債務整理とは？手続きの種類や特徴、メリットデメリットを徹底的に紹介します

債務整理とは、法律に基づき借金の問題を解決する方法です。債務整理手続きを行うことで、借金を減額したり、月々の返済負担を軽くしたり、全額免除したりできます。債務整理の方法には任意整理、民事再生（個人再生）、自己破産の3種類があり、それぞれにメリット、デメリットが存在します。住宅ローンなどの支払いができない、消費者金融など債権者からの取り立てを止めたい、クレジットカードの借入等で生活が苦しいなど、借金に関する問題を抱えている方は債務整理を検討してみてはいかがでしょうか。債務整理の手続きは煩雑で、債権者との交渉が必要な場合もあるので、専門の弁護士や司法書士へ依頼するのがおすすめです。

債務整理とは？

収入に対して返済額が大きく完済できる見込みがない、借金返済のために借金をする自転車操業状態に陥っている、事業に失敗して多額の借金を抱えてしまったなど、精神的にも辛い借金問題。債務整理はこのような借金問題を法的に解決する手続きです。債務整理手続きには大きく任意整理、民事再生（個人再生）、自己破産の3つの方法があります。借入の状況や借金額により最適な方法が変わるので、それぞれの特徴やメリットデメリットをしっかりと理解しておくことが大切です。

借金返済のスゴ技！国が認めている「減額措置」

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債務整理方法（1）任意整理

任意整理とは、裁判所を介さず、債権者と直接交渉し、和解することで、借金返済の負担を軽くする方法です。具体的には、利息制限法による引き直し計算後の借金について、分割支払い回数や将来かかる利息のカットを債権者と話し合い決定していく手続きです。裁判所を通さず手続きができ、必要な書類等も少なく済むことから、債務整理の中では最も頻繁に利用されている方法です。

任意整理のメリット

任意整理のメリットは下記の通りです。
・将来利息がカットされるので、完済時期が早まる
利息がカットされることで元本の返済が進むので、完済時期を早められます。
・過払い金が発生する場合は、元本を減らせる
過払い金が発生する場合は、過払い金返還請求を行うことで払い過ぎた利息を取り返せます。過払い金を元本の返済に充当することで、借金を大きく減らせる場合もあります。
・家族や会社にばれるリスクが少ない
裁判所を介さず手続きができ、必要書類も少ないので、他の債務整理方法に比べると周囲にばれるリスクは少ないといえます。
・交渉する債権者を選択できる
任意整理では、全ての債権者と交渉する必要はありません。保証人付の借金など任意整理をすると困る借金については除外して手続きができます。

任意整理のデメリット

任意整理のデメリットは下記の通りです。
・他の債務整理方法に比べると借金の減額効果は低い
任意整理では、減額できるのは基本的に利息分のみ。元本の減額は過払い金が発生しない限りほぼ期待できません。そのため、民事再生や自己破産と比較すると減額の効果は低くなります。
・継続的な収入がないと利用は難しい
任意整理後も借金の支払いがなくなるわけではありません。そのため、任意整理を利用する際は、和解条件に沿った返済をするだけの安定した収入があることが必須です。
・和解や交渉に応じない貸金業者もいる
貸金業者によっては任意整理に非協力的な業者も存在します。また、借入期間が短い場合や、滞納を繰り返している場合、和解や交渉に応じないというケースもあります。
・ブラックリストに載る
5年から10年程度、信用情報機関に任意整理を行ったことが記録されます。この期間中は新規の借入やクレジットカードの発行等ができません。

過払い金請求で過払い金が取り戻せる？

過払い金とは、クレジットカード会社や消費者金融などの貸金業者に払い過ぎている利息のことです。過払い金は返還請求をすることで取り戻せます。過払い金返還請求は完済した借金に対して行われるのが一般的ですが、任意整理を行う際にも借金を減額する手段の1つとして用いられます。

任意整理が向いている人は？

任意整理は下記のような方におすすめです。
・月々の返済額を減らしたい人
・借金額が比較的少なく、元本を3年から5年で完済できるだけの収入がある人（本人だけでなく家族に収入がある場合も含む）
・家族や会社に借金をしていることを知られたくない人
・保証人付の借金や車のローンなど除外したい債権がある人
・借金期間が長く、過払い金が発生する可能性が高い人

債務整理方法（2）民事再生（個人再生）

民事再生（個人再生）とは、借金をおおむね1/5程度まで減額し、減額した借金を3年から5年で分割返済する手続きです。裁判所に再生計画案を提出し、認可を受けることが必要で、手続きの利用には継続的な収入を得る見込みがある、借金の総額が5,000万円以下であるなどの条件があります。

民事再生（個人再生）のメリット

民事再生（個人再生）のメリットは下記の通りです。
・持ち家を守れる
民事再生には住宅資金特別条項という特則が設けられています。この制度を利用することで、持ち家を手放すことなく、住宅ローン以外の借金を減額できます。
・借金の理由を問わない
民事再生には自己破産のような免責不許可事由が設けられていません。そのため借金の理由を問わず手続きができます。
・資格制限を受けない
民事再生には自己破産のような資格や職業の制限がありません。継続的な収入見込みがあればどんな職業の方でも申し立てが可能です。

民事再生（個人再生）のデメリット

民事再生（個人再生）のデメリットは下記の通りです。
・ブラックリストに載る
5年から10年程度、信用情報機関に民事再生を行ったことが記録されます。この期間中は新規の借入やクレジットカードの発行などができません。
・安定した収入が必要
民事再生の利用には、返済計画を履行するための継続的な収入見込みがあることが必要です。
・必要書類が多く、費用も高額になる可能性が高い
個人再生は債務整理の中でも特に用意するべき書類が多いのが特徴です。そのため、弁護士に手続きを依頼する場合、費用が高くなる傾向があります。
・官報に住所氏名などが掲載される
国が発行する官報に民事再生を行ったことや住所氏名等が掲載されます。
・保証人に影響が出る
債務者が民事再生を行うと貸金業者などの債権者は、残額の返済を保証人へ一括請求します。そのため、保証人に相談なく民事再生を行うことはトラブルの元になるので注意が必要です。保証人がいる借金がある場合は手続き前に保証人の理解を得ることが大切です。

民事再生（個人再生）が向いている人は？

民事再生（個人再生）は下記のような方におすすめです。
・借金が高額で、任意整理では完済が難しい人
・持ち家を手放したくない人
・自己破産で資格制限を受ける職業についている人
・継続的な収入見込みがあり、再生計画案に沿った返済が可能な人

債務整理方法（3）自己破産

自己破産とは、裁判所に借金の返済ができない（支払不能である）と認めてもらうことで、税金や養育費などの例外を除く、全ての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。支払い不能とは、現在の資産や今後の収入見込みなどから判断して、債務の完済が不可能と考えられる状態を指します。そのため、債務額がそれほど多くない場合でも、完済の見込みが低ければ自己破産が認められるケースもあります。

自己破産のメリット

自己破産のメリットは下記の通りです。
・借金の返済義務がなくなる
裁判所に免責が許可されると、借金はゼロになります。借金がなくなることで、その後の生活の再建がしやすくなります。
・収入がなくても申し立てできる
自己破産の申し立ては誰でも行うことができます。民事再生などのような収入要件がないので、無職、生活保護受給者、主婦など収入がない方でも手続きが可能です。

自己破産のデメリット

自己破産のデメリットは下記の通りです。
・ブラックリストに載る
5年から10年程度、信用情報機関に自己破産を行ったことが記録されます。この期間中は新規の借り入れやクレジットカードの発行などができません。
・職業や資格の制限を受ける
弁護士や司法書士などの士業、警備業や保険業、貸金業などの職業は、自己破産の手続き中の就労や資格の公使が制限されます。
・一定額以上の財産は処分される
99万円を超える現金や、車やバイクなど価値が20万円を超える資産、住宅などの不動産や土地は処分の対象となります。ただし、家具や家電、衣類など生活必需品の差し押さえは禁止されているため、手元に残すことができます。
・官報に住所氏名などが掲載される
国が発行する官報に自己破産を行ったことや住所氏名等が掲載されます。
・免責不許可事由がある
借金の理由が、ギャンブルや浪費などの場合、免責が認められないことがあります。
・保証人に影響が出る
債務者が自己破産手続きを行うと貸金業者などの債権者は、借金の返済を保証人へ一括請求します。保証人に相談なく自己破産を行うことは大きなトラブルに繋がる可能性があるので、事前に保証人へ相談し、理解を得ておくことが重要です。

自己破産が向いている人は？

自己破産は下記のような方におすすめです。
・事業に失敗した、連帯保証人になってしまったなど自力では返しきれない借金を抱えている人
・収入がなく、借金の完済が難しいことが明らかな人
・借金の督促や取り立てのストレスから解放されたい人
・他の債務整理方法では借金問題を解決できない人

債務整理手続きは弁護士や司法書士への相談がおすすめ

債務整理は手続きが煩雑で、専門的な知識を要することも多いので、弁護士や司法書士などへ相談、依頼するのがおすすめです。弁護士や司法書士に依頼することで、複雑な手続きや貸金業者との交渉を一任できる、手続き開始後に債権者からの取り立てや督促が止まるなどのメリットがあります。また、借金の状況や借金額によって、どの手続きを取るべきか適切なアドバイスを得られるのも大きな魅力です。

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債務整理とはどんな手続きかを理解して、合法的に借金問題を解決しよう

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