大学の卒業旅行で挑戦するアメリカ大陸横断ルート66の旅

■ルート66とは？

アメリカ旧国道66号線、通称ルート66は、国道という枠を飛び越え、アメリカの歴史上重要な存在として人々に親しまれてきました。世界の文学史を代表するアメリカ人作家ジョン・スタインベックが1939年に「怒りの葡萄」を発表し、ルート66は世界中に名を知られました。オクラホマで農業を営んでいた主人公のジョード一家が、銀行や大企業に土地を追われ、カリフォルニアを目指して家族で過酷な旅に乗り出す作品で、アリゾナ砂漠やロッキー山脈など、道中の圧倒的な自然も描かれています。

ルート66の沿線にはマクドナルドやドライブスルー、モーテルなど、映画で目にするアメリカの風景が広がっています。実に8州をもつなぐ大規模な国道だったため、物資輸送に欠かせない存在でしたが、州間高速道路が整備されたことで1985年に国道としての役目を終えました。しかし今でも、ルート66でのアメリカ大陸横断の夢を抱く人は多く、バイクで疾走する人や、キャンピングカーでのんびりと行く人、自転車で挑戦する強者ら、さまざまな人たちの夢の舞台になっています。

■グランド キャニオン／アンテロープ キャニオン

ルート66を東西どちらから走り出すかは人それぞれですが、もし西海岸のカリフォルニア州サンタモニカから東進すると、アリゾナ州で最初のハイライトがやってきます。セドナという街から北に約170キロの場所にある、グランド キャニオン（写真上）です。巨大な峡谷で最も深いところでは1800メートルあります。起源は諸説ありますが、約4000万年前にコロラド川が大地を削り侵食し始め、約200万年前に現在の形になったと言われています。断崖の上から見えるグランド キャニオンの雄大な姿は世界中の観光客を魅了し続けています。

もうひとつの見どころがアンテロープ キャニオン（写真下）です。ロッキー山脈が隆起してできたコロラドの台地を川が流れ、柔らかい砂岩を削り取っていったことで生まれた神秘的な峡谷です。雨が降ると鉄砲水が勢い良くアンテロープ キャニオンの中を流れるため、形は常に変化しています。高さは30〜40メートルあり、中に入ると、頭上から差し込むわずかな太陽光や青空が見えて異世界に潜り込んだような感覚を楽しめます。先住民族ナバホの人たちに許可されたツアーに参加しなければ訪れることはできません。

どちらも少しルート66外れますが、行かなければ一生後悔すると言ってもいいほどの美しい景色が待っていますよ。周辺はキャンプサイトが多いので、学生仲間とキャンピングカーをレンタルして行けば、卒業旅行にふさわしい最高のバーベキューを楽しめます。