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【イタリア】フォロ・ロマーノで「永遠の都」古代ローマを感じる旅

「永遠の都」と呼ばれるローマには数々の世界遺産があります。ローマ旧市街の中心に位置するヴェネチア広場には、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂という白亜の大きな建築物がありますが、その裏手に広がるのが古代ローマ帝国の遺跡「フォロ・ロマーノ」です。ラテン語の古名では「フォルム・ロマーヌム」と呼び、現在も使われる「フォーラム」という言葉の語源が指すように広場を意味します。古代ローマの歴史を知る上で外せないのがフォロ・ロマーノ。どのような軌跡を辿ってきたのか早速みていきましょう。

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更新日: 2025年2月15日

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フォロ・ロマーノから探る古代ローマ帝国の光と陰

ローマ創建時、パラティーノの丘の北側に広がる低地は沼地のような湿地帯でした。そのような場所ゆえに住むには向かず、もっぱら死者を葬る場所として使われていました。時代の流れとともにこの地は干拓され、やがて市場として利用されるようになります。さらに時代が進むと、神殿や会堂などの公共建築が進み、元老院という政治の会議が執り行われ、会堂の一角では商店や私塾などもでき活性化していきました。

具体的にいつ頃からフォロ・ロマーノがローマの中心であったのかは解明されていませんが、紀元前6世紀頃には整備が始まったと言われ、栄華を極めたローマ帝政時代には非常に重要な場所であったことは数々の遺跡が物語っています。
ローマの発展とともに繁栄していくフォロ・ロマーノですが、人口増加により手狭になると皇帝たちは私財を投じて独自のフォロを造るようになります。それが頻発するとフォロ・ロマーノの民主政治の中心という本来の役割を失い、ローマ帝国の偉大さと栄華を示すシンボルへと変わっていきました。その後中世には放牧の原っぱとなり、度重なる侵入で破壊されていき歴史の表舞台から姿を消すこととなります。
19世紀になり考古学的な発掘調査が行われたことによって、かつてのローマ帝国の権威ある中心地であったことが分かったのです。

フォロ・ロマーノの入場料や予約方法について

フォロ・ロマーノへのベーシックな入場方法は以下2つとなります。

1現地で共通チケットを購入

フォロ・ロマーノ、コロッセオ、パラティーノの丘の3箇所に入場可能な共通チケットを現地の切符売り場で購入する方法です。金額は€12(18歳以下は無料)で発行日と翌日の2日間利用できます。

2ローマ・パスを購入

ローマ市内の1−2箇所の施設への入場料(併設の特別展含む)と市内のバス・地下鉄などの公共交通が無料になるパスです。パスの呈示で博物館や美術館などの店内ショップなどで割引になる優待もあるとのことです。ローマ・パスには2種類あります。オンラインでも購入可。

-1. ROMA PASS 48hours
施設1箇所入場無料+利用開始より48時間公共交通が無料。€28
-2. ROMA PASS 72hours
施設2箇所入場無料+利用開始より72時間公共交通が無料。€38.5
詳細は以下の公式サイトをご確認ください。

フォロ・ロマーノへ行くならオプショナルツアーがオススメ

ローマ歴史地区を効率よく周るなら、オプショナルツアーを利用するのも旅の選択肢の一つに検討してみてはいかがでしょうか。日本語ガイドツアーやオーディオ活用などもあり定番のスポットはもちろんのこと、現地ツアーならではの奥深い発見ができるかもしれません。

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フォロ・ロマーノの見どころ

フォロ・ロマーノには12箇所の見どころがありますが、その中から特におすすめしたい3箇所をご紹介します。

セヴェルスの凱旋門とクーリア

フォロ・ロマーノの入口を中へ入り右側へ少し行くと、「セヴェルスの凱旋門」と「クーリア」があります。203年にセヴェルス帝を記念して建てられた凱旋門にある3つの特徴的なアーチは、在任中に2回行われたパルティアとの戦いが描かれたパネルなど見応えあるものがご覧になれるでしょう。先にお伝えした中にある、ローマ帝政時代の政治の中枢を担っていた元老院ですが、もともと王政時代にご意見番としての機能を持っていた組織が、やがて共和制時代になると政治の中心へと変化していきます。この元老院が議論・決定を下していた場所がクーリアです。貴族出身者が大方を占めていた元老院で交わされた、ローマの将来に関わる政策の議論などに想像を巡らすのも面白いかもしれません。

エミリアのバジリカ

次にご紹介するのは、初めに通った出入り口付近にある「エミリアのバジリカ」です。バジリカとは〝会堂〟を意味し、天候などに左右されることなく集会や寄合ができた屋内型の公共施設です。建築様式は東方からローマへ伝わったものと言われており、紀元前179年にエミリア一族によって建てられましたが、火災に遭いその後のアウグストゥス帝時代に再建されました。こちらはかつてフォロ・ロマーノにあった4つのバジリカ建築の中で唯一現存するもので、床に残る410年アラリック(西ゴート族)の侵入の際に溶けた銀貨の跡があるとか。ぜひ探して見てくださいね。

ティトゥスの凱旋門

3箇所目は「ティトゥスの凱旋門」です。聖なる道の終点に建つのにふさわしく、鷲に乗るティトゥス帝の浮彫が、皇帝の死後神格化されたことを意味するとされる貴重な史料です。70年に行われたエルサレムの攻囲戦の指揮官だった、ローマ10代皇帝ティトゥスの戦功を称えて建築されたもので、かの有名なフランス・パリのエトワール凱旋門の手本になったとも言われています。16世紀以降の世界各地の凱旋門建築に多大なる影響を与えた造りであるとされています。遠くからもその存在感はさることながら、間近でじっくり見ることをおすすめします。

番外編:パラティーの丘から見るフォロ・ロマーノ

フォロ・ロマーノを中からではなく外から眺めるとすれば……ぜひパラティーの丘へ行きましょう。丘の上からフォロ・ロマーノを真下に見下ろすととあることに気づきます。チェリオの丘、エスクィリーノやヴィミナーレ、そしてクイリナーレの丘へと続きカンピドーリオの丘という様々な丘に囲まれているフォロ・ロマーノを見ることができます。フォロ・ロマーノが政治・経済、そして文化や教育の中心となっていたのは、このように軍事的にも緻密に守られていたからであるということが言えるのではないでしょうか。

フォロ・ロマーノ見学の所要時間

フォロ・ロマーノだけであれば、1時間から1時間半もあればじっくり見ることができるでしょう。共通チケットで入られる場合は、コロッセオとパラティーノの丘も含めて、およそ3時間ほどは確保したいところです。

フォロ・ロマーノへのアクセスについて

ローマの中心テルミニ駅からメトロAに乗りフラミニオ駅まで向かいます。ローマ旧市街の正門「ポポロ門」からスタートしましょう。ゲーテや少年遣欧使節団もここからローマへ入ったといわれています。

フォロ ロマーノ

イタリア / ローマ / コロッセオ / フォロ・ロマーノ周辺

Piazza Santa Maria Nova, 53, 00186 Rome, Italy
(+39) 06 39967700
8:00~日没1時間前(夏季は18:00頃、冬季は15:00頃)
1/1、5/1、12/25
コロッセオ、パラティーノの丘との共通券12ユーロ

フォロ・ロマーノと合わせて行きたい観光スポット3選

現在のローマ歴史地区には、フォロ・ロマーノのほかにもパンテオンやコロッセオをはじめ様々な凱旋門やカラカラ浴場、バトリアヌスの神殿などローマ帝国時代の数々の遺産が残されています。旧ローマ市街は直径約6キロほどなので、歩いて回ることが可能です。フォロ・ロマーノ観光と一緒に下記の場所へもぜひ足を運んでみませんか?

コロッセオ

72年に建設が始まったとされる円形闘技場のコロッセオは、実際には正円ではなく楕円形をしています。観客席にあたる建物は4階建でギリシア建築の円柱様式を取り入れているとのことです。当時の収容人数はおよそ5万人。剣闘士同士や剣闘士と猛獣の戦いなどの見世物が行われ、長い時には100日間に及ぶこともあったのだとか。5世紀初めの皇帝・ホノリウス帝により全ての格闘技が禁じられ、その後は採石場となります。長い時を経て1774年頃には殉教者を記念する場所へと姿を変えていきました。

コロッセオ

イタリア / ローマ / コロッセオ / フォロ・ロマーノ周辺

Piazza del Colosseo, 00184 Rome, Italy
(+39) 06 39967700
8:30〜16:30

パンテオン

全ての神々に捧げられたという神殿、パンテオン。古代ローマの建築物の中でひときわ保存状態が良いといわれています。本殿は天界を象徴する巨大な円蓋で覆われ、その円蓋の頂上にある天窓から差す光が、内部を照らす唯一の光源だったそうです。天蓋の造り一つを取っても、後世の聖堂建築に大きな影響を与えたといわれています。

パンテオン

イタリア / ローマ / ナヴォーナ広場周辺

Piazza della Rotonda, 00186 Rome, Italy
+39 347 8205204
8:30~19:30(日曜9:00~18:00、祝日9:00~13:00)
1/1、5/1、12/25
http://www.pantheonroma.com/

ベネチアに関連した現地ツアーはこちら

イタリア北東部に位置する都市で、中世にはヴェネチア共和国の首都として栄えました。水の都ヴェネチアといわれ、街の象徴、大運河「カナル・グランデ」が流れています。運河沿いには美しい街並みが広がっており、街の中に入り組んだ水路、多くのゴンドラが行き交い、ゴンドラからは壮麗な建築物を眺められます。美しい夜景と水面に反射する光は幻想的でロマンチック。
ヴェネチアの中心であり玄関口の「サン・マルコ広場」にはサン・マルコ寺院をはじめ宮殿や博物館、時計塔など見どころが多く、「世界一美しい広場」として多くの観光客が訪れます。

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カラカラ浴場

古代ローマ人とお風呂に纏わる逸話は、私たち日本人にとっても親近感が湧くものではないでしょうか。早寝早起きで暮らしていた彼らの生活に、お風呂はなくてはならない存在だったようです。というのも、日の出前に起床し早朝から仕事に精を出していた古代ローマ人たちは、午後も半ばになると早々に仕事を切り上げ、とある場所へ出かける習慣があったそうなのですが……それがまさに浴場だったのです。一日の疲れを大きなお風呂でゆったり汗を流すことが彼らの活力であったのかもしれません。お風呂は単に体を綺麗にするということよりも、より娯楽に近い形で、市民たちの生活に取り入れられていたようです。
ここでご紹介するカラカラ浴場もそのひとつ。
212年から216年にかけてのカラカラ帝時代に作られたもので、広大な敷地の中には温室や冷室、熱室(現在のサウナに類似)があり、公立図書館の付属建築であったということも公共性の高さを伺わせます。現在においては夏季に野外オペラが開かれることでも有名ですが、ぜひ当時の人々の憩いの時間を訪ねに、足を運んでみてはいかがでしょうか。

カラカラ浴場

イタリア / ローマ / アッピア旧街道

Via della Terme di Caracalla 52, 00153 Roma, Italy
+39 06 3996 7702
https://www.coopculture.it/heritage.cfm?id=6

まとめ

わずか6km四方のエリアに世界遺産という宝石が散りばめられた街、ローマ旧市街。ご紹介したもの以外にもまだまだ見どころはたくさんありますが、駆け足で散策すれば〈ローマ観光は1日にして成る?〉といえるかもしれません。

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