【カワウ】害鳥被害の事例とは？おすすめの撃退法をご紹介

ウといえば、かがり火を照らしながら鵜匠が巧みに操る、長良川での優雅な鵜飼（うかい）の様子を連想する人も多いことでしょう。ウの一種であるカワウは不忍池など都市部の公園の池などでも見ることができ、近距離で観察できることもあります。このカワウは古代の遺跡や神話にも登場するように、古くから人間の生活と関係の深い鳥でした。ですが、近年ではカワウによる鳥害が深刻化しており、「迷惑な黒い鳥」として駆除に頭を悩ませる人が増加しています。そんなカワウによる被害とはどんなものなのでしょうか？また、有効な撃退法はあるのでしょうか。

カワウとは？

カツオドリ目ウ科の鳥。英語では「Great cormorant」漢字では「河鵜」や「川鵜」などと書かれます。名前の由来は、文字通り「河（川）」に生息する「鵜」。実際には、河川だけでなく湖沼や河口付近、浅い海域でも見ることができます。野生の鳥類は一般的に鳥獣保護法で守られたものが多い（指定動物を許可なく捕獲・殺処分すると法律によって処罰される）のですが、カワウは鳥害が深刻であるとして2007年に環境省から狩猟鳥に指定されたため、定められた期間や地域であれば許可がなくとも狩猟、捕獲が可能とはなっています。

カワウの特徴

カワウは世界の広い地域に生息していますが、日本では留鳥として存在し、本州、四国、九州で繁殖。大きさは体長約約80cm、翼長約30cm、体重約2kg。体色は全体的に黒色で、背中や翼にはやや褐色を含みます。また、指の間には水かきが発達しています。鴨類などと違って羽がオイルコーティングされていないため、潜水して羽が濡れると羽を大きく広げて乾かすようなポーズをとります。オオタカのような大型猛禽類を天敵とします。

環境により個体数が増減→増加

1960年以降に盛んになった河川の改修、内湾の干潟・浅海域の埋め立てやダイオキシン・PCB・DDTなどの化学物質による水質汚染などの影響を受け、1970年代には全国で3,000羽以下にまで激減してしまったと言われるカワウ。一時は絶滅が危惧されるほどでした。1990年代には有害化学物質の規制により水質が回復したことから、餌となる魚が増えてカワウの個体数も増加しました。現在では全国に15万羽以上生息しているといわれています。

カワウと人間との関係

カワウは日本の河川生態系にもともといた鳥。日本人とウ類との歴史は古く、古墳時代や弥生時代の遺跡から鵜飼（うかい）の文化を伝えるものが出土しているほか、ウ類は神話や伝説、万葉集などの詩歌や絵画にも登場しています。食肉や羽毛には利用価値がないものの、古くからその生態をうまく利用した鵜飼や採フンといった生活文化が育まれてきたように、カワウは人にとって身近な鳥。何らかの形で人々と共生し、大きな関わりを持ってきた動物だと言うことができます。ここでは、人間によるカワウの利用例について、詳しく見ていきましょう。

鵜飼（うかい）漁での利用

カワウは高い遊泳能力を持ち、狩りに特化した水鳥。古代の遺跡にも垣間見える鵜飼（うかい）漁とは、ウが大きい魚を飲み込めないように喉に紐を巻き、捕獲した魚のうちの一部を人間が頂くという漁法。飼い慣らしたウを利用したこの漁法は魚の鮮度を保てるというメリットがありますが、漁獲効率の面では優れているとは言えず、現代では漁での生計維持のために行われるのではなく、観光事業においてその伝統が継承されることとなっています。

農業でのフンの利用

カワウのフンは大量のリン酸を含むため、大変良質なリン肥料として農業に利用されてきました。これは江戸末期の天保年間にはじまり、主流となる肥料が化学肥料に取って代わられる高度経済成長期以前まで続きました。昔は木の下に藁を敷き詰め、フンを採取していたそう。有名な例では愛知県の知多半島の中心、美浜町にある日本最大級のカワウの繁殖地「鵜の山」。かつてカワウのフンが町に富をもたらしたことから、カワウは町のシンボルとなっています。

カワウはなぜ害鳥扱いされるのか？

先に見てきたように、古来より人間との深くかかわってきたカワウですが、現在では、大きな経済的被害をもたらす「害鳥」としての側面も大きいのが事実。農林業被害のためイノシシやシカが害獣として駆除の対象となるのと同様、カワウも人に深刻な被害を与える害鳥として対策が行われています。「迷惑な黒い鳥」といえば、皆さんは、まっさきにカラスを思い浮かべるかと思います。近年では、カラスと同等、もしくはカラス以上に大きな被害をもたらしているカワウもまた、「迷惑な黒い鳥」。では、具体的にどんなことが迷惑なのでしょうか？

フンによる被害

カワウは1日約200g/kg（体重）の糞尿を排泄します。尿酸は水に溶けにくく、葉の表面を覆って光合成や呼吸を妨げてしまいます。大規模な巣やコロニーなどの近辺では、カワウが葉に落としたフンにより光合成が妨げられて植物が枯死してしまうといった被害が多発。江戸時代頃にはすでにこのような事例があったとの記録がありますが、現代ではカワウの生息環境が減り、カワウが同じ場所に留まるため、被害がますます深刻化しているようです。

漁業被害

潜水力と遊泳力が高いカワウは、潜水して魚を捕らえ、放流されたアユなどを食べてしまいます。とにかくたくさんの魚を食べるのが特徴で、養殖された魚や漁業価値の高い魚なども捕食されてしまい、結果、不漁となるような被害も多発。特にコイやアユ、ヤマメなどを好みます。「1日に2～3万羽がやってきて空は真っ黒。放流したアユを食べ尽くし、壊滅させたこともある」という滋賀県河川漁業協同組合連合会会長によるレビューもあります。

現在行われているカワウ駆除の実例

「狩猟鳥獣」に指定されていることもあり、現状では主に銃器によって個体数を減らす試みが行われていますが、個体数を減らすことに直結しておらず、現在のところ、効果的な対策が確立されているとは言えません。捕獲による個体数管理が困難であるという理由の1つに、カワウが移動能力が高い鳥であるということが挙げられます。カワウは留鳥ですが、日本国内で移動を行っていると考えられています。つまり、ある一部の地域で一生懸命駆除したとしても、その後他の地域から流入してしまわれれば、その地域のカワウの個体数が変わらないという現象が起きてしまうのです。

カワウ駆除では広域での連携が必要

カワウは留鳥で渡り鳥のように国をまたぐような移動をしない鳥ですが、高い移動能力を持ち、1日で10～50kmほどの広い範囲を移動する事が可能です。そのため、各都府県ごとで漁業被害の対策を行うことが難しく、広域で連携した対策が必要となってきます。例えば内水面漁業の盛んな京都や滋賀を含む関西広域連合や関東カワウ広域協議会などは有名。このような団体では、カワウの個体数調査や効果的な対策の情報共有も図っています。

おすすめのカワウ撃退法とは？

猟銃のほか、テグス、かかし、ロケット花火、釣り針、ドライアイス、反射板、忌避テープなどさまざまなカワウ撃退のためのツールが導入されています。が、先にも触れたように、個体数を減らす結果には結びついておらず、現状では効果的な対策が確立されているとは言えません。かかしやロケット花火などのグッズについては、カワウがいったん驚いて逃げ去ってもそのうち慣れて戻ってきてしまうため、継続的な効果は期待できません。

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鳩駆除事例とグラックスの口コミ

賃貸マンションの防鳥工事｜京都市下京区 A様

マンションのベランダにハトが飛来し、糞害が深刻な状況となっているとのこと。
まずは清掃作業が行われます。作業者により、掃除機で落ちている固形の糞の吸いとりと高圧洗浄機を使用した糞汚れの除去がされます。最後に消毒作業を行い、糞に含まれる菌が除去されます。
そして防鳥ネットの設置をします。専門家がネット固定具を設置しそこに防鳥ネットを固定していきます。これにより ハトはもう侵入出来ません。

柔軟な対応で助かりました

バルコニー防鳥工事｜滋賀県近江八幡市 B様

近江八幡市のマンションの入居者様から防鳥工事の依頼です。サービスバルコニーへ鳩が侵入し、しつこく侵入してくるという状況。
エアコンの室外機の下に小枝が落ちていたりと 巣作りの初期段階 なので専門家に物理的に防ぐ防鳥工事を依頼。
外壁にボンドで固定用具を取り付けネットを張り 鳩が入れなくなったようです。

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工場のハト対策｜滋賀県栗東市 法人様

シャッターボックスの上にハトがとまり糞をするという事。
糞の清掃と防鳥ネットを設置し侵入対策を行います。
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まとめ

カワウの分布拡大と個体数の増加が、全国的に問題となっています。特に、アユやウナギなどの内水面漁業において被害例が多く、防除や駆除が各地で行われています。しかし、無計画な駆除を行ってもカワウによる被害がなくなるわけではありません。その場所のカワウの個体数を減らすことばかりとらわれて駆除にかたよった対策に終始することなく、多面的な対策（例：コロニーの誘導・繁殖抑制など）を効果的に投入することが必要だと言われています。

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