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■コンセプトは「安全で清潔で、心地よくて、おなかいっぱいおいしい料理を食べられる」
Travelbook「神林さんがユースホステルを始めた経緯を教えてください」
「大雪山白樺荘ユースホステルは、主人の両親が始めた宿で、創業は昭和43年(1968)です。19年前に主人と結婚したことがきっかけで、ユースホステルの運営に携わりはじめました。手伝い始めて3年くらいがたった2000年に、宿の建て直しと合わせて私たちに代替わりして今に至ります。自分がもともと旅好きだったとか、宿運営に興味があったり、北海道が特段好きだったりしたから、ということではありません」
大雪山白樺荘ユースホステル
- 北海道上川郡東川町旭岳温泉
- 0166-97-2246
- チェックイン:15時~21時/チェックアウト:〜10時
- 臨時休館・合宿による貸切あり
- 収容人数:16人
Travelbook「最初のうちはどんなことが大変でしたか?」
「始めの頃は、近くにお店がなく、雪がたくさん降る大雪山の環境に慣れるのに苦労しました。基本的に休みのない仕事という点でも、リズムの違いに慣れるまで大変でした。元々は東京の百貨店勤務でしたので、今の仕事に役立つこともあまりありませんでした。完全にゼロからのスタートでしたが、今では自分なりのカラーを出しながら楽しくやれています」
Travelbook「ユースホステルを運営するうえで意識していることやコンセプトはありますか?」
「コンセプトなんてたいそうなものではありませんが、『安全で清潔で、心地よくて、おなかいっぱいおいしい料理が食べられる』という、基本的なことを大切にしています。ユースホステルがドイツで始まった際に掲げたコンセプトとほとんど同じですね。過剰にあれこれとサービスをすることなく、各々の過ごし方に任せる接客方法です。海外の宿に近いですね。宿の中でのんびりと過ごせるように、"何もしない"ように気を使っています。宿泊費が安いので、設備にあまりお金をかけられないのはしょうがないのですが、ラウンジにソファーを置いたり、Wi-Fiの環境を整えたりと、ユースホステルの中で不便を感じず快適に過ごせるように、できるだけの配慮をしています」
■海外の人からの信頼が厚く、言葉に困った人が聞きに来るほどの宿
Travelbook「参考にしたのは海外の宿ですか?」
「学生のときに留学をしていたので、その経験が一番役に立っていますね。海外の宿ではなんでもしてあげるような接客をしないことを知りました。いろいろな国の人と接した経験もあったので、外国人が泊まりに来たからといって慌てることもありませんでした。外国人対応が普通にできていたので、昔からロンリープラネット(世界的に有名な旅行ガイドブック)にも情報が掲載されていますし、星付きでない方のミシュラン・ガイドにもかつて掲載されていました。そのおかげでたくさんの外国人に来ていただいています」
Travelbook「宿泊は外国の人が多いのですか?」
「日本のほかの地域に比べたら多いと思います。北海道が外国人に人気の高い観光地ということもありますし、大雪山の雪はニセコと並んで、世界中のスキーヤー、スノーボーダーの憧れですから、スノーシーズンには海外の人がたくさん訪れます。宿泊客の9割以上が外国人になりますね。最近は日本政府が海外の人の誘致を積極的に行っているので、今まで以上に増えていると実感しています。日本人の方が多いのは春のゴールデンウィーク過ぎから、秋口までの登山シーズンの間ですね。」
Travelbook「言葉の面で困ることはありませんか?」
「いろいろな国の人を接客してきたので、宿の基本的な説明くらいなら英語、中国語、韓国語はなんとか対応できています。話すまではいかないですけど、館内の掲示物にはタイ語も書くようにしています。周囲では外国語のできる宿と認知されているらしく、近くにキャンプ場もあるので言葉で困った人がうちに聞きに来ることもありますよ」
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■宿の中ではゆっくりのんびり過ごしてほしい
Travelbook「大雪山白樺荘ユースホステルの魅力を教えてください」
「このユースホステルが、ということではありませんが、大雪山は雄大な自然環境が魅力です。訪れる人にはロケーションの良さを存分に感じてほしいです。ユースホステルの中で快適に過ごしてほしいというよりは、外に出て自分たちの遊びをしてきてほしいですね。ユースホステル内では1日遊んできて帰ってきた時に、ゆっくりできる雰囲気づくりを大切にしています。ユースホステルは安さを提供している宿ですから、驚くような施設や料理、サービスの提供はできませんが、その分安心できる環境を整えるように心がけています。」
Travelbook「特別にユースホステルの中で何かやっていることはありますか?」
「特にないですね。私は大雪山の自然を、それぞれ自分なりに感じてほしいと考えているので、過剰なサービスの提供や交流の促進などは行っていません。お酒も自由に飲めますし、規則はほとんど設けていません。旅の目的も人それぞれでコンセプトも違うので、自由に過ごせるようにしています。夕食の場面でも、母語が共通する人は近くに席を配置したりして会話のきっかけ作りをする場合もあれば、家族やカップル、グループの方は、固まって話せるようにして、プライベートな空間を心がけることもあります」
Travelbook「料理について教えてください」
「あまり知られていないのですが、大雪山の周辺は米作りが盛んです。近くの契約農家さんから仕入れたものを大雪山のきれいな水で炊いているので、ご飯がおいしいです。山の中のユースホステルなので、事前に予約をしてもらわないと食事を出すことができません。事前に予約をして来てくれた人には、出来合いのお惣菜やレトルトのものではなく、一からちゃんと作る料理を提供しています。日本の家庭料理が主ですが、海外の料理も作りますよ。海外の人は連泊することが多いので、何泊しても料理がかぶらないように5〜6日分のレパートリーは常に考えていますね」
■ まずは1回飛び込んでみて
Travelbook「ユースホステルを運営していて言われた嬉しい言葉や印象的な言葉はありますか?」
「やっぱり褒められればどんな言葉でも嬉しいですね。宿泊業特有のものですが、お客様は予約を入れた段階で楽しい気持ちでいます。予約から宿泊当日、チェックアウトまで、楽しい気持ちを損ねないようにしっかりやることを意識しています。『快適に過ごせた』と言ってくれるお客様も多く、なかには『世界で一番のユースホステル』と言ってくれるお客様もいます。そう言ってもらえるとやっぱり嬉しいですね。」
Travelbook「ユースホステルを利用したことがない人に一言お願いします」
「ユースホステルは、施設によって雰囲気が千差万別です。ペアレントによってコンセプトが違いますので、自分の旅のスタイルに合うユースホステルもあれば、合わないユースホステルもあるでしょう。いろいろな所に泊まったうえで、お気に入りのユースホステルを見つけてもらえたら一番いいのですが、まずは一度体験してみて、旅の選択肢のひとつとして見てもらえれば嬉しいですね。ユースホステルだからと壁を感じないで飛び込んでみてください」
大雪山白樺荘ユースホステル
- 北海道上川郡東川町旭岳温泉
- 0166-97-2246
- チェックイン:15時~21時/チェックアウト:〜10時
- 臨時休館・合宿による貸切あり
- 収容人数:16人
■ユースホステルに関するまとめ
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