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【伝統芸能】白拍子入門!独特の世界をのぞいてみよう

更新日: 2023年11月21日

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平安時代から鎌倉時代にかけて流行した白拍子(しらびょうし)は、男装した遊女が今様(いまよう)や朗詠(ろうえい)を歌いながら舞を披露する歌舞(うたまい)の一種。貴族や寺院社会に至るまで幅広く愛好され、歴史に名を刻む名白拍子も多く輩出されました。
今回はそんな白拍子について基本的な情報から歴史、注目の舞手やおすすめの参考書籍についてなど幅広い情報をまとめました。白拍子について初心者の方も、もっと白拍子のことを詳しく知りたいという方にも役立つ情報をお届けします。

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白拍子とは?意外に知らない基本情報を見てみよう!

白拍子は平安時代に成立し、鎌倉時代にかけて流行した歌舞の一種。舞手自身も「白拍子」と称され、男装した遊女が今様や朗詠を歌いながら舞を披露しました。
白拍子という名の起源としては二説あり、一つ目はもともと伴奏のない素声(しらごえ)で歌舞を演じたことに起因するという説。二つ目は、水干(すいかん)と長袴(ながばかま)の装束が白色だったことに起因するという説があります。
白拍子の芸はその名の通り、拍・リズムに特徴があり、前段と後段の二段構成になっています。前段は長い歌を歌いながら静かに大きく旋回するようなリズムが取られ、後段は「セメ」といわれる激しいリズムに合わせて個性あふれる和歌を詠みます。拍子と和歌の内容にはセンスが問われ、白拍子の腕の見せ所といえるでしょう。

白拍子を広めた人って?気になる「仏御前」について

白拍子を舞う遊女は貴族の屋敷における出入りも多かったことから、見識が高く、歴史に名を刻む人物も多く輩出されました。
仏御前(ほとけごぜん)もそのひとりで、平清盛に寵愛され愛妾となりました。14歳で京都へ上京し白拍子となった仏御前は、京都で名をあげ平清盛の屋敷に詰め寄ります。当時、平清盛の寵愛を受けていた祇王(ぎおう)によって誘いを受け、清盛の前で今様を詠んだ仏御前。「君を初めて見る折は 千代も経ぬべし姫小松 御前の池なる亀岡に 鶴こそ群れ居て遊ぶめれ」と、即興で詠みながら舞を見せたことで、一気に寵愛を集めたことが「平家物語」に記されています。

いつからあったの?白拍子の歴史をたどってみた!

白拍子は平安時代末期頃に成立したとされています。遊女のみならず男性や僧侶、稚児によって行われることもありましたが、やがて芸に秀でた傀儡女(くぐつめ)などの遊女の職業として独立したと考えられています。
巫女舞を源流とする説もあり、巫女の神事における異性への変身作用(神の憑依の象徴として、異性への変身作用が当時は信じられていた)として男装が行われるようになったとの説もあります。巫女が布教を行う行脚中に舞を披露していくなかで、芸自体を主体とする遊女へと転化する者が現れました。やがて舞に秀でた者は、白拍子と呼ばれるようになります。
伴奏に鼓や笛などが用いられることもあり、のちに猿楽へと移り変わっていき、曲舞(くせまい)や延年(えんねん)にも取り入れられるようになりました。

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いま有名な「遥」さんてどんな人?

室町時代の初期のころまで残存していたとされる白拍子は、次第に衰退していきました。現在、2015年発足の「白拍子研究所」という活動団体が、白拍子やその周辺の文化を研究。白拍子の再現活動としてイベントやお茶会、講座などによる実演を行っています。
活動メンバーで白拍子の舞を担当しているのが遥さんですが、遥さん以外にも装束担当、和歌担当、漢詩担当など、それぞれの専門メンバーが在籍。古典はもちろんのこと、現代における白拍子の試みも加味しながら、白拍子の継承に努めています。

これであなたも白拍子マスター!注目の静御前をご紹介

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静御前は歴史に名を残した白拍子のひとりです。
源頼朝に鶴岡八幡宮社前で白拍子の舞を命じられた際に唄ったのが、「しづやしづ しづのをたまき くり返し 昔を今に なすよしもがな(しずの布を織る麻糸を巻いたおだまきから糸が出されるように昔を今にする術があったらいいのに)」、「吉野山 峰の白雪 ゆみわけて 入りにし人の 跡ぞ恋しき(吉野山の白雪をふみわけながら姿が見えなくなったあの人のあとが恋しい)」の句。頼朝の目前で、その対立関係にあった義経を慕う歌を唄い、頼朝が激怒したことが「吾妻鏡(あづまかがみ)」に記されています。

白拍子をもっと知りたい! 参考書籍は?

沖本幸子著『乱舞の中世 白拍子・乱拍子・猿楽』は、庶民だけではなく貴族から寺院社会に至るまで大流行をみせた芸能として、白拍子を取り上げています。白拍子がどのような芸能だったのか、改めて丁寧に追いながら、どのような流れで能へと包含されていったのか、能にどのように包含されたのかについて考察しています。
「白拍子という芸能」「貴族の白拍子」「白拍子舞の担い手と芸態」という目次で、白拍子の世界を深掘り。「白拍子舞と能」という章で、能との関連について詳細に触れられています。

乱舞の中世 白拍子・乱拍子・猿楽

沖本幸子

白拍子はどこで鑑賞できる!?

京都市上京区馬喰町にある北野天満宮では、毎年「北野天満宮曲水の宴」が開催されています。「曲水の芸」は2016年に再興されたもので、「和漢朗詠集」にある御祭神菅原道真公の詩文を白拍子の舞と朗詠で披露しています。
北野天満宮は太閤秀吉公の大茶湯(おおちゃのゆ)や、出雲阿国が舞台を常設して踊った場所でもあり、数多くの日本の芸能と縁の深い神社。白拍子研究所が再興にあたって助力し、白拍子の出演も担当しています。

北野天満宮 曲水の宴

京都市上京区馬喰町 北野天満宮 紅梅殿船出の庭
075-461-0005
春と秋に開催(事前に要確認)
http://kitanotenmangu.or.jp/info/%E6%9C%AA%E5%88%86%E9%A1%9E/%E8%8F%85%E5%85%AC%E9%A1%95%E5%BD%B0%E5%92%8C%E6%BC%A2%E6%9C%97%E8%A9%A0%E3%80%80%E6%98%A5%E3%81%AE%E6%9B%B2%E6%B0%B4%E3%81%AE%E5%AE%B4.html

まとめ

平安時代末期頃から鎌倉時代にかけて流行した白拍子。男装した遊女が今様や朗詠を歌いながら舞を披露する芸能として、貴族や寺院社会に至るまで愛好されました。仏御前や静御前など、歴史に名を残す白拍子も多く誕生。能楽に至る源流としても重要な役割を担いました。
今回はそんな白拍子について基本的な情報から歴史、注目の舞手や参考書籍についてなど幅広い情報を紹介してきました。興味のある方は、鑑賞できるイベントに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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