アブラムシの駆除方法を徹底解説！殺虫剤を使う方法から無農薬の手法まで

アブラムシは春や秋に発生し、野菜や新芽、つぼみなどについて植物の汁を吸います。大量に発生すると植物を枯らしてしまうことも。アブラムシの成虫は飛ぶので、密集したベランダ菜園や家の中の園芸などで増えることもあります。またアブラムシが出す甘い分泌物がアリを寄せ付けるので、見つけたら駆除したい害虫です。アブラムシの駆除は野菜に影響がないように、無農薬の方法で退治するといいでしょう。天敵のテントウムシを飼う、牛乳や木酢液、酢、片栗粉などを使う方法もおすすめです。アブラムシを窒息させる効果や、防虫効果が期待できます。

アブラムシが発生する時期

アブラムシは2～4mmほどの小さな体ですが、 植物に寄生し枯らしてしまう害虫です。 「いつのまにか葉や茎についていて、大量に増えて手がつけられなくなってしまった」という人もいるでしょう。アブラムシは1年通して発生しますが、特定の季節に生殖したり地域によって発生する時期が違う場合があります。自分の住むエリアではアブラムシがいつ繁殖するのか知って、対策を取りましょう。

春と秋に注意

関東から北の地域では、春と秋はアブラムシに注意してください。春から梅雨入りにかけての4月～6月は、アブラムシは雌のみで増えていきます。さらに秋になると雄が発生し、幼虫を産んで数を増やし始めます。特に9〜10月頃はアブラムシが増える時期なので、注意が必要です。アブラムシは卵の状態で冬を越えて、春に幼虫になります。

関西から西は1年中警戒が必要

関西から西のエリアでも同じように、アブラムシは春と秋に繁殖しますが、冬は成虫のまま活動するので、1年中幼虫を産み続けます。そのため西日本では年間通してアブラムシが発生する可能性があり、対策をとる必要があります。

アブラムシが発生しやすい環境

アブラムシはさまざまな種類がいて、どんな植物にも寄生するタイプもいれば、特定の植物だけに寄生するタイプもいます。アブラムシが好む環境、寄生しやすい環境を作っていると、アブラムシが常に発生しやすくなります。アブラムシがよくつく植物があれば、予防策として環境を変えるといいかもしれません。

若葉やつぼみにつく

アブラムシは、植物の若葉や新芽、つぼみなどによくつきます。 また、成虫だけでなく幼虫も植物の汁を吸います。植物が育つ春先や夏にかけては、アブラムシの繁殖も特に多くなるので気をつけましょう。

家の中や狭い空間で植物をたくさん育てる

植物と植物の間隔が狭かったり、株や葉が密集していたりすると、アブラムシが発生しやすくなります。アブラムシの成虫は飛べるので、植物が密集していると、次の鉢へとどんどん移動して、汁を吸います。 ベランダを使った家庭菜園や家の中で窓際に密集して植物を置いている場合は、間隔をあけたり、間引きしたりして風通しをよくし、葉っぱに太陽の光がしっかり当たるようにしましょう。 また、株が多すぎるとそれぞれが十分な栄養を吸収できずに弱っていきます。弱っている株にも、アブラムシがつきやすい傾向があります。

窒素が多い肥料を使う

肥料をあげすぎるのもよくありません。化学肥料の量が増えると、配合されている窒素も増えます。窒素が増えると、葉でアミノ酸が葉で多く合成されるようになります。そうすると、アミノ酸を好物としているアブラムシが寄ってきてしまいます。

アブラムシの被害

アブラムシが植物につくと、さまざまな害を及ぼします。植物の汁を吸うだけでなく、ウイルスを媒介したり他の害虫を寄せ付けたりするので、 アブラムシを見つけたら放っておかずに駆除する必要があります。

家庭菜園の野菜や花が枯れる

大量のアブラムシが新芽やつぼみについて植物の汁を吸うと、植物が育たなくなってしまいます。さらに次々と植物に飛来して汁を吸うので、ウイルスに感染している植物から別の植物へウイルスを移します。主に野菜や柑橘類、ダイズ、花などで媒介します。ウイルスを移すアブラムシの種類は、モモアカアブラムシ、ダイコンアブラムシ、ワタアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、ジャガイモヒゲナガアブラムシなどがあります。またウイルスの種類は、キュウリモザイクウイルスやカブモザイクウイルスなどです。

アリが来る

アブラムシがつくと植物がベタベタするだけでなくアリを呼び寄せ、天敵から身を守って生き延びようとします。アブラムシは、植物に寄生すると「甘露」という分泌液を出します。アリがこの甘露を好むため、アブラムシの近くにはアリが寄ってきます。また、甘露はスス病の原因にもなります。さらにアリがアブラムシの天敵のテントウムシからアブラムシを守るので、お互いに共存できる環境を作ります。

殺虫剤を使わずにアブラムシを駆除する方法と予防法

アブラムシを発見したら植物を守るためにも駆除が必要です。 野菜や果物の木などにもつくので、できれば害虫スプレーや洗剤などの薬剤を使わない駆除方法をとるといいでしょう。身近にあるもので、植物を守りながらアブラムシを退治できます。

天敵のテントウムシを投入する

アブラムシの天敵はテントウムシです。 テントウムシは、幼虫のときから1匹1日あたり10～100匹のアブラムシを食べます。テントウムシをアブラムシのいる植物に置くと、自然に駆除できます。テントウムシが逃げないよう、植物をビニールなどで覆うといいでしょう。またアリがいるとアブラムシがテントウムシに食べられないよう保護するので、アリの駆除も一緒に行うと効果的です。

牛乳をスプレーする

水で薄めた牛乳をアブラムシのいる植物にスプレーすると、膜がアブラムシを覆い、乾いたときにタンパク質が固まるのでアブラムシが窒息します。効果的に駆除するポイントは、植物を乾燥させておき、植物全体に均一にスプレーすることです。またスプレー後はしっかり乾かして、タンパク質が固まるようにしましょう。牛乳が完全に乾いたら、水で吹きかけた部分の牛乳を落とします。 牛乳はカビの原因になる場合があるので、落とし残しがないよう丁寧に落としてください。

穀物酢を使う

アブラムシの予防には酢がおすすめです。米酢や穀物酢を水で約50倍くらいに薄めます。スプレー容器などに入れて、植物全体に吹きかけます。アブラムシだけでなく、虫全般の忌避効果が期待できます。酢は植物の葉に艶を与えたり、カビの繁殖を防いだりする効果も期待できるので、害虫予防として使用するといいでしょう。

木酢液を散布する

木酢液も害虫の忌避剤として使用できます。木酢液は、木炭を作るときの煙を冷却して液体にしたもので、燻製のような独特な匂いがします。天然の素材から作られているので、人や地球にも優しい商品です。水で希釈して植物に吹きかけます。木酢液は有益な微生物を増やし、土を消毒する作用、植物の成長を助ける働きもあるといわれています。生花店やホームセンターなどで入れられます。

片栗粉で窒息させる

牛乳スプレーと同じく、片栗粉のスプレーもアブラムシを窒息させる効果が期待できます。片栗粉大さじ1を沸騰したお湯1リットルに溶かして吹きかけましょう。加熱することで片栗粉が糊状になり、アブラムシが窒息します。片栗粉が多すぎるとスプレー容器から霧状に出なくなるので、濃度が濃すぎないように調整しましょう。牛乳スプレーのように乾いた後の腐敗した匂いもなく、拭き取る必要もありません。

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アブラムシは年間通して発生する害虫で、一度発生するとどんどん増殖します。対策をしないと隣の植物にも移り、枯らしてしまいます。春と秋は繁殖の時期なので、特にしっかり対策をとりましょう。アブラムシは野菜や果物にもつくので、農薬や殺虫剤などを使わずできる駆除方法がおすすめです。牛乳や酢、木酢酢や片栗粉など身近にあるものを使って駆除が可能です。コスパもいいので、ぜひ予防や駆除に使ってみてください。

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