トビムシを駆除するには？生態や発生原因、予防・退治方法を紹介

トビムシは体長2〜3mm程度、白、褐色、紅色、緑などの体色を持つ小さな虫です。はねを持たないので飛べませんが、危険を察知すると、腹部にある跳躍器を使い、数十cm程度まで飛び跳ねます。土壌の中や樹皮下、岩礁などさまざまな場所に生息し、菌や腐植などを食べます。室内では、台所やお風呂場などの湿度の高い場所や、トビムシの好む有機肥料を与えた観葉植物などが主な発生源となります。トビムシは一般的に殺虫剤の成分に弱いため、駆除には不快害虫用として市販されているエアゾールタイプの殺虫剤を噴霧するとよいでしょう。また、発生源となる箇所の風通しをよくしたり、植物の土や腐敗した木材などを除去したり、侵入経路を塞いだり、トビムシが再発生しないよう対策をしましょう。自分でできる対策を行ってもトビムシの発生を抑えられない場合は、専門の業者に依頼するのもおすすめです。

トビムシの生態

トビムシは、トビムシ目に属する昆虫です。体長は小さいもので0.3mm、大きいものだと7mmを超える種類もいますが、概ね2〜3mm程度のものが多いと言われています。体色は白、褐色、紅色、緑など多彩で、寿命は2か月から数か月程度。はねはないので空中を飛ぶことはできませんが、危険を察知すると腹部にある跳躍器を使い、数十cm程度まで飛び跳ねます。土壌表面や地中、落ち葉や樹皮の下、水面や海辺の岩礁などさまざまな場所に生息し、腐敗植物や菌類、花粉などを好んで食べます。トビムシがいる環境は土壌分解が促進されるので、自然界では益虫として知られています。また、土壌にすむ多くの捕食性動物の餌となるため、大地のプランクトンとも呼ばれています。

トビムシの発生源

トビムシは人を咬んだり刺したりすることはありません。 基本的には無害な虫ですが、集団で室内入り込みピョンピョンと飛び跳ねたり、大量に繁殖しうごめいたりするため、不快害虫として位置付けられています。では、屋内では主にどのような場所がトビムシの発生源となるのでしょうか。詳しく解説します。

台所、お風呂場など湿気が多く風通しが悪い場所

トビムシは湿度の高いジメジメとした暗い環境を好みます。 そのため、屋内では台所やお風呂場、洗面所などの水回りや、床下など風通しの悪い場所に発生することが多いといわれています。また、排水溝やゴミ箱周辺なども要注意。湿度が高く、トビムシの餌となる食べ物カスやカビ、汚れなどが残っていることが多いため、 大量発生する可能性もあります。

湿った土や有機肥料を与えた観葉植物

屋内に設置した 観葉植物や鉢植えが発生源となることもあります。 土中に有機肥料や堆肥、腐植土などが含まれ、かつ適度に湿り気のある環境はトビムシにとって絶好の住処。室内であればクモや蟻などの天敵に捕食されるリスクも少ないので、産卵しさらに数を増やす事態も考えられます。

腐った木材などにつくことも

トビムシは腐食した木材を好む傾向にあります。そのため、木製建材、木製の家具やプランターなどに朽ちた部分があると、そこから大量発生するケースも多いといわれています。特に風通しの悪く腐りやすい床下の建材や、湿った木製プランターはトビムシが好んで住み着き、 どんどん繁殖する可能性が高いので注意 が必要です。

トビムシの侵入経路

室内で発生したトビムシの多くは、外部から侵入している可能性が高いといわれています。主な侵入方法は、歩行侵入もしくは付着侵入。歩行侵入とは、トビムシがあらゆる隙間から屋内へ侵入することを指します。トビムシはほふく前進をするように体を縮め、1mm程度の隙間からでも屋内へ侵入することが可能です。そのため、開閉の多い窓や扉、エアコンの排水ホースや換気口などはもちろん、床と幅木の隙間や、コンセントカバー、窓のサッシなどのわずかな隙間からでも屋内に入り込みます。また、屋外から持ち込まれた観葉植物や鉢植えなどに付着して侵入することも多いとされています。

トビムシの予防法と退治方法

トビムシは わずかな隙間からでも侵入し、抜群の繁殖力でどんどん増えていきます。 トビムシを屋内で発見したらどうすればいいのでしょうか。また発生を予防する方法はあるのでしょうか。詳しく解説します。

市販されている不快害虫用の殺虫剤が効果的

目に付くトビムシは、 エアゾールタイプの殺虫剤を噴霧して駆除 しましょう。また、屋外や室内でトビムシの発生しそうな場所や侵入経路となりそうな箇所には、ピレスロイド系の薬液剤の残留噴霧がおすすめ。 トビムシは殺虫剤の成分に弱い ので、市販されている殺虫剤や、濃度の薄い液剤でも高い効果が期待できます。ペットや小さな子どもがいるので室内での殺虫剤使用は控えたいという方には、掃除機を使用した対策も。トビムシを掃除機で吸い込み、スイッチを入れた状態で殺虫剤を少量噴射すると、薬剤が飛び散ることなく一気にトビムシを駆除できます。

発生場所の風通しを良くする

トビムシは日当たりがよく乾燥した場所を嫌います。そのため、台所やお風呂場の水回りは常に換気を心がけ、湿気がこもらないようにするのが重要です。庭や植込みなどに積もった落ち葉や朽木もトビムシの発生原因となるため、定期的に掃除を行いましょう。また、ベランダなどに多くの物を置いていると風通しが悪くなり、トビムシが住み着く可能性が高くなります。外に物を置く場合は、風通しや日当たりを考慮して、トビムシが発生しないような配置をしましょう。

網戸や隙間などトビムシの侵入経路を遮断する

網戸や幅木の隙間、窓や玄関扉などトビムシの侵入経路がわかっている場合は、その経路を塞ぐ対策をしましょう。手軽にできて効果的なのは、侵入口をシールで塞いでしまう方法です。スポンジタイプやゴムタイプ、フィルムタイプなどさまざま商品がホームセンターやインターネット通販等で販売されているので、使用する場所に合わせて活用するとよいでしょう。シールを貼るのに抵抗がある方や複数の箇所の隙間補修をしたい方には、変成シリコン系のシーリング材やパテを利用した方法もおすすめです。作業に必要なシーリング材やコーキングガン、コーキング用のヘラなどは全てホームセンターなどで手に入れられます。作業自体も比較的簡単に行えるので、DIYは苦手という人でも綺麗に仕上げることが可能です。

自己対策で解決しない場合は専門業者への依頼も

自己対策だけではトビムシが駆除しきれない場合や、そもそも発生場所や侵入経路がわからないという場合は、害虫駆除の専門家の揃う業者への依頼もおすすめです。専門業者の害虫駆除では、まず屋内外を調査し、発生源や侵入経路を特定するところから行います。発生状況に応じて薬剤を散布し、トビムシを駆除。再発生を防ぐために発生場所付近を清掃したり、発生源を取り除いたりします。また、今後のトビムシの発生を予防するため、壁や床などの隙間にシーリング材を埋め込み侵入経路を塞ぐ作業を行います。侵入経路を徹底的に塞ぐことで、 トビムシはもちろん、蟻やコバエなどの微小昆虫の侵入を防ぐ効果も期待 できます。

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トビムシの発生源や侵入経路を知って、適切な予防・駆除方法を行おう

繁殖力が強く、わずかな隙間からでも侵入し、私たちを不快な気持ちにさせるトビムシ。トビムシに悩んだら、まずはトビムシがどこから発生しているのか、どこから室内に入り込んでいるのかを特定しましょう。発生の原因となっている箇所や侵入を許している箇所に薬剤散布などの適切な対策を施すことで、トビムシの大半は駆除することができます。自己対策だけでは発生を抑えられない場合は、害虫駆除の実績が豊富な専門業者への相談も検討しましょう。専門家に依頼することで、自分では気がつかなかった発生源や侵入経路が判明することも。現在発生しているトビムシの駆除だけでなく、トビムシが再度発生しないよう予防策を講じてくれるケースもあるのでおすすめです。

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