オーバーローンでもリースバックはできる?注意点や利用条件を解説
更新日: 2024年11月10日
マイホームは安くはない買い物なので、多くの人が住宅ローンを組んで購入します。しかし、憧れのマイホームを手に入れたものの、予期せぬ収入の減少や大きな支出で住宅ローンの返済が厳しくなってしまった、なんてケースも。特に昨今は景気が悪化傾向だということもあり、住宅ローンを払えなくなってしまいマイホームを手放すことを考えている、という方もいるでしょう。そんな場合におすすめしたい方法のひとつに「リースバック」があります。自宅を売って資金調達ができる上に売却後も同じ家に住み続けることができるというメリットのあるリースバック。今回は、オーバーローンの状態でもリースバックが可能なのか、利用できる場合の注意点や利用条件と併せて解説していきたいと思います。
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リースバックとは
不動産におけるリースバックとは、今住んでいる家を売却してから、新たに買主と賃貸契約を結ぶと仕組みのことです。「セール&リースバック」とも呼ばれています。家を売却するので短期間でまとまった資金を得ることができる上に、そのまま自宅に住み続けられるというメリットがあることから、近年注目されている方法です。
リースバックの利用条件
リースバックを利用するための条件は主に2つ。ひとつめは「物件が売却できる状態であること」。共有物件の場合は、共有者全員の同意が必要です。また、重大な瑕疵(キズのこと)がある場合は売却できる状態ではないとみなされてしまいます。2つめは「家賃の支払い能力があること」。家賃保証会社の審査を通る必要があります。
リースバックとリバースモーゲージの違い
リースバックと似た売却方法に「リバースモーゲージ」があります。こちらは物件を担保に金融機関から資金を借り、毎月利息を支払っていきます。そして死亡時に物件を売却して、借りた資金を返済する仕組みです。自宅に住み続けられるという点はリースバックと同じですが、リバースモーゲージは金融機関との利用条件が厳しいです。
オーバーローンでもリースバックは可能?
リースバックは融資ではなく売却になるので、借り入れの時のような審査はありません。住宅ローンが残っていても利用できるという点もありがたいポイントです。しかし、気になるのが「オーバーローン」でも利用できるのか、ということ。資産価値がローン残高を上回ってしまうオーバーローンの状態でも、リースバックは利用できるのでしょうか。
オーバーローンだとリースバックの利用は難しい
住宅ローンの状態には「オーバーローン」と「アンダーローン」の2種類があります。売却したい家の資産価値が、ローン残高を上回っている「アンダーローン」であれば、リースバックを利用できます。しかし、資産価値よりローン残高の方が大きい「オーバーローン」の状態だと、リースバックができないケースも多いです。
オーバーローンでのリースバックが難しい理由
オーバーローンでのリースバックが難しい理由は、「オーバーローン状態の不動産は売ることができないから」。売却できないので、本来はリースバックが不可能なのです。もうひとつの理由は「家賃を支払えない可能性があるから」。オーバーローンになってしまう原因の一つに、住宅ローンの滞納が挙げられます。ローンを滞納した経験のある債務者はリースバック後の家賃も滞納されるかも、という考えから、リースバックを断る不動産業者もいるのです。
オーバーローンでリースバックを利用する方法
上記の2つの理由からオーバーローン状態でのリースバックは難しく、リースバック業者に断られてしまうことが多いです。しかし、オーバーローンでもリースバックを利用できるケースもあります。オーバーローンでリースバックを利用する2つの方法について解説します。
足りない分の資金を調達する
オーバーローン状態でリースバックを利用できないのは、不動産の売却価格よりローン残高の方が大きいからです。つまり、売却価格とローン残高の差額を他の方法で調達できれば、リースバックが利用できます。とはいえ不足分の資金を自分で調達するのは簡単ではありません。そのため次に紹介する方法が一般的に利用されています。
任意売却を行う
もうひとつは、任意売却を行ってからリースバックを利用するという方法です。任意売却は住宅ローンが残っている不動産を、住宅ローンを借りている金融機関の了承のもとで売却させてもらうこと。住宅ローンの滞納が続いた不動産は競売にかけられて高い金額で売却できなくなってしまうので、それを防ぐために任意売却が行われます。
リースバックのメリット
一般的な売却と比べて、リースバックには多くのメリットがあります。一番のメリットは「同じ家に住み続けられること」。引っ越しをしなくて良いのは金銭的にもかなり助かりますよね。また、不動産会社と直接やりとりをするので、家を売ろうとしていることが知り合いや近所にばれません。他にもたくさんのメリットがあるので、詳しく解説していきます。
同じ家に住み続けることができる
家を売却してしまうと、その後は新居を探して引っ越さなくてはいけません。特に任意売却の場合は、家賃を滞納する可能性があるとみなされ、新居探しに苦労するケースも。しかしリースバックなら同じ家に住み続けることができるので、新居探しも引っ越しもしなくて良いのです。引っ越しの手間や費用もかかりません。
短期間でまとまった資金を得られる
家を売却する場合、一般的には仲介会社を通して買主を探します。すぐに買い手が見つかるとは限らず、売れるまでに早くても3ヶ月程度の時間がかかってしまいます。しかしリースバックなら、不動産会社が家を直接買い取ってくれるので短期間でまとまった額の資金を手に入れられます。また、資金の使い道に制限はありません。
将来的に買い戻すことも可能
リースバック後、もし十分な資金が貯まれば家を買い戻すことも可能です。家を売る際に買い戻し特約を付けておけば、いくつかの条件はあるものの再び自宅を購入することができます。ただし、買い戻す際の価格は売却時より高くなります。また、買い戻しできる期間は制限があるので要注意。将来的に買い戻すことを検討している場合は、売却時に買い戻しの条件をきちんと確認しておきましょう。
リースバックのデメリット
多くのメリットがあるリースバックですが、もちろん良いことばかりではありません。同じ家に住み続けられるとはいえ、自分の持ち家ではなくなってしまうことはデメリットです。メリットばかりに気を取られてしまうと、思わぬリスクが生じてしまうことも。デメリットもしっかり把握した上で、リースバックの利用について検討しましょう。
売却価格が相場より安くなりやすい
リースバックの場合、仲介業者を通した一般的な売却と比べて売却価格が安くなる傾向があります。売却価格が安いということはオーバーローンの状態になる可能性が高くなるということなので、任意売却も視野に入れないといけません。初期費用や引越し代が不要という点と比較検討して、リースバックにメリットがあるかどうか考えましょう。
家賃が相場より高いことがある
売却価格とは反対に、家賃は相場より高くなってしまうことがあります。リースバック後の家賃は、売却価格の7~13%程度であるケースが一般的。つまり、売却価格が高ければ高いほど家賃も高くなってしまうのです。契約後に家賃が値上げされるおそれもあり、普通の賃貸と比べて家計へのダメージが大きくなりがちです。
賃貸契約期間に限りがある
住み慣れた家には長く住みたいものですが、リースバック後の賃貸契約期間には限りがあります。一般的な「普通賃貸借契約」では、貸主は基本的には更新を拒否できません。一方、リースバックの「定期賃貸借契約」では契約期間後の更新がなく、貸主に拒否されたら再契約も不可能。リースバックは2年の契約としているケースが多いです。
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オーバーローンの場合にリースバックできるのかどうか、注意点や利用条件などについて解説しました。オーバーローンの状態ではリースバックを利用するのは難しいですが、任意売却をした後であればリースバックの利用も可能です。メリットやデメリットを考慮した上でリースバックを検討している方は、リースバック会社に相談してみてはいかがでしょうか。
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