新築で雨漏りする原因とは？瑕疵担保責任と保証のポイントも解説！

新築で雨漏りが発生する場所は、主に屋根、外壁・サッシ、ベランダです。それぞれの場所で雨漏りが発生する原因は異なります。新築住宅での雨漏りは瑕疵担保責任が認められ、雨漏りの修繕費だけでなく被害を受けた家財の費用も損害賠償請求ができます。自然災害など瑕疵担保責任が認められない雨漏りには、火災保険で雨漏りを修繕できる場合もあります。瑕疵担保責任による保証は、瑕疵を知ってから1年以内の期間でしか責任を追及できません。新築住宅で雨漏りした際は応急処置が重要であり、何も対策をせずに被害が広がった場合は賠償額が減額される可能性があります。

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新築で雨漏りが発生する場所と原因

新築住宅で雨漏りが発生しやすいのは、屋根、外壁・サッシ、ベランダです。短時間の豪雨により屋根に雨水が溜まったり、雨仕舞の欠陥がある場所に横向きの雨が打ち付けたりすることで雨漏りが発生します。特に、デザイン重視の陸屋根や軒がない新築住宅では、切り妻屋根や軒がある家よりも構造的に雨漏りが発生しやすくなっています。雨漏りが発生しやすい場所と原因を知っておくことで予防できる場合もあるので、理解しておきましょう。

屋根から雨漏りする場合

陸屋根と片流れ屋根は、新築住宅で雨漏れが発生しやすいタイプの屋根です。陸屋根は屋根面が地面とほぼ水平になっているので、他の屋根よりも雨水の滞在時間が長くなります。短時間で大量の雨が降ると処理能力の上限を超えてしまい、屋根面に雨水が溜まった状態になります。屋根面の防水層に少しでも隙間があれば、雨水が建物内に侵入して雨漏りが発生してしまいます。一方で片流れ屋根は急勾配で屋根自体は雨漏りがしにくい形状です。しかし、屋根全体の雨水が一方の雨樋に集中するため、雨水の排水処理が効率よくできません。雨水が雨樋に集中すると雨水の逆流を引き起こして、軒の雨漏りしやすい場所から雨漏りが発生します。

外壁・サッシから雨漏りする場合

外壁・サッシには部材の継ぎ目が多いため、新築住宅で雨漏りが発生しやすい場所です。部材の継ぎ目が多いと施工時の工程が複雑になり、施工ミスが起きやすいからです。施工ミスがある箇所に暴風時の横向きの雨が直接当たると、たちまち雨漏りが発生します。また、窓ごとに軒を設けていない新築住宅では、窓がむき出しになっており、雨漏りしやすい外壁と窓枠の境目に直接雨水が当たります。暴風時でなくても境目に雨水が当たるので、通常時の雨でさえ雨漏りが発生する可能性があります。

ベランダから雨漏りする場合

ベランダやバルコニーからの雨漏りは、排水口のつまりによって生じる可能性があります。枯れ葉などが詰まって排水口が塞がれると、ベランダに水が溜まります。モルタルや防水シートの施工ミスがあると、溜まった水が建物内に侵入して雨漏りが発生します。また、詰まった状態の排水口に大量の雨が流れ込むと、圧力により排水管の接合部から水漏れをして室内に雨水が流れ込むことがあります。また、手すり部分の雨仕舞の欠陥部から雨水が浸入して、建物内に雨漏りが生じることもあります。

新築住宅の雨漏り賠償の保証期間は10年

平成12年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づき、同年4月1日以降に契約された新築住宅は、雨漏りに対して10年の保証があります。建築時に何らかの瑕疵（欠陥や施工不良）があった場合は施工業者が責任を負うというもので、買主が補修費用を負担する必要はありません。よって、10年未満で雨漏りが発生した場合は施工不良が原因なので、施工業者には厳しく対応を求めなければなりません。

構造耐力と雨水侵入については瑕疵担保責任がある

新築住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の侵入には、10年間の瑕疵担保責任が義務付けられています。新築住宅でこれらに瑕疵があった場合は、修繕や契約の解除を求められます。しかし、雨漏りが少しずつ溜まっていくケースなど、日常生活では気づきにくいことがあります。壁や天井のカビやシミなど、少しでも気になることがあれば、早めに施工会社に問い合わせて早期に対応することが重要です。

雨漏りと雨水侵入の違い

雨水侵入と雨漏りは、違った意味で用いられることがあります。雨水侵入は屋内に雨水が浸入して構造体の腐食などが生じているけれど、室内には何も症状が現れないことを指します。一方で雨漏りは、室内に水滴が落ちてきたり壁や天井にカビやシミができたりする症状のことです。雨水侵入も雨漏りも通常は瑕疵担保責任の保証範囲で補修できますが、保証内容については施工工務店に確認しておきましょう。

火災保険で雨漏りを補修できる場合もある

台風や豪雨など自然災害が原因で屋根や壁が損傷したことによる雨漏りは、新築住宅であっても瑕疵担保責任の保証外です。この場合は通常なら有償の補修ですが、火災保険を利用して自己負担の補修費用を抑えられることもあります。保険の種類にもよりますが、損傷部分の修理費だけでなく内装や家財の被害も補償するものもあります。自己負担額が0円で雨漏りの補修や家財の買い替えをできるケースもあるので、加入している火災保険の内容を確認しておきましょう。

瑕疵担保責任による保証を活かすためのポイント

新築住宅で瑕疵担保責任による保証を活かすためには、保証の内容や条件について理解しておかなければなりません。新築住宅で雨漏りによって被害を受けた家財も損害賠償の対象になりますが、新品を購入するほどの金額は得られません。また、瑕疵を知ってから1年以上経過していると保証を受けられなくなったり、雨漏りの応急処置をしなかった場合は賠償額が減少したりすることもあります。瑕疵担保責任による保証を活用するためにも、適用条件や保証内容は確認しておかなければなりません。

雨漏りで被害を受けた家財の費用も損害賠償請求できる

新築住宅で雨漏りの被害を受けた家財の費用も、損害賠償請求ができます。ただし、家財を買い替える場合は、使用した年数などに応じて落下した分を差し引いた評価額になります。新品を購入するほどの金額は請求できないことは、理解しておく必要があります。また、損害賠償を申請するにあたって、雨漏りと家財の被害の因果関係を立証しなくてはなりません。雨漏りの被害を受けた際は、日時や天候、状況の変化などがわかるような記録を残しておきましょう。被害を受けてから時間が経っていたり家財を片付けてしまっていたりすると正確な状況の把握が難しいので、写真などで早めに記録を残しておかなければなりません。

瑕疵を知ってから1年以内しか責任を追及できない

瑕疵担保は、瑕疵を知ってから1年以内でしか責任を追及できません。雨漏りに気付いてから1年以上放置していると、瑕疵担保による保証は受けられません。雨漏りの中には、少しのシミができているだけで通常の生活に支障がないケースもあります。そのうち連絡すればいいと思っている間に1年が過ぎてしまうと、瑕疵担保による保証の対象外になります。軽微な現象でもすぐに業者に連絡することで、雨漏りによるトラブルや出費を抑えられます。

雨漏りが発生してからの応急処置が重要

新築住宅で雨漏りが発生した場合は、被害が広がらないように応急処置を行うことが重要です。応急処置ができるにもかかわらず雨漏りの被害が広がると、賠償額が減額される可能性があるからです。バケツで水滴を受けたり雑巾などで吸水したりすることで、最低限の応急処置はできます。また、被害が発生した場合はすぐに施工工務店に連絡し、状況の確認をしてもらいましょう。雨漏りは時間が経つと原因がわかりづらくなり、修繕が難しくなるからです。また、被害を受けた直後であれば、雨漏りと家財の因果関係がはっきりわかるので、家財の損害賠償についても有利になります。

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新築住宅で雨漏りした際は瑕疵担保責任が認められるか確認しよう

施工不良により新築住宅で雨漏りした際は、瑕疵担保責任による保証で修繕や契約の解除ができます。また、自然災害など雨漏りの原因が瑕疵によるものでない場合も、火災保険の保証が使える場合もあります。雨漏りが発生した場合は早急に原因を突き止めて、保証による修理が可能であるのかを確認しましょう。

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