金属サイディングとは?構造やメリットデメリットを解説

新築をしたりリフォームをしたりするときに考える外壁。近年は様々な素材のものがあり、デザイン性が豊富で機能性も高くなっています。その中でも注目を集めているのが金属サイディングです。金属サイディングは軽量だけれども断熱性や強度に優れており、急速に需要が高まっている素材です。この記事では、金属サイディングについてはもちろんのこと、そもそもサイディングとはなんであるのか、それぞれのサイディングの特徴は何であるのか、メリットやデメリットなどについて詳しく説明していきます。
新築住宅をお考えの方や、そろそろ外壁リフォームをお考えの方はぜひ参考にしてください。

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そもそも「サイディング」って何?

新築やリフォームなどで家を建てる時「サイディング」という言葉を耳にすることがあります。建築関係の仕事に就いている方やDIYが趣味という方には耳馴染のある言葉かもしれませんが、そうでないと良く分からない言葉でもあります。この項目では「サイディング」とは何であるのか、また、どんな種類があるのかをご説明していきます。

外壁には2つの施工方法がある

簡単に申しますと、サイディングは外壁材の一種です。それがどんな外壁材であるかの説明の前に、外壁の施工方法には2種類の方法があることをお伝えします。外壁の施工方法には大きく分けると「湿式工法」と「乾式工法」があります。「湿式工法」とは日本の伝統的な外壁工法であり、モルタル、コンクリート、漆喰、土壁、石膏などの素材を水と混ぜて練り、職人が刷毛やコテで下地材の上から塗っていく方法です。手作業であるため自由度が高く、材料や調合の度合いにより様々な仕上がりを楽しむことが出来ます。しかし、裏返せばこの工法には職人の技術が必要であり、手作業のため工期も長くなってしまうというデメリットがあります。
一方「乾式工法」は工場で生産されたパネルや合板などを張り付けていく方法です。今回のテーマである「サイディング」は乾式工法にて用いられる外壁材です。湿式工法と異なり、マニュアルに沿って施工することで一定の品質を保つことが出来、また、湿式工法のような乾燥期間が不要なので天候に左右されることなく、短い工期で仕上げることが出来ます。
以下に「湿式工法」と「乾式工法」のメリットやデメリットをまとめておきます。

  湿式工法 乾式工法
外壁の材質 モルタル
コンクリート
漆喰
土壁
石膏
サイディングなどのパネル材
メリット 手作業なので自由度が高い作業が可能
オリジナルの質感や色合いを出すことができる
強アルカリ性なのでカビやダニの繁殖が防げる
湿気を吸収し萌出する性質があるので結露を抑えることができる
職人の技術に依らず一定の品質が保てる
工期が短くて済み、湿式工法よりコストを抑えることができる
耐水性にすぐれている廃棄物が少ないので環境に易しい
デメリット 仕上がりは職人の技術によるところが大きい
「下塗り→中塗り→上塗り」という工程が必要であり、乾燥するために工期がかかる。
乾燥が必要なので天候に左右されやすい
手間やコストがかかる
モルタルなどの廃棄物が多く、環境に優しくない
仕上がりが画一的でオリジナリティに乏しい
つなぎ目が出来てしまい、雨漏りや劣化の原因になりやすい

サイディングの施工方法

サイディングは外壁材の一種で、乾式工法にて用いられます。最近の主流となっている外壁材であり、住宅全体の7割~8割で使用されているそうです。「サイディングボード」という板状の状態になっており、それを壁の広さに合わせてカットして壁に貼っていきます。1枚あたりの長さは約4m×40cmほどであり、かなり大きいことが分かります。特注で長尺の製品や6mや8mの製品を作ることも可能です。そしてそれぞれのつなぎ目をしっかりと埋めることでつなぎ目から生じる雨漏りや剥がれなどを防止します。基本の工程は壁にサイディングボードを張り付けていくだけなので、工期は短くて済みます。また、耐水性や耐天候性を考慮して工場にて製造されているので、湿式工法である塗り壁よりも経年劣化しにくいのです。

サイディングの種類

サイディングには4種類あります。「窯業系サイディング」「金属サイディング」「木質系サイディング」「樹脂サイディング」です。この中で主流となっているのは「窯業系サイディング」と「金属サイディング」です。

窯業系サイディング

窯業系サイディングの原料はセメントと木材繊維などが主となっています。製造過程で窒の中で高熱処理されることから「窯業系」と呼ばれています。安価・デザイン性が高い・耐震性や耐火性に優れているなどの特徴があり、新築戸建に使われることが多く、新築戸建での窯業系サイディングのシェア率は約8割となっています。そのため、一般的に「サイディング」というと窯業系サイディングを指すことが多いです。ただ、窯業系サイディングは重量があるため、運搬に手間がかかります。また、素焼きのセメント状態であるため、サイディングだけの状態では水分を吸収しやすく、塗装などによるコーティング作業が必要になります。

金属サイディング

金属サイディングは柄が施された金属板と断熱効果のある裏打材によって構成されています。軽量であり、主にリフォームで用いられていますが、最近では新築でも利用されるようになってきました。軽量なので住宅基礎への負担が少なく、壁材の脱落のリスクも少なくて済むのが特徴。また、窯業系サイディングと異なり、水分を吸収することもありません。しかし、金属が素材であるが故、酸性雨や紫外線の影響を受けやすく、表面の艶がなくなるなど美観を損ねやすいというのも事実。腐食も起こりかねませんので、金属サイディングでも塗装などによるコーティングをしておくとよいでしょう。金属サイディングで用いられている金属板は塗装ガルバリウム鋼板、塗装溶融亜鉛めっき鋼板、アルミニウム合金塗装板、塗装ステンレス鋼板が主流となっています。それぞれの金属の特徴については後に説明します。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは日本ではあまり馴染がないのですが、アメリカやカナダでは主流となっている外壁材です。樹脂系サイディングの特徴は、施工時にコーキング材を使わないこと。コーキングとは目地剤などで隙間を塞ぐ作業のことです。コーキング材を使わないことで窯業系サイディングと比べると外壁材のつなぎ目が目立ちにくくなります。また、樹脂系サイディングは耐久性と軽量性に優れています。外壁の厚さはわずか約1mmほどであり、軽さは窯業系サイディングの約10分の1です。とても軽いのでカバー工法によるリフォームにも最適な素材です。樹脂系サイディングの素材は耐衝撃性に優れている塩化ビニール樹脂です。さらに塩害や凍害に強い性質も持っています。このようにとても性能の良い樹脂系サイディングですが、日本では施工会社が少なく、他の外壁材に比べるとデザイン性も豊富ではないためあまり認知されていないのが現状です。

木質系サイディング

木質系サイディングとは無垢な木材から加工された外壁材であり、耐火性に強いという特徴があります。無垢な木材というのは使用する形状で丸太から切り出す自然本来の木材の事です。原料は木材なので、そのまま使用すると当然燃えやすい、風雨による劣化が起きやすい、虫食いの影響を受けやすいなど問題点が出てきますが、加工することでそれらの問題点はクリアされています。天然木を使用することで高い断熱性があり、室内の気温を一定に保つことができます。また、温もりのあるデザインも人気です。窯業系サイディングや金属系サイディングでも木目調のデザインのものはありますが、天然の無垢材には自然ならではの高級感、繊細さ、温かさがあります。デメリットとしては価格が高い、腐食に弱いのでメンテナンスが必要、取扱い業者が少ない、他の素材に比べて防火性で劣るという点が挙げられます。

外壁リフォーム

金属サイディングの需要はリフォームにおけるものが大きいのですが、そもそも外壁リフォームにはどのような方法があるかご存知でしょうか。外壁リフォームには「外壁塗装」「カバー工法」「張り替え」の3つの方法があります。まずはそれぞれのリフォーム方法の特徴をご説明します。

外壁塗装

外壁塗装は塗料を何層にも重ねて塗布するリフォーム方法です。外壁の色を変えたり、見た目を美しくしたりすることが出来、さらに耐熱機能や防水機能を向上させることもできます。ただ、外壁塗装には10工程ほどあり、職人の技術力が必要なので外壁塗装を依頼する時は専門業者に頼む方がよいでしょう。また、外壁塗装は塗料の種類や環境によっても変わりますが、約10年を目安に劣化が始まることが多いので、約10年ごとのメンテナンスが推奨されています。
外壁塗装のメリットは他のリフォーム方法であるカバー工法や張り替えに比べ、工期が短く費用が抑えられるという点です。しかし外壁の劣化が進んだ場合は塗装だけでは対応できないこともあるので、そうならないためにも定期的なメンテナンスが必要となってきます。
以下に外壁塗装で用いられる主な塗料についてまとめておきます。

塗料の種類 耐用年数 費用
ウレタン 8~10年 1,500~2,000円/㎡
シリコン 10~12年 1,800~2,500円/㎡
ラジカル 12~15年 2,000~3,000円/㎡
フッ素 15~20年 4,000~5,000円/㎡

カバー工法

カバー工法とは、もともとの外壁材の上から外壁材をさらに被せる方法です。近年注目されているリフォーム方法でもあり、カバー工法における金属サイディングの需要は大変高いものとなっています。カバー工法で利用される外壁材は窯業系サイディング、金属サイディング、樹脂系サイディングが主流となっています。劣化やひび割れなど外壁塗装では対処できない場合、カバー工法や次項で説明する張り替えが効果的です。
窯業系サイディングはセメントと木材繊維を混ぜ、板状に加工したものです。日本のほとんどの新築住宅が窯業系サイディングを用いています。それは加工がしやすい、デザイン性が高いなどの特徴を持つためです。また、金属サイディングや樹脂サイディングに比べて費用を抑えることが出来るのも人気の理由です。ただ、窯業系サイディングは重量があるので、カバー工法で用いると建物に負担をかけやすいというデメリットもあります。
金属サイディングは金属を材料とした外壁材であり、軽量、高い耐久性、ひび割れが起きにくいという特徴からカバー工法における主流となっています。
樹脂サイディングはプラスチックを利用した外壁材であり、先にも述べたようにアメリカやカナダでの需要が大きく、日本ではあまり馴染のない外壁材です。軽量性と耐久性に優れており、耐久期間は約20年ほどといわれています。そのため他の外壁材と比べてメンテナンスの回数が少なくなりますが、その分価格も高く設定されています。また、まだ日本では取り扱う会社が少ないため、色やデザインの選択肢があまりないというデメリットもあります。
カバー工法は外壁をはがしたり、処分したりする必要がないので張り替えより工事期間が短くてすむというメリットがあります。また、外壁材を重ねることで高い耐熱性や遮音性が得られます。しかし、もともとの外壁と新しく張った外壁との間にできる空間と、外壁に温度差があることで内部で結露が起こる可能性があります。さらに外壁材を重ねることで建物が重くなり、地震の際に揺れやすくなるというデメリットもあります。

張り替え

張り替えとは、もともとの外壁材をはがし、新しく外壁材を張る方法です。外壁の劣化が進み外壁塗装やカバー工法が適応できない時におすすめです。サイディングからサイディングに張り替え、モルタルからサイディングに張り替えなど自由に決めることができます。モルタルはコンクリートと砂を配合した外壁材であり、職人が直接壁に塗っていくもの。板状になっているサイディングとは異なり、壁につなぎ目が出来ないのがメリットです。以前はモルタルの外壁が主流でした。しかし、サイディングより工期が必要でありコストもかかる、職人の技術力によるものが大きい、デザイン性などから最近ではサイディングの外壁が主流となっている傾向があります。
張り替えのメリットは塗装やカバー工法では修復できないような劣化に対応できることです。新たに外壁を作るため、耐久性も高くなります。また、カバー工法は外壁を重ねている為、重量があるのに対し、張り替えは重量は変わらないままです。その為、地震などの影響を受けにくくなります。
デメリットは費用が高額になること。もともとの外壁を取外し、処分する必要があるからです。普段からメンテナンスを定期的に行っておくことで、張り替えが必要なまでの劣化を防ぐことが出来ます。

リフォームの費用

外壁のリフォームにかかる相場は30坪の戸建て住宅で比較した場合、外壁塗装は80万円~140万円、カバー工法は140万円~200万円、張り替えは180万円~280万円が相場となっています。張り替え、カバー工法、外壁塗装の順に価格が高いことが分かります。また、一般的には外壁リフォームをする際は足場を組む必要があります。その為、屋根のリフォームも一緒に行うケースも多く見られます。
リフォームの内訳は仮設工事費、養生費、外壁塗装の場合は塗装費、カバー工法や張り替えの場合はサイディング施工費、シーリング工事費、諸経費となっています。これらの内訳について続けて詳しく説明していきます。

仮設工事費

リフォームではまず建物全周に足場を組みます。これが仮設工事費に値する工程です。労働安全衛生規則によると2m以上の高所での作業の際は安全対策が義務付けられていること、また、キレイな仕上がりにするため職人が安全に落ち着いて作業する場所が必要であることから足場が必要になります。足場には近隣への飛散防止、材料や工具の落下防止のためにメッシュシートが覆われています。仮設工事費の相場は1㎡あたり850円~1,400円ほどとなっています。

養生費

養生とは、外壁塗装において、塗装できない材質の部位をビニール袋などで覆い、塗料が付かないようにする工程です。主にアルミサッシや玄関ドアなどに施されます。カバー工法や張り替えの際も必要に応じて養生を行うこともあります。養生費の相場は約4万円~8万円となっています。

塗装費

塗装費とは外壁塗装の際の塗料の費用のことです。先にも述べたように塗料の種類によって費用は変わります。また、雨樋、玄関ドア枠、シャッターボックスなどの建物に付帯している部分を塗装する場合、付帯部塗装費もかかります。これは総費用の約10%~20%が相場となっています。

サイディング施工費

カバー工法や張り替えの場合、サイディング費が必要です。カバー工法の場合、1㎡あたり約9,000円~13,500円ほど、張り替えの場合、1㎡あたり約11,000円~15,240円が相場となっています。張り替えの方が相場が高くなっているのは、既存の外壁の撤去と処分が必要なためです。

シーリング工事費

シーリングとは外壁ボードのつなぎ目や外壁とサッシのすき間などに防水性や気密性を高めるためにペースト状の材料を充填することです。似たような工程にコーキングがありますが、呼び方が異なるだけで同じ工程とされていることがほとんどです。外壁リフォームの際のシーリング費用相場は1mあたり約700円~1,200円となっています。

諸経費

工場現場運営のための現場管理費や施工会社運営のための一般管理費を主に諸経費として計上されます。費用相場は総費用の約10%程度であることが多いです。具体的には、現場管理費とは現場監督やガードマンなどにかかる人件費、足場組み立ての際に道路使用許可を警察署に届けるための費用などを指します。一般管理費とは施工会社の従業員の給与、事務所の家賃、広告宣伝費などに充当されます。

リフォーム費用に関する注意点

外壁リフォーム費用は高額なのでできるだけ抑えたいと考えるのが普通です。しかし、目先の節約をしたところで、将来さらに費用がかかるなんてことも起こりかねません。リフォームをする際は「ライフサイクルコスト」を考える必要があります。ライフサイクルコストとは、生涯に必要な総費用のこと。
例えば、費用を抑えるために耐用性の低い塗料を選んだとしましょう。その結果、当然のことながらリフォーム周期が短くなるのでリフォームの回数は増えてしまいます。また、外壁リフォームと屋根リフォームを別々に行うケースも考えてみましょう。それぞれ足場を組む必要があるので、まとめてリフォームをするよりも余計なコストがかかってしまいます。全体をリフォームせず、劣化状況に合わせて部分的にリフォームを進めていく場合も、当面の費用は低く押さえられますが、リフォームの度に足場などの諸費用が必要となるのでライフサイクルコストの面では費用がかかることになります。
目先のコストを抑えることだけを考えるのではなく、ライフサイクルコストという視点で考えることが大切です。

金属サイディング

これまで外壁材やリフォーム、その費用について説明しました。ここからはこの記事のテーマでもある金属サイディングについて詳しくご説明していきます。金属サイディングは近年シェア率をぐんぐん伸ばしている注目のサイディングであり、以前はリフォームで使用されるのが主流だったのすが、最近では新築住宅にも需要が増えつつあります。金属サイディングの種類やメリット、デメリットなど知りたい情報をまとめましたので参考にしてください。

金属サイディングの構造

金属サイディングは表面材となる金属板、芯材となる断熱材、アルミラミネート加工紙などの裏面材の3層1体構造となっています。表面材となる金属板には主に4種類の塗装金属板が使用されます。以下にそれらの特徴をまとめておきます。

金属板の種類 特徴 耐久性 メリット デメリット
塗装ガルバリウム鋼板 JIS規格における正式名称は「55%アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板」
「ガルバリウム」という合金でメッキされた鉄のこと
メッキとは金属の膜のことであり、鉄をはじめとする金属にメッキの膜をかぶせることで、メッキが金属の腐食を守る
厚みは0.35~0.8mmほど。
25年から35年ほど
錆を原因とする穴あきが起こりやすい
穴あきが起こらなければ耐久性は40年以上になることも期待できる
長く使うためには錆のメンテナンスが大切
耐久性が高く、錆に強い
デザイン性が高い
外壁材のひび割れを起こしにくい
厚さは1mmにも満たないため、断熱性と遮音性に劣るが、最近は断熱材を貼りつけた「断熱材一体型」の製品が主流となっている
衝撃に弱くへこみやすい
塗装溶融亜鉛めっき鋼板 鋼板を亜鉛でメッキ仕上げしたもの
「ドブづけメッキ」や「てんぷらメッキ」とも呼ばれる
鋼板を高温で溶解した亜鉛メッキ槽に浸すことでコーディングしてある
鉄よりも錆びやすい亜鉛を表面にコーティングし、鉄が錆びないようにする犠牲防食作用を利用したものである
亜鉛メッキがはがれると鉄は錆び始め、その期間はだいたい15年ほど 防錆性と耐食性に優れている
また、その効果は比較的長期間持続する
ガルバリウム鋼板に比べると耐久性に劣る。
アルミニウム合金塗装板 アルミ鋼板に塗装がされた外壁材であり、ガルバリウム銅板の普及までは金属系サイディングでの主流であった
ガルバリウム鋼板はスチール鋼板にアルミ亜鉛がメッキされているのに対し、アルミニウム合金塗装板は外壁材本体である鋼板自体にアルミニウムが使用されている
高い メンテナンス性に優れている ガルバリウム鋼板よりも施工費用が高い
塗装ステンレス鋼板 1980年代には鏡のようなピカピカの外壁が主流だったが、ステンレス外壁への太陽光線の反射が「反射公害」と言われるようになり、最近ではマットな表面のものが増えている
グレードがあるので使用する場所や環境によって最適なステンレス鋼板を考える必要がある
50年ほど 塗装のコストが安い
錆びにくい
加工しやすい
屋外で使用される場合には汚れや水分、塩分の付着やもらい錆により錆びることがある

上記以外にもガルバリウム鋼板を改良させた「エスジーエル鋼板」も最近人気です。これはガルバリウム鋼板にマグネシウムを加えたもので、耐久性に優れ、錆びにくいという特徴があります。日鉄鋼板株式会社が行った耐食実験では、エスジーエル鋼板の耐食性はガルバリウム鋼板の3倍超という結果が得られました。また、沿岸部における塩害の影響も受けにくくなっています。
時代の流れとともに、素材も改良されていき、より良い外壁素材が普及するようになっています。

金属サイディングのメリット

使用されている金属によって多少の違いはありますが、ここでは金属サイディング全体におけるメリットをご紹介します。

断熱性が高い

金属サイディングは表面にはメッキ塗装が施されており、芯材には断熱材が使用されているので、窯業系サイディングよりも5~6倍、モルタル外壁よりも50倍の断熱性の高さを持ちます。外の気温の影響を受けにくいので家の中を1年を通して快適に保つことが出来、省エネ対策にもなり、地球に優しい外壁材とも言われています。

強度が高い

金属サイディングはひび割れしにくい素材です。そのため強度が高く、補修の必要も少なくて済み、コストパフォーマンスが高いといえる素材です。

軽量である

金属サイディングの重さは窯業系サイディングの約4分の1、モルタル外壁の約10分の1と非常に軽量です。そのため工期が短くて済み、費用を安く押さえることに繋がっています。

耐震性が高い

先にも述べたように金属サイディングは軽量です。そのため、建物の基礎や柱、壁などの構造に負担がかかりにくくなっています。また、地震などによる影響も受けにくいので建物倒壊のリスクも軽減させることに繋がります。

防音性が高い

金属サイディングは最近ではリフォームでよく用いられています。金属サイディングは軽量なので、古い外壁の上から金属サイディングを貼る「カバー工法」がよく用いられます。すると、外壁が二重構造となるのでより高い防音性を保つことができるようになります。

防水性が高い・凍害に強い

窯業系サイディングが水分を含みやすいのに対し、金属サイディングは表面が金属板となっているので、防水性が非常に高いです。水分を外壁材内部に含むことはほとんどないので、例えば氷点下を下回る地域でも凍害を受けにくいと言われています。

金属サイディングのデメリット

続けて金属サイディングのデメリットをご紹介します。

錆が発生しやすい

金属サイディングの素材は金属なので錆が発生しやすいことが挙げられます。錆防止のために上から塗装を施している場合でも、その塗装がはがれることで錆が発生しやすくなります。さらに、雨の多い地域ではその特徴は現れやすいといえるでしょう。

傷が付きやすい

金属サイディングのデメリットとして傷が付きやすいことが挙げられます。例えば強風などにより、飛び石で傷がつくことも。その傷から表面の塗膜がはがれ、金属部分が露出すると錆の原因にもなり得ます。また、硬いブラシでこするなども傷の原因となり得ますので注意が必要です。

デザインの自由度が低い

窯業系サイディングは職人の腕により自由にデザインすることが出来ますが、金属サイディングは工場で量産されているものが多いため、デザインの自由度は低くなってしまいます。しかし最近では金属サイディングの人気に伴い、そのラインナップも豊富になってきましたのでお気に入りのデザインが見つかるかもしれません。

横張りと縦張りの違い?

サイディングには「横張り」と「縦張り」という張り方の違いが見られます。一般的に「横張り」は窯業系サイディングに多く、「縦張り」は金属サイディングに多く見られます。一般的に金属サイディングは幅40cm×長さ4mの大きさです。「横張りサイディング」はこれらのボードを横方向に張ったもの、「縦張りサイディング」はこれらのボードを縦方向に張ったものを指します。一方、横にも縦にも張れる兼用商品もあります。横張りか縦張りかによって当然のことながらデザインに違いが出ます。しかしそれ以外にも工事価格や外壁性能、メンテナンス方法も大きく変わってきます。

胴縁の違い

胴縁とはサイディングの裏に敷く下地材のことですが、横張りサイディングの場合は胴縁は縦に、縦張りサイディングの場合は胴縁は横に敷くことになります。つまりサイディングと胴縁の方向は逆方向となっています。一般住宅に用いられる胴縁は幅45cm、厚み1.8cmの木製胴縁が多いです。胴縁の役割にはサイディングの固定に加え、通気性の形成というものがあります。縦方向に取り付ける胴縁は「縦胴縁」、横方向に取り付ける胴縁は「横胴縁」と呼ばれます。
そして基本的には縦胴縁の方が不具合が起こりにくく、横胴縁よりも優れていると考えられています。

横張りサイディングの特徴

横張りサイディングの場合は縦胴縁となります。縦胴縁の優れている点は通気性です。空気はその温まり方によって上昇したり下降したりします。また、雨水が入り込んだ場合は上から下へと流れていきます。そのため、縦胴縁の方が空気や水の移動がスムーズに行われるので通気性が良くなるのです。
建築界では縦胴縁の方が優れていると考えられているため、当然のことながら横張りサイディングがポピュラーとなり、その結果デザインの種類も豊富となります。また、横張りサイディングは一人での施工が可能なので人件費を抑えることができ、工事価格が縦張りサイディングよりも安くなります。
デメリットとしては、縦張りサイディングよりも継ぎ目が多くなるので、継ぎ目のメンテナンスなどに費用がかかることです。

縦張りサイディングの特徴

縦張りサイディングの場合は横胴縁となります。上記でも述べたように空気や水は縦方向に移動するため、縦胴縁に比べて通気性が悪くなります。では横胴縁がだめなのかというともちろんそんなことはありません。最近では胴縁に溝が設けられている「通気溝胴縁」が登場し、通気が取れるよう工夫されています。また、横胴縁の長さを短くすることで通気の通り道を増やす対策も行われています。
しかし、現在の主流は横張りサイディングであるため、縦張りサイディングはシンプルなデザインが多くなっています。しかし継ぎ目が少なくなるというメリットもあり、メンテナンスの機会の低減へとつながります。

金属サイディング業者の選び方

最後に、金属サイディング業者の選び方を考えてみましょう。金属サイディング業者は板金工事会社となります。板金工事会社では金属サイディングや金属屋根などの工事を行っています。施工を行うのは「板金工」と呼ばれる職人さんたちです。以前は板金工は屋根も外壁も施工することが主流でしたが、近年は金属屋根や金属サイディングの需要が高まったため、「屋根専門」や「外壁専門」を謳う板金工も増えています。

板金工事業とは

建設業の許可で認められている専門工事業は全部で29種類あり、板金工事業もその一つです。建設工事を行う場合は建設業許可を必ず取得しなくてはいけないことが法律で定められています。そのため、板金業者を選ぶ時は、板金工事の建設業許可を取得しているかどうかを必ずチェックしましょう。また、大手ハウスメーカーや工務店に外壁施工を依頼した場合、板金工事は外注することが一般的です。大手ハウスメーカーや工務店が外注する板金工事会社は許可証の取得済みと考えて良いでしょう。

金属サイディング専門の職人を選ぶ

実は金属サイディングと窯業系サイディングは施工方法や道具などが異なります。その為、職人さんも異なります。両方とも施工可能という職人さんもいますが、金属サイディング専門の職人さんに依頼した方が安心といえるでしょう。

まとめ

この記事では金属サイディングについて詳しくご説明しました。金属サイディングは断熱性や強度、防音性が高く、また、軽量なため耐震性にも強い素材で最近注目を集めています。金属サイディングをはじめとして、それぞれのサイディングは特徴が異なります。住んでいる環境、予算、好みなどによって一人一人おすすめのサイディングは異なることでしょう。それぞれの特徴を理解した上で、外壁工事に取り掛かるようにしましょう。

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