青虫を駆除したい！有効な撃退方法や予防方法とは？徹底調査しました

青虫は蝶または蛾の幼虫のうち、体が緑色で毛がないものを指しています。アブラナ科の植物は青虫の大好物。葉の柔らかい部分は穴を開けられてしまいますし、成長が阻害されて作物がダメになることもあります。青虫を駆除するには、捕殺や殺虫剤を使うなどし、天敵の昆虫に食べてもらうとよいでしょう。自分だけでは手に負えないと感じたときは、専門の駆除業者に依頼します。木酢液を噴霧したり、防虫ネットをかけておいたりすると青虫を予防できます。アブラナ科の作物の隣にキク科のレタスを植えるなど、コンパニオンプランツを実施するのもおすすめです。

青虫を駆除したい！まずは生態を知っておこう

青虫を駆除するには、まずは生態や特徴を知っておきましょう。青虫はヨトウムシやモンシロチョウなどの幼虫で、 成虫は葉の裏に卵を産み付けます。 孵化した青虫がその葉を食べ尽くしてしまうと、さらに隣の葉へと移るのでどんどん食害が広がります。アブラナ科の植物、ハクサイやブロッコリー、キャベツなどの葉が好まれ、可食部がなくなったり成長が阻害されたりして収穫できなくなってしまいます。

青虫の種類（1）ヨトウムシ

蛾の一種である「シロイチモジヨトウ」や「ハスモンヨトウ」などのヨトウムシは、幼虫の頃は青虫の姿をしています。ハクサイやブロッコリー、芽キャベツ、イチゴなどの野菜、バラやパンジーなどの花とつぼみ、葉っぱを好み、穴だらけにします。葉の裏に数十から数百個の卵塊を産み付け、成虫1匹あたり1,000から3,000個ほどの大量の卵を産んで繁殖。春から初夏と秋頃の2回繁殖期があり、夏に高温かつ乾燥すると発生しやすくなるといわれています。

青虫の種類（2）モンシロチョウ

もっともよく知られている青虫は、モンシロチョウの幼虫です。5〜6月と秋頃が活動期で、幼虫は4週間ほどで成虫になります。青虫はアブラナ科の植物が好物で、コマツナやカブ、キャベツ、ハクサイなどさまざまな野菜が対象です。成虫はアブラナ科の植物に含まれる「からし油成分」の香りを嗅ぎ分け、1枚の葉に1つずつ、裏側に卵を産み付けます。青虫はからし油成分を解毒できるので、ほかの虫に食べられることなく葉を独占できます。 卵と青虫を放置すると葉は葉脈だけを残して食べ尽くされ、作物の成長が阻害されてしまいます。

葉っぱに穴を開ける青虫は家庭菜園に被害大

青虫は野菜や草花の葉を好みます。駆除せず放置して葉が食べ尽くされると、葉脈しか残りません。葉を光に当てて養分を作り出す「光合成」ができなくなると、作物が食べられるだけの大きさに育たなくなります。ハクサイやキャベツなどは可食部を食べられてしまい、商品にならず出荷できないケースも。花卉につく青虫の場合、花に加えつぼみも食べてしまうので花数が減ってしまいます。加えて柔らかい新芽を食べ尽くされると、思うように大きく育たないこともあるでしょう。

青虫はどうやって駆除すればいい？4つの駆除方法

青虫は放っておくと、葉をどんどん食い荒らして被害を広げてしまいます。 植物をお世話するときには葉の裏まで見るようにし、青虫や卵を取り除くようにしましょう。ガやチョウなどの成虫を見かけたら、青虫がいるかもしれないと警戒する必要があります。 青虫を直接捕殺するのに抵抗がある方は、農薬や殺虫スプレーに頼るとよいでしょう。

（1）捕殺する

青虫を見つけたら、その都度捕まえて駆除しましょう。 雑草や水やりなどの作業のついでに、青虫駆除もするのが効率的です。葉は表裏をよく確認し、青虫だけでなく卵や蛹（さなぎ）も取り除いておきます。家庭菜園や畑でヨトウムシやモンシロチョウを見かけたら、卵を産み付けられたかもと考えましょう。大きな畑はとても人の手では捕殺しきれないので、別の方法も併用するとよいでしょう。

（2）農薬・浸透移行性殺虫剤・殺虫殺菌スプレーなどを散布する

速やかに青虫を駆除する場合は、農薬の粒剤などが使われるケースが多いようです。大きな畑でも手間をかけずに駆除できますが、有機栽培や無農薬栽培の作物には使えず、益虫まで退治してしまうデメリットもあります。青虫駆除用の殺虫剤が市販されていますから、虫を捕殺するのが苦手な方は使ってみてはいかがでしょうか。浸透移行性タイプのスプレー剤は、直接薬剤がかからなかった部分にもゆっくりと効き目が広がります。卵は葉裏に産み付けられますが、植物の上からスプレーを散布しても青虫を駆除できます。

（3）天敵の昆虫に食べてもらう

青虫を駆除するために、天敵の昆虫に助けてもらう方法も。アオムシコマユバチやアシナガバチは青虫の天敵で、青虫を幼虫のエサにします。たとえばアオムシコマユバチはモンシロチョウの幼虫の体内に卵を産み付け、ハチの幼虫は孵化したら青虫の体を食い破って外へ出ます。アシナガバチは人を刺すこともありますが、成虫は青虫を巣に持ち帰り、噛み砕いて幼虫に与えます。もしも巣を見つけても、できるだけ駆除せずにそっとしておきましょう。

（4）駆除業者に依頼する

広範囲で青虫が発生してしまい、自分だけでは駆除しきれないとお困りの方は、害虫駆除の専門業者に相談されてはいかがでしょうか。電話で見積もりができて作業料金が明確、すぐに駆けつけてくれる業者であれば、気軽に相談できます。費用と作業内容を聞いてから、実際に依頼するかを判断してもよいでしょう。 駆除のプロが青虫の発生現場を調査し、対応を行ってくれます。

青虫を駆除したら再発防止対策を

青虫を駆除したら、成虫が寄り付かないように対策をしましょう。 木酢液を噴霧したり寒冷紗や防虫ネットをかけたりしておけば、成虫が植物に卵を産み付けなくなります。 キャベツやコマツナなどを育てるときには、レタスやニンジンなどを一緒に植え付ける コンパニオンプランツを実施 しましょう。青虫を防ぎつつ、生長を促進して大きく育てることもできます。

木酢液スプレーを噴霧

木酢液とは、炭の製造工程で発生する水蒸気と煙とを冷やして液体にしたものをいいます。製品にもよりますが、300〜1,000倍ほどに希釈し、スプレーボトルに入れて散布します。燻製のようなよい香りがし、濁りのない褐色の良質な木酢液を選びましょう。 植物の葉に散布すると青虫と成虫が寄り付かなくなり、代謝を上げてよく育つようになるメリットもあります。 木酢液が流れてしまわないよう、水やり後に時間を置いてからスプレーするとよいでしょう。

コンパニオンプランツを栽培する

コンパニオンプランツとは違う種類の作物を隣同士に植え、害虫を寄せ付けないようにする方法です。たとえば青虫が好むアブラナ科とは、ニンジンなどのセリ科や春菊などのキク科の植物を一緒に植えましょう。 中でもリーフレタスなどのレタスの仲間は、青虫を予防するためのコンパニオンプランツに多く用いられています。 農薬を使わないので食べて安心な作物ができ、互いに生長を促進してより大きく育つメリットもあります。

寒冷紗や防虫ネットで作物を覆う

ヨトウムシやモンシロチョウが植物に近づけないよう、寒冷紗（かんれいしゃ）や防虫ネットで覆いましょう。寒冷紗は虫除けのほかにも霜よけなどの防寒対策、水分が蒸発し過ぎるのを防ぐ、夏の強い日差しを和らげるなどのさまざまな使い方ができます。防虫ネットに隙間を作ってしまうと成虫が入り込み、内で卵を産まれてしまいます。作物の世話をするときには、ネット内に成虫を入れないように注意しましょう。

青虫を駆除して家庭園芸の作物を守ろう

青虫はヨトウムシやモンシロチョウの幼虫で、 春と秋が活動期 です。成虫は作物や花卉の葉に卵を産み付け、孵化した幼虫が葉を食べてしまうと植物が育たなくなってしまいます。青虫は見つけたらその都度捕殺し、広い範囲には農薬や殺虫スプレーなども併用して駆除しましょう。木酢液や防虫ネット、コンパニオンプランツで、日頃から青虫の防除対策をするのもおすすめです。

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