アンテナ工事無しでテレビを見る方法

テレビはアンテナがないと見ることができないと思っていませんか？実はテレビはアンテナがなくても見る方法がいくつかあります。例えば、屋外にアンテナを設置することができない場合や、アンテナはあっても各部屋にテレビ端子がなく、テレビ端子がない部屋にテレビを設置したいという場合もあるでしょう。さまざまな理由でテレビアンテナ以外の方法でテレビを見たいという方は少なくはありません。しかし、アンテナ工事無しでテレビを見るには、どの方法もメリットやデメリットがあります。そこで今回は、アンテナ工事無しでテレビを見る方法や基礎知識、そしてそのメリット・デメリットについても紹介していきたいと思います。

アンテナの基礎知識

テレビで地上波デジタル放送を見るための設備として、最も一般的となっているのがテレビアンテナです。多くの家庭では、屋外アンテナを設置し、そのアンテナで電波を受信して電波信号をケーブルでテレビまで送ることで、テレビを視聴しています。多くの家庭でアンテナを設置している理由としては、アンテナによるテレビの視聴は、初期費用さえかけてしまえば、その後は無料でテレビを視聴することができるため。まずここでは、テレビアンテナの基礎知識について説明していきましょう。

アンテナには種類がある

テレビアンテナと言っても、さまざまな種類があります。まず、地上デジタル放送を視聴するための地デジアンテナ、そしてBS/CS放送を視聴するためのBSアンテナ、さらに4K8K放送を視聴するための4K8K対応アンテナです。さらに地デジアンテナには、魚の骨のような形の「八木式アンテナ」や、BOX型の「デザインアンテナ」、ケーブルをつなぐだけで室内で使える「室内アンテナ」があります。どのアンテナもアンテナを使って電波を受信しテレビを見るというところは同じです。

アンテナ設置の費用相場

アンテナを使ってテレビを視聴するためには、当然、アンテナを設置する必要があります。賃貸などの場合は、あらかじめテレビアンテナが設置されているため、テレビ端子につなぐだけでテレビを見ることができますが、自分の持ち家の場合は自分で設置しなければいけません。地デジ用アンテナの設置にかかる工事費用は八木式アンテナで15,000〜30,000円、デザインアンテナで20,000〜35,000円が相場で、これにアンテナ本体の金額がかかってきます。本体価格は1,000〜7,000円程度が相場です。

設置費用に差が出る理由

アンテナの設置費用は、アンテナの種類だけでなく、アンテナを設置する場所や周辺機器の有無、テレビの位置などによっても変わってきます。例えば、複数台のテレビがあれば分配器が必要になりますし、電波が弱ければブースターが必要になります。ブースターの設置だけでも設置費用に15,000〜25,000円ほどかかるというわけです。さらに、アンテナを高所に設置する場合は高所作業費がかかるなど、アンテナ工事は一軒一軒その状況によって費用が変わってきます。

アンテナのメリット・デメリット

地上デジタル放送をアンテナを設置して視聴する場合、一番のメリットは、初期費用さえ払えばあとは無料で視聴できるという点です。アンテナには寿命がありますが、寿命は10から15年と言われているので、設置してから長い間は費用がかかりません。デメリットとしては、初期費用が高いということ。そして、屋外アンテナの場合は、強風や台風などでアンテナが倒れてしまう可能性があるということです。さらに、アンテナは向きがずれると電波を受信することがでできなくなり、テレビの映りに影響してきます。

アンテナ工事無しでテレビを見る方法

様々な理由でアンテナ工事をせずにテレビを視聴したいという方は多いです。最近は、多くの家庭でインターネット環境が整っているため、インターネットを使ってテレビを見たいという方もいるでしょう。実は、アンテナ工事なしでテレビを見る方法はいくつかあります。もし、アンテナからの電波ではなく、他の方法でテレビを見たいと思うなら、違う方法を検討してみるのも良いでしょう。ここでは、アンテナ工事無しでテレビを見る方法について説明していきます。

光回線を利用する

インターネット接続のために引く光回線を使ってテレビを視聴することができます。そのサービスの中でも有名なのが、NTTぷららが提供する「ひかりTV」です。ひかりTVは有料契約を結ぶことで地デジやBS/CS・特別なチャンネルを視聴することができます。光回線と専用チューナーを使うため、屋外用のアンテナと違って、悪天候で映りが悪くなる心配もありません。有料ではありますが、その分、豊富なチャンネルを楽しむことができます。

ケーブルテレビに加入する

ケーブルテレビとは、提供する会社が決めた場所に大型の専用アンテナを設置して、電波信号を同軸ケーブル(または光ケーブル)で各家庭に送るというサービスです。あくまでも、ケーブルを通じて番組の情報を受け取れるため、地デジ・衛星放送を問わずアンテナなしで視聴ができます。ただし、セットトップボックスという専用の機器を設置しなければいけません。ケーブルテレビも有料ですが、ひかりTVのように豊富なチャンネルを楽しむことができます。

チューナー内蔵のポータブルテレビで見る

家電量販店などに行くと、チューナーを内蔵したポータブルテレビが販売されています。チューナーを内蔵したポータブルテレビであれば、アンテナを使わずに電波を受信し、テレビ番組を見ることができます。防水機能を備えたお風呂で見られるタイプもあり、好きな場所へ持ち運んで視聴できるのが魅力。ただし、画面が小さいので、大画面でテレビを見たいという場合は不向きです。どちらかというと、一人暮らしやテレビ端子のない部屋用におすすめ。

室内用アンテナを使う

有料契約をしないで地デジ放送だけを楽しみたいのなら、室内アンテナを使う方法もあります。持ち運びが簡単で、コンセントやテレビにつなぐだけで使えるという手軽さが魅力で、業者に工事を依頼しなくても自分で設置が可能です。インテリアになじみやすいデザインが多く、卓上型やペーパーアンテナがあります。使い勝手は良いですが、電波の受信感度が悪く、電波が弱い地域や、周りに障害になるような建物がある場合はおすすめできません。

光回線・ケーブルテレビの特徴

アンテナを設置してテレビを視聴する方法と、光回線やケーブルテレビのようにアンテナを設置せずにテレビを見る方法では、それぞれにメリットやデメリットがあります。もし光回線やケーブルテレビの利用を検討するのであれば、メリット・デメリットはしっかり理解しておく必要があります。また、光回線・ケーブルテレビは月額料金が発生するため、料金についてもしっかり確認をしておきましょう。ここではまず、光回線・ケーブルテレビのメリット・デメリットについて説明します。

光回線・ケーブルテレビのメリット

光回線は本来インターネット接続のために引くものですが、例えば引っ越しの時にインターネットを引くなら、そのときに一緒に光回線の工事をすることが可能です。ケーブルテレビの回線でもインターネットを利用できるため、手間をかけずにテレビ環境とインターネット環境を作ることができます。工事が1回で済むということは、それだけ初期費用も抑えることができます。例えば周辺に高層ビルやマンションなどが立ち並ぶエリアでも、電波障害で悩む心配もありません。

光回線・ケーブルテレビのデメリット

光回線のテレビサービスもケーブルテレビも、月額費用が発生します。使用するテレビの数が増えて料金が上がると、テレビにかかるコストはさらにかさみ、一度契約すると、最低利用期間が定められているため、期間内で解約すれば違約金が発生します。ランニングコストがかかるため、長期的な出費を抑えたい人には不向きです。光回線やケーブルテレビで視聴環境を作りたい人は、月額料金や契約の縛りを事前に確認しておきましょう。

光回線にかかる費用

新規で光回線を引き込む場合、工事にかかる代金は概ね1万円から2万円後半までです。そのため、工事代金はアンテナの設置工事と同じ程度の金額となります。インターネット利用は別として、テレビを視聴するための月額料金としては、毎月1000円弱がかかかります。2年以内の解約者に対して請求される違約金はフレッツテレビでは2万円、ひかりTVでは1万円です。アンテナを利用したテレビ視聴に比べてチャンネルは豊富ですが、費用は高く付きますね。

ケーブルテレビにかかる費用

ケーブルテレビを自宅に導入される場合にも初期の工事代金がかかります。ケーブルテレビの工事代金は5000円程度から4万円弱までで、ケーブルテレビの導入にあたっては、地上デジタル放送用の電波が受信しにくいエリアでは、地方自治体などから工事代金の一部を補助するような制度もあります。ケーブルテレビの視聴は基本的にインターネットとのセット代金となっていて、インターネットと合わせて月額2500円から7000円程度です。ケーブルテレビは契約から2年以内に解約した場合、違約金が2万円発生し、さらに解約時にケーブルの撤去費用として1万円程度の費用がかかります。

地デジ、BSだけならアンテナの方がお得

光回線やケーブルテレビの特徴を説明していきましたが、アンテナ工事がないというメリットはあるものの、初期費用や月額料金を見ると、かなり割高になります。もちろん、有料チャンネルを見ることができるというメリットはありますが、結果的には地デジ放送とBS放送しか視聴しないなら、費用面で言うとアンテナを設置するほうがかなりお得ということです。コスト面だけで考えるなら、長期的に見て、視聴にコストがかからないアンテナ設置を検討するのが無難と言えるでしょう。

室内用アンテナの特徴

次に、室内用アンテナの特徴について説明していきます。室内用アンテナは、その名の通り、室内に設置することができるアンテナです。コンパクトな設計で、屋外アンテナと違い、アンテナ業者による大掛かりな工事がありません。室内に設置できるなら、とても楽ですが、多くの人が屋外アンテナを使用しているのが、室内アンテナにはデメリットもあるからです。そこでここでは、室内用アンテナの特徴と、メリット・デメリットを説明していきます。

室内アンテナのメリット

室内アンテナのメリットは、まず、屋外アンテナのような大掛かりな工事の必要がなく、工事も不要なため設置コストが低いということです。さらに、家の外観に影響を与えないため、スッキリとした印象になります。また、室内に置くため、屋外アンテナのように強風や台風など天候による影響をうけることもありません。室内アンテナは、インテリアに合わせやすいデザインの商品が多く販売され、室内に設置していても違和感がないところもメリットと言えます。

室内アンテナのデメリット

室内アンテナは、屋外アンテナよりも受信感度はかなり低いです。そのため、電波が弱い地域や複数のテレビに電波を分配している家庭では、電波強度が足りずに安定した視聴ができないこともあります。また、電波を増幅するためのブースターが必要となった場合、接続機器が増え導入費用もかかるというところがデメリットです。室内用アンテナは、基本的に窓際に置くことが多いですが、受信感度が低いため、自分の好きな場所に置くことができず、たとえ窓際に置いたとしてもテレビを視聴できない場合もあります。

室内アンテナの料金

室内テレビアンテナの料金は商品によってかなり差があります。安いものなら2,000円台で購入できるものもあり、高ければ何万円もするものまで。当然、値段が高いほうが性能的にも優れた商品が多いです。ただし、室内アンテナの場合は屋外アンテナと同じく、地デジ放送の視聴に関してコストがかかるということはありません。工事費がかからないことを考えると、電波の受信状況が良好であれば、コスト面ではかなり安くテレビ視聴をすることができます。

PCやスマホでテレビを見る

実は、お手持ちのPCやスマートフォンを使ってテレビ番組を視聴することができます。この方法なら、新しく室内アンテナやポータブルテレビを買ったり、回線を新しく引いたりすることなく、もっと手軽にテレビを見ることが可能です。当然、大型テレビで視聴することはできませんが、最近はPCやスマートフォンでテレビを視聴できれば問題ないという方も増えているため、そんな方には嬉しいサービスです。そこでここでは、PCやスマートフォンを使ってテレビ番組を視聴する方法について説明していきます。

VODサービスを契約する

VOD(ビデオオンデマンド)とは、インターネット回線を利用して番組を配信するサービスです。今は、自宅にWi-Fi環境がある家庭が多いため、インターネット回線を使ってテレビを見ても問題がありません。このサービスは、地上波でも放送されているドラマやアニメの他、オリジナルコンテンツを配信しているサービスもあり、月額料金の支払いが必要なサービスが多いですが、中には無料で楽しめるサービスもあります。例えば無料配信サービスで有名なのが「TVer」で、民放地上波放送に特化したサービスです。

VODサービスのメリット・デメリット

VODサービスのメリットは、インターネットが使える環境であれば、どこでも視聴できるということです。テレビアンテナや光回線、ケーブルテレビのような工事は不要で、現代人には便利なサービス。しかし、一般的なテレビの感覚で視聴するというよりは、見たい時に見たい番組を見るというイメージで、それぞれのサービスで番組の特性が違い、さまざまなジャンルの番組を視聴したい場合はいくつものサービスに契約する必要があります。有料のものは、月額500円～2,000円台のものがあります。

テレビチューナー内蔵のPCやスマホで視聴する

Androidスマートフォンやタブレット、PCの一部機種にはテレビチューナーが内蔵されており、テレビがなくてもそれらの端末を使ってテレビ番組を視聴することができます。また、もしテレビチューナーが内蔵されていない機種でも、PCやスマホにテレビチューナーを外付けする事が可能です。例えば日本で高いシェアを占めるiPhoneにはワンセグが搭載されていませんが、対応する外付けチューナーが販売されています。ただし、電波の弱い地域では映像が不安定になりやすいというデメリットがあります。

DLNA対応のテレビならアンテナが不要

DLNAと聞いてもあまり聞き慣れない言葉ですが、これは「Digital Living Network Alliance」を略した言葉で、メーカー各社の生産する電化製品を、メーカーを超えて相互接続する提携のことです。簡単に言うと、無線Wi-fiを通じて映像や音楽などのデータをやり取りできる仕組みで、DLNAに対応した製品と無線LAN環境があれば、アンテナを使わずにテレビを視聴することができます。ここでは、DLNAについて説明していきます。

DLNAのメリット・デメリット

DLNAは、テレビアンテナの設置など大掛かりな工事をしないでもテレビを視聴することが可能だと説明しましたが、メリットはそれだけではありません。DLNA対応の機器同士なら、テレビで録画した番組をパソコンやスマホで見ることが可能です。さらにパソコン内の音楽を他の機器で楽しむこともできます。ただし、使用したいテレビがDLNAに対応した製品でなければならず、ネットワークセグメントが異なると接続ができないなどネット環境に制限があります。また、無線LANがテレビから離れすぎると電波を受信しにくくなることも。

DLNAで無線にする方法

DLNAでテレビ環境を無線化するためには、設定が必要です。まず必要なものは、DLNAと無線LANに対応したテレビ、無線LANルーター、チューナー付きのDLNA対応のレコーダー、ケーブルです。最初に無線LANでインターネット環境を整え、アンテナ端子のある部屋で端子とレコーダーをケーブルでつなぎます。レコーダーを無線LANに接続し、最後にテレビを無線LANに接続すれば完了です。テレビの接続設定が終わったら、番組が映るかチェックしましょう。また、DLNA対応でないテレビの場合は、DLNA対応のプレーヤーが必要です。

アンテナ工事をしなくてもテレビは見られる

今回は、アンテナ工事無しでテレビを見る方法について説明していきました。テレビと言えばアンテナが必要だというイメージがありますが、アンテナがなくてもテレビを見る方法はあります。ただし、どの方法もさまざまな条件があり、メリットだけでなくデメリットもあります。自分にとってどの方法が最も良いのかを考え、テレビの視聴方法を検討してみて下さい。

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