【イタリア】ボルゲーゼ美術館でルネサンスとバロック美術の世界に酔いしれよう！見どころや周辺スポットをご紹介

有名作品が数多く展示されている「ボルゲーゼ美術館」とは？

ローマにあるボルゲーゼ美術館は、もともとはシエナ出身の貴族であるボルゲーゼ家の美術品コレクションから始まりました。その後、1903年にイタリア国営の美術館としてオープンし、多くの美しい美術品が見られることで人気の観光スポットとなっています。
展示物は、1階は「ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ」や「カラヴァッジョ」などが彫った彫刻、2階は「ラファエロ」や「ルーベンス」などが描いた絵画と分かれているのが特徴です。
それほど広い美術館ではありませんが、展示物すべてが名作揃いで引き込まれてしまうため、いつのまにか時間が経過してしまいます。美術品を鑑賞しながら歴史に思いを馳せていると、まるで近世ヨーロッパにタイムスリップしたかのような気持ちになる美術館です。

ボルゲーゼ美術館の入場料や予約方法は？

ボルゲーゼ美術館は、完全予約制の美術館です。鑑賞できる時間は2時間と定められているので注意しましょう。
予約は、電話とオンラインの2種類の方法があります。電話の場合、予約日の10日前までに電話するのが確実です。オペレーターの言語をイタリア語と英語で選べるので、得意な言語で予約をしましょう。直接オペレーターと話すので、ある程度の言語力があることが望ましいです。
オンラインの場合は、ボルゲーゼ美術館の公式サイトよりアクセスをします。メニューの中に「Acquista」（購入）という文字があるので、そこをクリックして購入手続きを進めましょう。予約日や予約時間、予約枚数を入力して購入をします。なお現地での当日予約は、予約に空きがあった場合のみ可能です。
電話や現地予約の場合の入場料は、一般が15.0ユーロ(特別展開催時は20.0ユーロ)、18歳未満が2.0ユーロです。
オンライン予約の場合は、一般が17.0ユーロ(特別展開催時は22.0ユーロ)、18歳未満が4.0ユーロです。

ボルゲーゼ美術館の見どころをご紹介

ボルゲーゼ美術館は、有名作品が数多く展示されていることが魅力です。思わず息をのむような圧倒的な迫力や美しさで、近世ヨーロッパの世界に引き込まれます。では、どのような美術品があるのかご紹介をしていきます。

躍動感があふれる「ダビデ象」

「ダビデ像」は、1623～1624年にベルニーニによって彫られた作品です。ダビデはイスラエルの2代目の王ですが、もともとは羊飼いをしていた少年でした。
この「ダビデ像」は、旧約聖書の一説で描かれた、巨人ゴリアテを倒すために投石する瞬間を彫ったものです。今にも動き出しそうな、ダビデの躍動感あふれる姿は必見ですよ。

繊細で官能的な「アポロとダフネ」

ギリシャ神話を元に造られたのが「アポロとダフネ」です。1622～1625年に、ベルニーニよって彫られました。太陽の神アポロが、恋をしたダフネに触れた瞬間、ダフネがみるみるうちに月桂樹へと変わる瞬間を彫刻で表現した作品です。
ダフネの透き通るような美しい身体は官能的であり、繊細に表現された月桂樹は、硬い大理石で造られているとは思えないほど。思わず、緊迫感と躍動感に引きつけられてしまいます。

肉体の柔らかさを感じるほどリアルな「プロセルピナの略奪」

「プロセルピナの略奪」は、1621～1622年に彫られたベルニーニの作品。冥界の王であるプルートが、好意を抱いているプロセルピナを略奪する瞬間を表現しています。
特徴は、何といってもリアルさです。プルートが力づくでプロセルピナを連れて行こうと太ももを掴んでいますが、プルートの指が食い込み、柔らかな肉体を見事に表現しています。まるで本当の皮膚のようなリアルさと迫力に圧倒される彫刻です。

幼い姿のイエスが描かれた「聖アンナと聖母子」

「聖アンナと聖母子」は、1605年にカラヴァッジョによって描かれた作品。聖母マリアが「罪の象徴」とされる蛇を踏みつけ、さらにその上から幼いイエスが足を乗せている瞬間を描いています。
二人の横には、マリアの母である聖アンナが立ってその様子を見つめているのが印象的です。聖アンナが手を組んで下げている描写は、これから先の苦悩を表しているといわれています。暗いトーンが印象的で、不安感がよく伝わる作品です。

カラヴァッジオ自身の姿を描いた「病めるバッカス」

1593～1594年頃、カラヴァッジョが入院していた時期に描かれた作品だといわれるのが「病めるバッカス」です。不健康そうな血色の男性が描かれているのが特徴で、作者のカラヴァッジョ自身を描いたものとされています。
入院をした原因は、マラリアとされるのが有力です。ぶどうを持ってこちらを見る眼差しは、焦点が合っておらず不安な気持ちになるほど。インパクトが強く、心に残る作品です。

ボルゲーゼ美術館を観光する際の所要時間は？

ボルゲーゼ美術館は、2フロアで20室ほどなので、足早に鑑賞する方であれば30分程度で周れます。しかし、貴重な美術品ばかりなので、じっくりと時間をかけて鑑賞するのがおすすめです。
ただし、ボルゲーゼ美術館は鑑賞時間が2時間と定められています。そのため、予約をした時間から、2時間以内に鑑賞を終わらせる必要があるので注意が必要です。
予約した時間の5分前位になったら、美術館の入り口に待機しましょう。予約時間となると、係員が合図をしてくれるので、そこから鑑賞スタートです。予約時間にならないと、入場はできませんので注意しましょう。

ボルゲーゼ美術館へのアクセス方法

ボルゲーゼ美術館は、バスで行くのがおすすめ。ヴェネト通りから出発している「116番」のバスが、ボルゲーゼ美術館付近に止まるので便利です。また、テルミニ駅前広場から「910番」に乗る方法もあります。「ピンチアーナ通り」で下車して、ボルゲーゼ公園内を10分ほど歩けば到着です。

ボルゲーゼ美術館周辺の観光スポット

ボルゲーゼ美術館はローマにあるので、周辺の観光スポットも満載です。どれも有名なスポットばかりなので、時間の許す限りローマ観光を楽しみましょう。

ローマで有名な観光スポット「トレヴィの泉」

ボルゲーゼ美術館周辺で最も有名なスポットが「トレヴィの泉」です。古代ローマ時代、皇帝のアウグストゥスによって造られた泉で、彫刻の迫力と泉の清らかさが見事にマッチしています。
「後ろ向きにコインを泉に投げ入れると願いが叶う」といったいい伝えはあまりにも有名。ローマに来たのであれば、ぜひ立ち寄りたいスポットです。

剣闘士に思いを馳せる「コロッセウム」

「コロッセウム」は、剣闘士による数々の戦いが繰り広げられた円形の闘技場です。ローマ帝国時代に、ウェスパシアヌス帝とその子であるティトウス帝によって建設されました。
剣闘士同士で戦ったり、罪人を猛獣に襲わせたりして、5万人ほどの観衆を沸かせていた場所です。思いを馳せていると、観衆の沸く声が今にも聞こえてきそうな感覚になりますよ。

聖母マリアに捧げられた聖堂の「サンタマリアマッジョーレ大聖堂」

「サンタマリアマッジョーレ大聖堂」は、「偉大なる聖母マリアに捧げられた聖堂」という意味をもつ聖堂であり、ローマの4大聖堂のひとつに数えられます。とても大きな聖堂で、高い天井にはモザイク画や絵画などが描かれているのが特徴です。
ゴージャス感があり、見るものを圧倒させるのもポイント。ミュージアムもあり、歴代法王の衣装や装飾品なども見られます。

2000年の歴史を誇る神殿「パンテオン」

「パンテオン」は、はるか2000年前に建てられた神殿です。石造りの建築物としては世界最大級であり、近づいてみるとスケールの大きさに圧倒されます。19世紀後半からは、重要な人物が埋葬されるお墓にもなっています。
クーポラと呼ばれる丸部屋は、天井に彩られた模様と丸い穴が特徴的。この丸い穴は「パンテオンの目」と呼ばれ、天井の模様とそこから差し込む光が相まって、非常に神秘的な風景が見られます。

古代ローマの遺跡「フォロロマーノ」

「フォロロマーノ」は古代ローマの遺跡であり、約2000年前に建てられた建造物です。ユリウス・カエサルが演説した場所で、宗教や政治、商業などの中心地となる神殿や広場などが建設されました。
しっかりと舗装された道や下水道も整備され、当時のローマの建築技術の高さがうかがえます。「元老院議事堂」や凱旋門までの「聖なる道」などを見て、当時のローマ帝国に思いを馳せてみるのもおすすめです。

ボルゲーゼ美術館の観光ならツアーがおすすめ

ボルゲーゼ美術館は、ローマを代表する美術館であり、近世ヨーロッパのルネサンスとバロック美術の美しさを存分に堪能できます。周辺にもローマの観光スポットが満載であり、時間が許す限りいろいろなスポットを観光するのがおすすめです。
ボルゲーゼ美術館を含むローマ市内を観光するツアーであれば、時間を無駄にせずに最大限ローマを観光できます。ぜひツアーを予約して、ボルゲーゼ美術館と周辺スポットを思う存分楽しみましょう。

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