鳩に寄生する「トリサシダニ」知ってる？その被害と対処法を紹介

鳩は、平和の象徴とされており、実際に公園などで餌付けされ可愛がられるなど、市中の憩いの存在となっています。しかし、この鳩がひとたび人の生活空間の近くにねぐらを作って住み着いてしまうと、様々な被害をもたらす「害鳥」になってしまいます。鳩の被害の中でもよく知られているのはフンによる衛生被害ですが、それ以外にも様々な問題があります。そのひとつが、鳩の羽毛に寄生する「トリサシダニ」です。トリサシダニは、鳩に取りついて吸血を行いますが、人間にも取りつくことがあり、人間がトリサシダニに咬まれると強い痒みや痛みなど皮膚症状を引き起こします。今回は、鳩に寄生するトリサシダニについて、その被害と対処法について解説します。

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鳩に寄生する「トリサシダニ」とは

トリサシダニとは、文字通り鳥に寄生して生活する、ダニの仲間です。ダニにはハウスダストなどの原因になる「屋内ダニ」と、山林等に棲息する「屋外ダニ」がおり、トリサシダニは後者に含まれます。登山の際によく取り沙汰される「マダニ」も屋外ダニの一種です。ここではまず、トリサシダニがどういう生き物なのかをみていきましょう。

ダニとはどういう生き物か

そもそもダニとはどういう生き物なのでしょうか。ダニと聞くとどうしても「動物に取りついて吸血する生き物」という印象がありますが、多くのダニは人を刺咬することはありません。ダニには様々な種類がいますが、動物や人を刺さないダニはほこりやフケ、藁や草、食品のかけらなどを食べて生きています。また、人は刺さずに特定の動物のみに吸血するダニもいます。

トリサシダニは屋外ダニの一種

トリサシダニは、いわゆる「屋外ダニ」の一種です。屋外ダニは、文字通り人家の外に暮らすダニの総称で、水や藻類などを食べて生きているダニもいれば、野鳥など自然界に生きる動物に寄生して動物を吸血して生きるダニもいます。トリサシダニは後者で、野生の鳩に寄生し、基本的には鳩の血液を餌としていますが、人にとりつくと人の血も吸います。

トリサシダニは鳩の羽毛や鳩の巣に寄生する

トリサシダニは、主に鳩の羽毛に寄生するダニですが、家にいるネズミに寄生するイエダニと同属で近縁種です。鳩の羽毛に寄生し、皮膚を咬んで餌である鳩の血液を吸って生きていますが、吸血をしなくても2～3週間は生き続けることが可能です。鳩自体にも寄生していますが、鳩の巣にも多数のトリサシダニが寄生しています。

トリサシダニが人に及ぼす被害とは

鳩被害が厄介なのは、鳩自体に加えて鳩が残す巣やフンに多数の害虫や病原菌がいるということです。寄生虫であるトリサシダニもまた、鳩被害の生む厄介な存在であり、鳩が亡くなるなどして吸血対象がいなくなると、また別の宿主のもとに移動しますが、この時に人に取りついてしまうことがあります。ここでは、トリサシダニが人に及ぼす被害とはどういったものなのかを解説します。

トリサシダニに咬まれると激しい痒み・炎症を起こす

トリサシダニに咬まれると、激しい痒みや炎症を起こし、赤いブツブツが出来て赤く腫れあがるなどの皮膚症状が出ます。トリサシダニは、鳩が死んでもすぐに死ぬわけではありません。宿主である鳩が死ぬなどして吸血できなくなっても2～3週間は生き続けますので、人家近くの鳩の巣から這い出して人家に侵入し、人を吸血することがあるのです。

皮膚炎の発症やアレルギーの原因となることもある

トリサシダニは、イエダニと同じように皮膚炎の発症やアレルギーの原因となる点が非常に厄介です。咬まれた結果痒みが出たり、炎症が出たりするのはまだいいのですが、ダニの死骸やフンも人に悪影響を及ぼします。ダニの死骸やフンを吸い込むことで、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎やぜんそくなどの症状も出てしまうことがあるのです。

人への被害は春～初夏、残暑の時期に増える

トリサシダニによる人への被害は、5月～6月、そして9月に増える傾向があります。これは、トリサシダニの宿主である鳩が巣立ちを迎えるのが丁度この時期であり、鳩の巣に棲息してヒナを吸血していたトリサシダニが吸血源を探して移動するからであると考えられています。この際の吸血源として人が選ばれやすくなるのです。

トリサシダニ被害を防ぐための対処法

トリサシダニによる被害は直接命にかかわるものではありませんが、アレルギーによって長期的に症状に苦しめられる可能性もあり、重大な問題です。できれば、被害を受けないに越したことはありません。トリサシダニの被害は、基本的には鳩に近づかなければ起こりませんが、気づかぬうちに鳩が生活圏に近づいている可能性もあります。ここでは、トリサシダニの被害を防ぐための対処法を紹介します。

野生の鳩に近づいたり、触ったりしない

トリサシダニの被害を防ぐための鉄則として、野生の鳩に近づいたり、触ったりしないというのが挙げられます。「触らぬ神に祟りなし」というように、鳩の羽毛に寄生しているトリサシダニに取りつかれないためには、トリサシダニの宿主である野生の鳩にはなるべく近寄らない、ましてや触らない、を徹底するのが最善です。

鳩を生活空間に近寄らせない

トリサシダニの被害においてもう一つ重要になるのは、鳩を自宅など自身の生活空間に近寄らせないということです。鳩が自宅をねぐらにし巣作りをしてしまうと、鳩だけでなく鳩の巣にも多数のトリサシダニが寄生することになり、鳩が巣立ちを迎えたときに吸血源を探しているトリサシダニが人家に侵入する危険があります。

鳩の巣を撤去する時にはピレストロイド系の殺虫剤を噴霧する

鳩の巣はトリサシダニの温床となっています。トリサシダニはピレストロイド系の殺虫剤に弱いので、自宅に作られた鳩の巣を撤去する場合には、撤去する前に殺虫剤をしっかり噴霧して、トリサシダニを殺してから撤去しましょう。なお、換気口に気づかぬうちに巣が作られ、ダクトを介して屋内にトリサシダニが侵入した事例もありますので要注意です。

鳩を自宅などの生活空間に近寄らせないための対策

以上のように、「鳩に近づかない」がトリサシダニ被害予防の鉄則ですが、同時に「鳩を生活空間に近寄らせない」ことも予防策として非常に重要になります。宿主である鳩がそもそも来なければ、人家にトリサシダニが近づくこともないからです。ここでは、鳩を自宅など生活空間に近寄らせないための対策を解説します。

鳩のフンは定期的に掃除する

鳩は、ねぐらの候補地を見つけると、そこにフンをするようになります。これは鳩にとって安心できる環境であることの証明でもあり、マーキングの意味もあります。フンをされたら、鳩がその場所の所有権を主張し始めた証拠ですし、鳩は自分のフンの臭いにも執着します。フンをされたら早急に掃除をして撤去し、執着させないようにしましょう。

鳥よけグッズを設置する

鳩は、自身にとって安心できる環境に対して強い執着心を覚え、やがてそうした場所をねぐらとして使い、巣作りをします。巣作り後に産卵されてしまうと、鳥獣保護法の規定により勝手に撤去や駆除ができなくなってしまいます。そうなる前に鳩を寄せ付けない対策をしましょう。鳩が寄り付きはじめたら「吊り下げ物」や「鳩よけスパイク」を設置し、それでもだめなら「鳩除けネット」や「忌避剤」などを設置するのがおすすめです。

鳩に巣を作られ産卵されたら駆除業者に依頼する

もし鳩が自宅で巣作りをされ産卵をされてしまったら、非常に厄介なことになります。鳩の卵を撤去するには狩猟免許が必要ですので、資格を持たない一般の方であれば、鳩の卵の撤去はプロの駆除業者に依頼する他ありません。業者に駆除を依頼するとそれだけお金もかかりますし、契約や施工の準備などで手間もかかりますので、理想をいえば産卵をされる前に対策をしましょう。

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近江八幡市のマンションの入居者様から防鳥工事の依頼です。サービスバルコニーへ鳩が侵入し、しつこく侵入してくるという状況。
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外壁にボンドで固定用具を取り付けネットを張り 鳩が入れなくなったようです。

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工場のハト対策｜滋賀県栗東市 法人様

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まとめ

以上、鳩に寄生するダニ「トリサシダニ」の生態と、人へおよぼす被害の内容、トリサシダニ被害への対処法などを解説しました。トリサシダニは、そもそも宿主である鳩が近づかなければ出会わないダニです。しっかり気をつけていても鳩に巣を作られてしまうことはありますが、なるべく鳩が近づいてこないよう、鳥よけグッズ等で厳重に対策をしましょう。

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