コガネムシの幼虫の駆除方法は?対策についても紹介!

コガネムシは「コガネムシは金持ちだ」という歌詞から、縁起のよいイメージを持つ人が多いかもしれません。しかしコガネムシは果樹や花の葉を食べてしまう厄介な害虫。中でもコガネムシの幼虫は土の中の根を食べながら成長するため、被害が進むと植物が根から枯れてしまうこともよくあります。もし「鉢植えの花が根からぐらぐらしている」「水やりをしているのになんだか元気がない」という場合は、土の中にコガネムシの幼虫がひそんでいるかもしれません。ここではコガネムシの生態や見分け方、発生しやすい時期などをまとめました。駆除方法や発生を防ぐ対策も紹介しますので、合わせて参考にしてください。

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コガネムシとは?

コガネムシは「甲虫目コガネムシ科」に属する昆虫。「黄金虫」の名前の通り光沢があるきれいな昆虫で、「こがねむし」「黄金虫のワルツ」といった歌の他、エドガー・アラン・ポーの冒険小説「黄金虫」などさまざまな作品のモチーフになっています。ここではコガネムシの生態や他の昆虫との見分け方、ライフサイクルを紹介しますので参考にしてください。

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コガネムシの生態は?

コガネムシは世界で約3万種、日本でも約360種が確認されている比較的身近な昆虫。体長は17~23mm程度のものがほとんどで、成虫は緑の他、赤紫や黒紫色のものもいます。成虫は1回に約数十個の卵を産むとされており、幼虫は20~30mmの大きさ。幼虫は頭部分が黒か茶色で、体部分は黄色っぽい白色の2色に分かれており、カブトムシの幼虫そっくりの形をしています。

コガネムシの見分け方は?

コガネムシによく似た昆虫にカナブンやハナムグリがいます。コガネムシは草花を荒らす害虫ですが、カナブンやハナムグリは土壌を豊かにしてくれる益虫なので見分けることが必要です。カナブンやハナムグリが四角い体形なのに比べ、コガネムシは丸みを帯びた体形が特徴。またコガネムシは羽根の付け根の形が半円になっているのも見分けるポイントです。

コガネムシのライフサイクルは?

コガネムシは幼虫の状態で越冬し、春先にさなぎになるサイクル。通常成虫は越冬できないため、孵化してからの寿命は約1年です。しかし寒い地方では幼虫のまま1~2年を過ごすということも。産卵期は7~9月の夏で、植木鉢やプランターの中、畑の中などに数十個ずつ卵を産みます。孵化した幼虫は土の中を垂直移動しながら、植物の根などを食べて成長します。

コガネムシの幼虫による被害は?

幼虫が2匹いれば鉢植えが一鉢ダメになるほど幼虫の食欲は旺盛。しかも土の中を移動しながら根を食べるため見つけにくいのが難点です。もし植木鉢や庭の土がモグラでもいるようにこんもりとしている場合は、成虫が土の中にもぐって卵を産みつけているかもしれないので注意しましょう。ここではコガネムシが発生しやすい時期や環境、好物を紹介します。

コガネムシが発生しやすい時期は?

コガネムシの発生しやすい時期は、幼虫は1年中、成虫は行動が活発になる6~9月です。コガネムシの中でもマメコガネは5~10月と活動時期が長いことが特徴。成虫を見かけた場合は近くに幼虫がいる可能性もあるので注意しましょう。幼虫は1年を通して土の中にいるので、ガーデニングなどをしているなら幼虫による被害は常に気をつける必要があります。

コガネムシが発生しやすい環境は?

コガネムシはさまざまな植物を好み、土にもぐりこんで卵を産みます。特に広葉樹や果樹の根元はコガネムシの格好の産卵場所。特に土に腐葉土や堆肥が混ざっている環境を好むので、家庭菜園などをしているなら土の状態にも注意する必要があります。その他、花が植わっていない土だけの植木鉢の中にも産卵するので、土を再利用する時にも気を付けましょう。

コガネムシの好物は?

コガネムシは種類によって好物が違いますが、成虫幼虫とともに大豆やインゲンなどマメ科の植物を好みます。その他ブドウやクリ、柿などの果樹、カシやウメバガシ、アカシアなどの樹木、バラやラベンダー、ボタンなどの花も大好きです。特にガーデニングを華やかに彩るバラはコガネムシの大好物なので、バラを育てているならより一層の注意が必要です。

コガネムシの駆除方法は?

コガネムシの駆除方法は殺虫剤で駆除するか、捕獲して取り除くかの大きく2つに分かれます。大量発生している時など1匹ずつの捕獲ではキリがない場合は殺虫剤を使うとよいでしょう。ここでは殺虫剤の使い方や捕獲して取り除く方法を紹介します。コガネムシの被害に遭っている場所の状態に応じて選んでください。幼虫、成虫どちらにしても早めの駆除がおすすめです。

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浸透移行性殺虫剤を使用する

浸透移行性殺虫剤とは、殺虫成分を葉や根から吸収することで植物自体が殺虫効果を持ち、害虫を防除する薬剤のこと。大きく分けて「土にばらまくタイプ」「薄めて散布」「そのまま散布」の3種類があり、植物や被害場所の広さに合わせて選ぶことができます。即効性があり、コガネムシだけでなくアブラムシやチャドクガ、コナジラミなどにも効き目があります。

有機リン系殺虫剤「ダイアジノン」を使用する

有機リン系殺虫剤で広範囲の害虫に効果的。土に混ぜ込むことでコガネムシ類の幼虫を始め、各種の土壌害虫に効き目を発揮します。農薬としてだけでなく害虫防除としても使用されており、ペット用ノミ取り首輪にも「ダイアジノン」を使った製品があります。ダイアジノンにはいくつかの種類がありますが、コガネムシ幼虫にはダイアジノンをマイクロカプセル化した「ダイアジノンSLゾル」がおすすめです。

捕まえて駆除する

庭の木などにコガネムシがついている場合、木をゆすると落ちてきます。成虫は落ちると死んだふりをするのでこの時に捕まえましょう。晴れの日はよく飛び捕まえにくいため、雨の日の駆除がおすすめです。またコガネムシは危険を感じると黒っぽい液体を出します。これはニオイもあり服につくと落ちにくいので、軍手と汚れてもよい服を用意して駆除しましょう。

コガネムシ発生の対策は?

さまざまな植物を荒らすコガネムシ。葉につくと葉脈だけを残してレース状に食べてしまいます。幼虫は土の中から根を食べ、大発生すると樹木を枯らしてしまうこともあります。そんなコガネムシ被害に遭わないためにはどうすればよいでしょうか?ここではコガネムシ発生の対策におすすめの方法を紹介しますのでチェックしてみてください。

植物で対応する

コガネムシの発生対策として対抗植物を植えるのもよいでしょう。効果的とされているのがバラのコンパニオンプランツとしても知られるスイセンやニンニクなどです。その他キャットニップ、ルー、チャイブといったハーブもコガネムシは嫌います。大量発生してしまうと対抗植物だけでは難しいかもしれませんが、予防として使うと安心できます。

防虫ネットを使用する

防虫ネットを使って作物自体を覆ってしまうのも一つの手。葉への被害はもちろん、土の中にコガネムシがはいりこんで産卵するのも防げます。防虫ネットは特に鉢植えの作物や花に効果的。防虫ネットはホームセンターや100均ショップ、通販サイトでも簡単に購入できるので検討してみてください。また選ぶ時はできるだけ目が細かいタイプを選ぶとよいでしょう。

マルチシートで対応する

植えた植物の株回りを不織布などを覆い、害虫や雑草の発生、水分の蒸発を防ぐことをマルチングといいます。近年はビニールの他、マルチング用にバークチップやピートモス、クルミの殻などさまざまな素材が販売されているのでそれを利用しましょう。また植木鉢のサイズにカットされていて使いやすい「マルチシート」を使うのもおすすめです。

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コガネムシは成虫・幼虫とも見つけたら早めの駆除がおすすめ。駆除は自分でできれば一番ですが「被害範囲が広い」「大量発生して手に負えない」などの理由で駆除できないなら、専門業者に依頼するのも一つの手です。相場は約10,000~20,000円と費用はかかりますが、プロならではの技術を生かして徹底駆除してくれますよ。コガネムシに悩んだら一度検討してみてください。

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