき」が味わえるのが魅力です。とんてきには三重県産の厳選豚肉を使用し、味付けはソース味か醤油味が選択可能。豚肉は歯ごたえがよく、しっかりと肉感を感じられます。リーズナブルにとんてきを味わいたいなら「とんてき丼」もおすすめです。

おいしい「とんてき」がおすすめのお店10:来来憲 本店

四日市の名物グルメとして知られる「とんてき」の発祥がここ。伝統の味を受け継いだ元祖とんてきが味わえる人気店です。看板メニューのとんてきは、三重県産ブランド豚のさくらポークと国産厳選豚肉の2種があり、「大とんてき（250g）」か「角切りとんてき（200g）」が選べます。秘伝のソースは程よい酸味で意外に上品な味わい。キャベツがお代わり自由なのが嬉しいですね。

まとめ

いかがでしたか？テレビや雑誌等のメディアでもたびたび取り上げられ、今やB級グルメとして大注目を集めている「とんてき」。発祥地の三重県四日市市では中華料理店をはじめ、居酒屋やお好み焼き店、ラーメン店など、ジャンルを問わず多くの飲食店で提供されていて、まさに四日市のソウルフードと言えます。また、ひとくちに「四日市とんてき」と言っても、お店ごとに見た目の特徴や味付けが少しずつ異なっているので、食べ比べるのも楽しいですよね。四日市とんてき協会からは多数のお店を掲載した「とんてきマップ」なるものも発行されています。旅行や出張で四日市に出かける際には、この記事やマップを参考に、ぜひお気に入りのとんてきを探してみてくださいね。

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