ED（勃起不全）の症状とは？原因や種類、治療法なども紹介

EDとはErectile Dysfunctionの略称で、勃起不全や勃起機能低下を意味します。日本でも幅広い年代の男性がEDの悩みを抱えており、特に40代以降で症状が現れる人が多いと言われています。EDというと全く勃起が起こらない症状のみを考えがちですが、十分な硬さが得られない、勃起状態を継続できないなど、性行為に支障が出る場合もEDである可能性が高いと言われています。
EDは糖尿病などから起こる動脈硬化や神経障害が起因する器質性ED、ストレスなどから起こる心因性ED、器質性と心因性が組み合わさった混合型ED、特定の薬を服用している場合に起こる薬剤性EDの4つのタイプに分類できます。EDを改善するためには、生活習慣の改善や、治療薬の服用、外科的治療が有用とされています。特に治療薬の服用は、主治医から処方を受け、用法容量を守って正しく使用すれば、自然な勃起の感覚を取り戻す手助けとなります。

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ED（勃起不全）の症状

ED（勃起不全）とは、満足のいく性行為を行うために十分な勃起が得られない、維持できない状態で、かつその状態が持続、再発する症状です。また、自分の勃起に満足感が得られないケースもEDの症状に当てはまります。具体的には下記のような症状がある場合、ED治療の対象となりえるとされています。
【ED（勃起不全）の症状】
・性的興奮を覚えても勃起が起こらない
・勃起はするが、十分な硬さが得られない
・毎回ではなく、たまに勃起しないことがある
・硬さが維持できず挿入しても途中で抜けてしまう
・勃起状態が長時間持続しない
・性行為時に勃起できるか不安になる

ED（勃起不全）のタイプと原因

EDはその原因によって大きく4つのタイプに分類できます。タイプによって特徴や対策方法、治し方が異なるため、まずは自分がどのタイプのEDなのかを理解することが重要です。ここでは、EDの4つのタイプについて詳しく解説します。

器質性ED

器質性EDは、血管、神経、内分泌など体に何らかの原因があり、物理的に勃起障害が発生するタイプのEDです。加齢による疾患や機能低下が現れ始める50代以降に特に起こりやすいと言われています。
・血管障害
加齢等により動脈硬化などの血管障害が起きると、血管の拡張が十分に行われず、血液循環も悪くなります。血液循環が悪くなると陰茎海綿体に十分な血液が届かず、結果として勃起不全が起こりやすくなります。糖尿病や高血圧など血管に多大な負担のかかる生活習慣病の症状がある方は、動脈硬化が進行しやすいので特に注意が必要です。
・神経障害
性的刺激を受けると脳は神経を介して信号を送ります。この信号が陰茎へ伝わると勃起反応が起こります。しかし、体のいずれかの神経が障害を受けている場合、脳からの信号が陰茎に伝わらず正常な勃起反応が起こらないケースがあります。特に脳腫瘍や脊髄損傷、パーキンソン病やてんかん、アルツハイマー病など、神経に影響が出る疾患の場合はEDが起こりやすくなります。
・内分泌機能の低下
男性ホルモンの1つで性機能を維持する働きのあるテストステロンが減少すると、勃起力が弱まりEDの症状が現れやすくなると言われています。テストステロンは加齢のほか、飲酒や喫煙、ストレスなどの原因で不足しやすくなります。

心因性ED（機能性ED）

心因性EDとは心理的要因や精神的要因により起こるEDのことを指します。心因性EDの原因は、仕事や日常生活でストレスをため込んでいる、性行為がうまくいかなかった際の相手の言葉や態度に傷ついたなどトラウマがある、失敗できないというプレッシャーがあるなど多岐にわたるのが特徴で、30代40代など身体的に問題のない世代にも多いとされています。また、近年ではうつ病や統合失調症、アルコール依存症などの精神疾患による精力減退も心因性EDの1つとして分類されています。

混合型ED

混合型EDとは器質性EDと心因性EDの両方が合わさり起こるEDです。複数の要因が重なりED症状が現れるため、根本的な原因の特定が難しいのが特徴で、特に50代60代など高齢の方に起こりやすいと言われています。

薬剤性ED

薬剤性EDとは、服用している薬の副作用などにより起こるEDです。下記のような薬を服用している場合、EDの症状が現れる可能性があります。
・解熱剤や消炎鎮痛剤、抗うつ薬、抗不安薬など中枢神経に作用する薬
・筋弛緩薬や麻酔薬、抗コリン薬など末梢神経に作用する薬
・利尿剤や降圧剤、血管拡張剤など循環器系に作用する薬
・消化性潰瘍治療薬や鎮けい薬など消化管に作用する薬

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ED（勃起不全）の対策や治し方

勃起が起こらない、勃起状態が維持できないなどEDの症状が現れた場合、どのような対策を取ればよいのでしょうか。自分ですぐに取り組める改善方法から病院で行う治療法までED対策方法について解説します。

生活習慣を改善する

EDの治し方として最初に取り組んでいただきたいのが、生活習慣の改善です。特に血管障害に伴う器質性EDや混合性EDの場合は、日頃の生活を根本的に見直すことがスムーズな勃起を取り戻す足掛かりになる可能性があります。
・血流改善
血行不良の原因となる、喫煙、炭水化物や脂質の過剰な摂取を控え、血流改善を心がけましょう。また、ストレスや筋肉疲労なども血行不良を引き起こす要因となるので、日頃からストレスや疲れを溜めないような生活を送るのも重要です。
・適度な運動
適度な運動は前述した血流の改善が期待できると同時に、勃起するためのパワーを鍛えるのにも有効と言われています。特にスクワットなどの下半身を鍛える筋トレやランニングなどの有酸素運動は◎。毎日少しずつ運動の習慣を取り入れることで持久力や筋力がアップし、ED改善に繋がる可能性も高まります。
・食生活の見直し
スムーズに勃起や射精を行うためには、精液の十分な生成が不可欠です。精液はたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を摂取することで生成が促されます。そのため、日頃から大豆食品や野菜などを取り入れたバランスのよい食事を心がかけましょう。また、レバーや牡蠣に含まれる亜鉛やビタミンB群、オクラや山芋などネバネバした食品に含まれるムコ多糖類など、精力を高める物質を多く含む食材を意識的に摂取するのもおすすめです。

ED治療薬を服用する

ED治療として近年広く認知されるようになったED治療薬。2020年11月現在、日本で認可されているED治療薬はバイアグラ（シルデナフィルクエン酸塩）、レビトラ（バルデナフィル塩酸塩）、シアリス（タダラフィル）の3種類です。治療薬の種類により、即効性や効果の持続時間などが異なるので、症状に合わせて医師に処方してもらいましょう。また、服用中の薬や既往歴によってはED治療薬の処方ができない場合もあるので、受診前に必ず申告し医師の指示を仰ぎましょう。ただし、これらは自由診療です。

症状が深刻な場合は手術という治療法も

ED治療薬の他にも、勃起補助器具や陰茎海綿体注射（ICI療法）などED治療にはさまざまな方法があります。しかし、持病があり治療薬の服用ができない方や、さまざまな治療法を試しても症状が改善しないという方もゼロではありません。そのような深刻なED症状で悩む方は、陰茎プロステーシス手術を検討してみてはいかがでしょうか。陰茎プロステーシス手術とは、陰茎海綿体内にプロステーシスと呼ばれる専用のシリコン製インプラントを移植する手術です。術後は勃起させたいタイミングでプロステーシスの位置を動かせば、性交に十分な勃起状態を作り出せます。ただし、陰茎プロステーシス手術には高額な費用がかかる、体内に器具を埋め込むため合併症などのリスクを伴う可能性があるといったデメリットも存在します。施術を検討する際は、医師によく相談し、メリットデメリットを十分に理解した上で手術を受けるかどうかの判断をしましょう。本治療法は自由診療です。

ED（勃起不全）の症状を理解し、適切な対策を行うことで充実した性生活を

EDは決して珍しいものではなく、加齢やストレスなどによって誰にでも起こる可能性のある症状です。もしかしてEDかも？と感じる症状がでたら、初期段階で治療を検討するのがおすすめです。EDの原因を特定し、症状に合わせた適切な治療を行うことで、充実した性生活を取り戻せる可能性は高まります。

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