金属サイディングの横張りと縦張りの違いは?どっちがおすすめ?ポイントごとに徹底比較

建物の外壁として使う、板状の外壁材のことをサイディングと言いますが、その中でも、ガルバリウム鋼板やアルミサイディングのことを総称して、金属サイディングと呼びます。軽量で断熱効果が高いため、外壁リフォームの素材としてメリットが多い外壁材です。金属サイディングには、縦張りと横張りとで違いがあり、メリットとデメリットも異なります。それぞれどんな特徴があり、金属サイディングを採用する場合には、縦張りと横張りのどちらがおすすめなのでしょうか。今回は、それぞれの特徴に加え、ポイントごとに縦張りと横張りを比較して解説していきます。

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金属サイディングの縦張りと横張りの違い

金属サイディングは外壁材の一種です。金属板と断熱効果をもたらす裏打材から成り立っています。金属板と断熱材が合わさった構造により、金属サイディングは軽量でありながら、断熱性に優れているため、高い省エネ効果が期待できます。また、ほかの外壁材でよく見られるひび割れや凍害の心配が少ないため、寒冷地にも適しており、耐久性に優れています。このようにメリットの多い金属サイディング。「縦張り」と「横張り」の違いを見ていきましょう。

張る方向が違う

金属サイディングの「縦張り」と「横張り」。まず、張り方に違いがあります。金属サイディングは、通常、幅40cm・長さ3m~4mの大きさ(メーカーによる違いがあります)ですが、文字通り、この金属サイディングを縦に張るか、横に張るかの違いです。縦に張るのが「縦張り」、横に張るのが「横張り」と言います。金属サイディングの張る方向が違うので、方向によって見た目にも違いが出てきます。

胴縁(どうぶち)の方向が違う

金属サイディングそのものの方向が違うほかに、下地にも違いがあります。金属サイディングを取り付ける細長い下地を胴縁(どうぶち)と呼びますが、縦張りにするか横張りにするかによって、胴縁を設置する方向が変わってくるのです。
金属サイディングが縦の場合、「横胴縁」、金属サイディングが横の場合は「縦胴縁」を設置することになっています。つまり、金属サイディングの垂直方向に胴縁を設置する、ということです。
外壁や住宅を長持ちさせるためには、通気構法を用いて熱や湿気を外に逃がしていくことが大切になりますが、胴縁によって外壁材の内側の通気を確保しています。縦胴縁の場合、下から上へと流れる空気の通り道に障害物がないため、通気がスムーズになることがイメージできるでしょう。また、万一水が侵入してしまっても、上から下へと流れ落ちていきます。一方、横胴縁の場合は、空気の流れが妨げられてしまいます。外壁の下地工事のルールとして、胴縁の間に3cmのすきまを設けることになっていますが、横胴縁では、通気路の確保が十分とは言い難いのです。

金属サイディングの縦張りの特徴

縦張りは、幅40cm・長さ3~4mの金属サイディングを縦方向に張ります。下地材は、横方向になる横胴縁です。金属サイディングの縦張りは、横張りと比較して、メリットになる部分とデメリットになる部分がそれぞれあります。詳しく見ていきましょう。

メリット

・ デザインがシンプルかつスタイリッシュ
金属サイディングを縦張りにすると、ストライプのようなラインデザインになるので、横張りに比べて、シンプルかつスタイリッシュな外観になります。金属の質感と相まって、クールな美しさが魅力です。
さらに、一般的には横張りより継ぎ目(目地)が少なくなります。金属サイディングの方向と垂直になる継ぎ目にはキャップをはめますが、目立って気になる人もいることでしょう。継ぎ目が少ないということは、その分見た目がすっきりするということ。また、2階建て外壁の場合、長尺対応の製品を使うことによって、継ぎ目をなくすことも可能です。一体感のあるスマートな外観がかなうでしょう。

・ 外壁表面の防水
金属サイディングの縦張りは、横張りに比べて防水面で有利とされています。水はけが良いのが特長で、金属サイディング同士の長辺のつなぎ目には水がたまりにくくなります。構造上、雨に関して強いと言えるでしょう。

・ メンテナンス箇所が少ない
メンテナンスの対象となる継ぎ目(目地)部分は、シーリング材を充てんし、その上からキャップをかぶせて施工しています。縦張りでは継ぎ目が少ない分、シーリング量やキャップ量も少なくなるということです。そのため、横張りに比べてメンテナンス箇所が少なくなると言えるでしょう。

デメリット

・ デザインが少ない
金属サイディングのデザインは、縦張り用、横張り用、縦張り・横張り兼用があります。縦張りの金属サイディングは、横張りの金属サイディングに比べてデザインが少ないと言われています。
実際に、主要メーカーの取り扱い製品で確認してみると、アイジー工業株式会社の「アイジーサイディング」では、縦張り・横張り両対応の商品が多い中、石やタイル、木目などの自然素材を模したデザインに関しては、横張り専用製品が多くなっていました。同じく金属サイディングの主要メーカーの1つであるニチハ株式会社の「センターサイディング」では、ほとんどすべての製品が縦張り・横張り両方に対応しており、ベーシックタイプにおいて、それぞれ1種類ずつ縦張り専用、横張り専用の製品となっています(2023年10月調査時点)。
メーカーによって対応製品のデザイン数が異なるものの、縦張りでは金属特有の質感を売りにしているものが多く、自然素材の質感を表現したデザインのものは少ないようです。

・ 通気が悪い
金属サイディングの施工には通気構法が採用されており、外壁材と建物の間の湿気を外部へ逃がすことで、建物の長期耐久性や快適性を向上させることができます。外壁材の内側の通気が重要となってきますが、外壁材と建物の間の通気が、横張りに比べて不利になることがデメリットです。
縦張りは横胴縁であるため、下から上へ流れる空気の道をふさぎ、通気が悪くなってしまいます。空気が流れにくいことによって、湿気がこもり、結露したり胴縁が腐ってしまったりすることがあるでしょう。また、万一雨水が浸入した場合、胴縁の上にたまってしまうため、胴縁自体が傷んだり建物に影響が出たりする可能性もあります。
このように、金属サイディングの縦張りでは、通気の面で大きなデメリットを抱えています。ただし通気を改善する方法もあり、記事後半で紹介していきますので、併せて参考にしてください。

金属サイディングの横張りの特徴

横張りは、幅40cm・長さ3~4mの金属サイディングを横方向に張ります。下地材は、縦方向になる縦胴縁です。金属サイディングを横張りにするメリットとデメリットは、どんなところでしょうか。縦張りと比較した時のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。

メリット

・デザインのバリエーションが豊富
金属サイディングの横張りでは、デザインのバリエーションが豊富なため、好みにあったデザインを見つけやすいのが特長です。金属サイディングというと、金属特有の質感を生かしたデザインが魅力の1つでありますが、窯業サイディングのような温かみのある外観に仕上げたい人もいるでしょう。金属サイディングを外壁として選ぶ理由は、デザインだけではなく、ほかの外壁材と比較した時の性能面や、外壁カバー工法を用いる上で選択している人もいるからです。そのような人にとっては、金属サイディングであっても、石や木目調のデザインが豊富であることはメリットの1つと言えます。
デザインはメーカーによってさまざまですが、金属サイディングのトップシェアである「アイジーサイディング」では、ナチュラルな雰囲気の自然素材デザインは、横張りのほうが圧倒的に多くなっています。ナチュラルシリーズでは、縦張り横張り両方対応の製品もありますが、横張り専用のデザイン数の多さが特長です。

・通気が良い
下地材となる細長い胴縁を縦に設置するため、外壁材と建物の間の空気がスムーズに流れる構造になっています。金属サイディングの施工に採用される通気構法は、建物の耐久性や快適性を高める方法になりますが、通気構法に用いられる胴縁が、通気の妨げにならないよう取り付けることがポイントです。縦胴縁を用いる金属サイディング横張りの施工では、十分な通気が確保されるため、湿気がたまったり結露したりする心配が少ないでしょう。

・工事費用が安い
金属サイディングの横張りは、縦張りに比べて工事費用が安い場合があります。横張りは、手間が少ないぶん人件費もかかりません。価格の変わらない施工業者もありますが、一般的には、横張りのほうが安く済むと考えて良いでしょう。また、横張りがメジャーなため、施工になれた職人が多いことも理由の1つです。

デメリット

・継ぎ目が多い
金属サイディングの接合部となる継ぎ目(目地)が、横張りの場合は縦に入ります。金属サイディングの長さの3m~4m置きに継ぎ目が入るため、縦張りに比べて継ぎ目が多くなります。家の外観の大部分を占める外壁は建物のイメージに直結するため、外観重視の人はよく検討することをおすすめ。 また、継ぎ目が多いことによって、メンテナンス箇所も多くなるというデメリットも挙げられます。継ぎ目にはシーリング材を充てんし、上からキャップをかぶせていますが、継ぎ目が原因で不具合が起きたり、シーリング材の打ち変えが必要になったりした場合は、継ぎ目が多い分メンテナンスコストがかかると言えるでしょう。

・つなぎ目に水が入りやすい
金属サイディングの長辺が合わさった部分がつなぎ目になりますが(継ぎ目とは別)、つなぎ目が横方向になるため、水はけが悪くなってしまいます。水がたまりやすく傷みやすいので、注意が必要です。

どっちがおすすめ?縦張り・横張りをポイントごとに比較

金属サイディングの縦張りと横張りでは、それぞれメリットとデメリットがありますが、どちらがおすすめなのでしょうか。ここでは、ポイントごとに縦張りと横張りを比較していきます。何を重視するかで、縦張りと横張りの選び方が変わってきますので、ぜひポイントごとに比較して、後悔のない住まいづくりの参考にしてください。

ポイント1:デザイン

住宅の外観は、家の雰囲気を決める要素です。外観の大部分を占めるのは外壁なので、家の外観デザインを重視したい人は参考にしてください。 まず、デザインの種類が多いのは、横張りです。中でも、自然素材の質感を表現した温かみのあるデザインは、横張りのほうが多いです。縦張りでも製品はありますが、より選択肢が多いのは横張りになります。メーカーによる取り扱いが違いますが、自分の希望するデザインが縦張りなのか、横張りなのか、あるいは両方に対応するのか、確認するのも大切です。
クールでスタイリッシュな雰囲気が好みの人は、縦張りが良いでしょう。なぜなら、継ぎ目も少なく、さらに、長尺対応製品なら継ぎ目ゼロにすることも可能だからです。ただし、シンプルで無機質ゆえに、工場のような外観にもなりかねないので、外壁以外のデザインを工夫すると良いでしょう。

ポイント2:通気性

縦張りと横張りのそれぞれの特徴でも詳しく紹介したように、縦張りと横張りでは、下地材の胴縁の取り付け方が違うため、通気性にも差が出ます。建物と金属サイディングの間の通気が悪いと、金属サイディングを取り付けている胴縁や建物自体に影響が出る恐れがあります。住環境を重視した住宅では横張りで、通気の必要性が住宅ほどでもない美術館やスポーツ施設では、意匠性のために縦張りが選ばれることがあります。
縦胴縁を使う横張りのほうが建物や胴縁に負荷がかかりにくいと言えますが、横胴縁でも通気性を確保する方法があるので、「金属サイディングはぜひ縦張りにしたいが、通気の問題が気になる」という人は次章を参考にしてみてください。また、通気の問題は、自己判断だけでなく施工業者にも確認することが大切です。

ポイント3:メンテナンス

メンテナンスに関しては、継ぎ目が少ない縦張りのほうが、メンテナンスの機会が少なくなります。また、シーリングの充てん箇所が少ない分、メンテナンスコストも削減できるでしょう。さらに、表面の水はけが良いため、水がたまらず、傷みにくいこともメンテナンスの上では有利です。

ポイント4:工事費用

少しでも施工費を抑えたいなら、横張りのほうが良いでしょう。一般的に、横張りのほうが人件費はかからないため、安く工事することが可能です。

縦張りでも通気を良くする方法

金属サイディングの縦張りでは、通気性が悪いという問題点を挙げてきました。ただ、通気性の問題により、外観の妥協をしたくないという人もいるでしょう。金属サイディング特有の質感が魅せる、スタイリッシュなデザインを存分に楽しむため、ぜひ縦張りにしたい、と考える人もいるはず。そこで、横胴縁を使った施工でも、通気性の問題をクリアする方法をお伝えしていきます。縦張りを希望する人は、施工業者とよく相談し、施工が可能かどうか確認することが大切です。

溝のある胴縁を取り付ける

通気性を良くする1つ目の方法として、溝のある胴縁を取り付ける、ということができます。金属サイディングの施工ルールとして、胴縁同士のすきまは3cm開けて通気を確保することになっています。しかし、横胴縁の場合、3cmのすきまだけでは十分な通気を確保できず、胴縁の木材が傷んでしまったり腐ってしまったりするのではないか、という問題がしばしばあります。
そこで、通気性対策として有効なのが、通気路の穴が開いた胴縁を採用するという方法です。穴が開いているため、横胴縁でも通気性の問題が改善され、結露を防ぐことができます。ダニやカビの予防にもなり、高耐久で快適な住まいにつながります。「エアホール胴縁」という名称で、ウエキハウス株式会社から出ている製品が一例です。

胴縁を短くする

通気性を良くする2つ目の方法として、横胴縁を短くし、通気の数を増やすよう施工している業者があります。具体的には、長さ1.8メートルある横胴縁を、半分の90センチにカット。それを離して並べることで、通気の数を増やすということです。これまで1.8m置きであった通気路が、90cmごとにできるため、空気の流れがスムーズになることが想像できます。縦胴縁にはかないませんが、横胴縁の長さを変えることで通気性を改善する方法もあるということです。

縦胴縁の上に横胴縁を設置する

通気性を良くする3つ目の方法として、縦胴縁を設置した上に横胴縁を設置する、という施工を行っている業者もあります。建物の壁に、まずは縦胴縁を設置し、上に横胴縁を格子状に設置することで、金属サイディングと建物の間に空間を確保。この施工により、縦張りでありながらも十分な空気の流れを作ることが可能です。注意点として、材料が余分に必要になるため、その分費用は高くなるでしょう。

まとめ

金属サイディングの縦張りと横張りの特徴から、それぞれのメリットとデメリットを解説しました。高い買い物であること、頻繁にやり直すものではないことから、後悔のないよう、十分に検討する必要があります。それぞれに良さがあるため、最終的には自分が何を優先するかが決め手となるはず。どちらを選んだとしてもメリットだけでなくデメリットもあるため、気になることがあれば施工業者ときちんと相談をし、デメリットに対する対策も尋ねておくと良いでしょう。

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