カミキリムシの駆除方法は？対策についても紹介！

カミキリムシは捕まえるとキイキイと鳴くことや大きなアゴで紙を切ることでも知られており、子どもたちにも人気の昆虫です。いろいろな種類がありコレクターもいるほどですが、カミキリムシの幼虫は木に穴を開けて内部を食い荒らしてしまう害虫でもあります。もし庭の木にオガクズのようなものが落ちていたり、穴が開いていたりすれば中にカミキリムシの幼虫がひそんでいるかもしれません。ここではカミキリムシの生態や被害、駆除方法などをまとめました。発生を防ぐ対策なども取り上げますので合わせて参考にしてください。カミキリムシを詳しく知り、大切な木を守りましょう。

カミキリムシとは？

カミキリムシはコウチュウ目カミキリムシ科の甲虫の総称。中でも白い斑点があるゴマダラカミキリや、赤い体が目を引くベニホシカミキリムシが知られています。触覚が長いことから英語で「Longhorn beetle（角の長い甲虫）」とも呼ばれることも。ここではカミキリムシの生態や種類、ライフサイクルなどを紹介しますので参考にしてください。

カミキリムシの生態は？

カミキリムシは孵化後幼虫からさなぎ期間を経て成虫となる「完全変態」の昆虫です。成虫は木の幹に傷をつけて産卵し、幼虫は木の内部を食べながら成長します。産卵された時期によっては成虫になるまで2年かかる個体も。成虫は基本的に越冬せず、その前に寿命を迎えます。また特徴的な長い触角は雄のほうがより長く、その違いで雌雄の判別ができます。

カミキリムシの種類は？

カミキリムシは世界に約37,000種、日本には約750種が生息しています。中でも前述したゴマダラカミキリやベニホシカミキリムシの他、ミドリカミキリ、キイロトラカミキリ、ノコギリカミキリなどが比較的よく見られます。また近年では外来種「クビアカツヤカミキリ」が日本各地で発生し、サクラやウメ、モモの木などで被害が確認されています。

カミキリムシのライフサイクルは？

メスは平均200個、最大で400個の卵を産みます。卵は約3mmの楕円形で乳白色。孵化した幼虫は翌年5月頃まで木の中で成長し、さなぎの時期（20～30日）を経て羽化します。しかし涼しくなってから産卵され孵化も遅かった幼虫はもう1年木の中で生息するため、産卵された時期によっては成虫になるまでに1年と2年を費やす個体がいることになります。

カミキリムシによる被害は？

カミキリムシの幼虫は大きな穴を開けて出てくるので別名「テッポウムシ」と呼ばれます。幼虫は木の内部を食い荒らすため枝葉だけでなく、木そのものが枯れることも珍しくありません。枯れなくても台風など強風時に折れてしまい、思わぬ被害が出ることも。ここではカミキリムシが発生しやすい時期や環境などを紹介しますので、参考にしてください。

カミキリムシが発生しやすい時期は？

カミキリムシの産卵時期は6～10月で、特に6～7月は発生のピーク。卵は1週間程度で孵化し、幼虫は木の内部を食べながら1～2年かけて成長します。幼虫の食欲は旺盛で、気づいたら木の内部がスカスカになっていたということもよくあります。そのためカミキリムシの被害は成虫よりも幼虫の方が大きく、林業や果樹園を営む人々を悩ませています。

カミキリムシが発生しやすい環境は？

カミキリムシは老木や樹勢の悪い木を好みます。好きな樹木はカミキリムシの種類によって違ってきますが、ミカンやイチジク、ナシなどの果樹、モミジ・クリなどの広葉樹などによくつきます。木が弱っていると産卵されやすいため、日頃から木の管理をしっかりしておくことが大切。また成虫は下草などをこまめに刈っておくと見つけやすくなります。

カミキリムシの好物は？

カミキリムシの幼虫は頑丈なアゴを使って木の内部を食い荒らしますが、成虫になるとその種類によって好物は変わります。例えばゴマダラカミキリならクリやリンゴの若葉や枝、ハナカミキリやトラカミキリなら花ビラや花粉、ナガゴマフカミキリは木の樹皮が好物です。このように植物の葉や茎を食べるものや花や花粉を食べるもの、木の皮を食べるものに分かれます。

カミキリムシの駆除方法は？

木の内部を食い荒らし大きな被害を与えるカミキリムシとその幼虫。樹木だけでなく花への影響も深刻で、キクスイカミキリなどはキクの茎をかみちぎって卵を産みつけます。そのためカミキリムシは林業や果樹園、ガーデニングなどを営む人にとっては悩みの種。ここではカミキリムシの駆除方法を3つ紹介するのでチェックしてください。

専用ノズルの付いた殺虫剤を使用

カミキリムシの幼虫の駆除には差し込みやすい専用ノズルのついた殺虫剤の使用がおすすめ。専用ノズルは3方向噴射できるタイプもあり、効率的に駆除できます。ホームセンターや通販サイトではカミキリムシ幼虫退治専用の殺虫スプレーが販売されているので、それを使用しましょう。また多くの殺虫剤はアブラムシやケムシ、ハダニなどにも対応しているので、1本用意しておくと幅広く使えて便利です。

針金を穴から差し込んで突き刺して補殺

針金などを穴から差し込んで幼虫に突き刺し捕殺する方法も確実に駆除できます。庭の木に薬剤を使いたくないという人でも安心。ただの針金でも駆除できますが、穴の中で操作しやすい専用道具もあるのでそれを使うとより効率的に駆除できます。針金を差し込むのが難しい場合は先ほど紹介した「専用ノズルの付いた殺虫剤」を使用するとよいでしょう。

石灰乳を塗布

生石灰に殺虫剤を混ぜたものを木の幹に塗るカミキリムシ対策もあります。薬剤を塗布することで成虫が木に近づけないので産卵を防ぐことができます。しかし雨で流れ落ちてしまうので何回も塗り直す必要があるのがデメリット。また忌避効果はあるもののどうしても塗っていない部分ができるため、そこを狙われてしまう可能性もあります。

カミキリムシ発生の対策は？

「専用ノズルの付いた殺虫剤を使用する」「石灰乳を塗布する」などカミキリムシ駆除方法を紹介してきましたが、一度発生してしまうと徹底した駆除は難しいもの。そのためカミキリムシの発生を防ぐようあらかじめ対策しておくのもおすすめです。ここではカミキリムシの発生をできるだけ防ぐ対策を3つ取り上げますのでぜひ参考にしてください。

植物に肥料を与える

カミキリムシは弱っている植物を好むので植物は弱らないよう肥料を与え、強く元気に育てましょう。成虫を発見しやすくするため、下草を抜いてキレイに整えておくのも予防になります。もし近くに弱った植物があればすでに被害に遭っている可能性があるので処分してしまうのも一つの手。また花を好むカミキリムシもいるため、花を育てている場合も同じように注意しましょう。

弱った枝などは剪定する

成虫は弱った枝や樹勢の衰えた幹を好んで産卵します。木自体に元気があればカミキリムシが幹にキズをつけて産卵したとしても、ヤニなどで防がれ幼虫は生育できません。そのため弱った枝などは定期的に剪定し、肥料を十分に与えて樹勢を強くすることが一番の予防になります。もし木の下にオガクズなどがあれば幼虫が生息している可能性があるので、前述した駆除方法で対応しましょう。

防除ネットをかける

成虫を寄せ付けない方法として防除ネットを使用するのもおすすめ。カミキリムシだけでなく他の害虫の予防にも役立ちます。バラやキクなどガーデニングの植木鉢や小型の樹木だと丸ごとカバーし、大き目の樹木には木の根元から50cm程度の高さまでネットを巻きつけるとよいでしょう。万が一産卵されてもフンなどを発見しやすく、早期対応が可能です。

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迷ったら業者に依頼しよう

カミキリムシの幼虫は木に大きなダメージを与える厄介な害虫。自分で駆除するのもよいですが、徹底的な駆除を考えるなら思い切って業者に依頼するのもおすすめです。カミキリムシ駆除の費用相場は約10,000円とある程度かかりますが、プロならではの技術で確実に駆除してくれます。もしカミキリムシ被害に悩んでいたら一度検討してみてください。

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