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【パキスタン】世界遺産「モヘンジョ=ダロ」の観光ガイド:インダス文明の巨大都市遺跡を徹底解説

モヘンジョ=ダロ遺跡は、世界三大文明のひとつでもあるインダス文明の巨大な都市遺跡です。ユネスコ世界遺産の文化遺産に登録されています。インダス文明は紀元前5500年から紀元前2000年頃までに存在していた古代文明で、モヘンジョ=ダロ遺跡は1922年に発見されましたが、土地の地盤の関係で発掘が進まず、明らかになっていない謎が数多く存在しています。 上下水道システムや公衆浴場、碁盤の目のような道路等、非常に高度な都市設計で有名ですが、実際の遺跡を見るとその精密さに改めて驚きます。パキスタンは治安上の問題があり、気軽に行けるところではないので注意が必要です。旅の前に入念な情報収集を行いましょう。

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更新日: 2024年4月26日

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■モヘンジョ=ダロ遺跡の概要

紀元前5500年頃、インド亜大陸のインダス川の流域に世界四大文明の1つであるインダス文明が栄えました。インダス文明では、2つの都市が発展し、そのうちの1つがインダス川河口近くに栄えたモヘンジョ=ダロ、そしてもう1つは中流域に栄えたハラッパーです。

モヘンジョ=ダロは現在はインド国内ではなく、パキスタンの領地内にあります。パキスタン南部の都市カラチから約300キロ程北上した場所に位置しています。

モヘンジョ=ダロは、古くから精密な都市計画、そして優れた治水技術が発展していたことで有名です。
例えば、ヨーロッパで水洗トイレが発明されたのは16世紀ですが、モヘンジョ=ダロでは紀元前から水洗トイレを作り、井戸、下水道、浴室など、生活を快適に保つための施設が充実していました。その社会インフラは、19世紀のパリやロンドンをも凌ぐ機能的な都市設計であったと言われています。

発掘作業の難航により未だに多くが謎に包まれた遺跡ですが、現在見つかっている遺跡や出土品から、当時の時代としては世界のどこよりも進んだ文明だったのではないかと言われています。

世界文化遺産には、1980年に「モヘンジョダロの遺跡群」として登録されました。

■モヘンジョ=ダロ遺跡の5つのポイント

謎に包まれた古代遺跡

神官王と呼ばれる胸像

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モヘンジョ=ダロという言葉は、現地語で「死の丘」を意味しており、地元の人の間では近づいてはならない場所と言われていました。1922年、インド人歴史学者による発掘調査が行われ、文明遺跡があることが発見されました。
モヘンジョ=ダロは、紀元前5500年から紀元前2000年頃までの間存在したと言われていますが、遺跡は堆積物により覆い隠されていたため、発掘作業が困難な状況です。今見つかっているのは遺跡のおよそ15%程度のみとも言われています。

最近では、遺跡を構成している煉瓦が塩分を含んだ地下水を吸収することで風化が進み、土へと還ってしまうという現象が起きています。また観光客の増加による劣化も進んでおり、貴重な遺跡をどのように保存していけば良いか、長い間議論されていますが、解決には至っていません。

精密な都市設計と充実した生活設備

モヘンジョ=ダロは、優れた都市設計がされていたことで有名です。
大きく分けて神官階級の居住地であった「城塞地区」と、庶民が暮らしていた「市街地区」で構成されていたようです。
碁盤の目のように直角に交差した道路で構成された町には、上下水道設備、水洗トイレ、公衆浴場、家族用の浴室、ダストシュートまで存在していたことが明らかになっており、この時代としてはかなり高度な治水・建築技術を持っていたことがわかります。

また、小麦栽培や牛の飼育もされており、整備された道路は、これらの収穫物の輸送にも適していました。

平和で理想的な都市

優れた生活設備が見つかっている一方で、他の古代遺跡に見られるような、王宮や神殿などの権力を象徴するような建造物は、この遺跡では見つかっていません。

そのためモヘンジョ=ダロに住んでいた人々は比較的平等な関係にあり、安定した政治体制が続いていたのではないかとされています。町には城壁がめぐらされていますが、軍隊や戦いのために使用された遺跡等も見つかっていなく、外部の勢力からどのように都市が守られていたのかは現在まで明らかになっていません。

未だに解読されていないインダス文字

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インダス文明では、インダス文字という象形文字が使われていたとされています。モヘンジョ=ダロ遺跡からも400種類以上のインダス文字が見つかっています。

一方で、ロゼッタ・ストーンのように、多言語との関連がわかる出土品が見つかっていないことから解読が進んでいません。これも、モヘンジョ=ダロ全体の謎の解明が遅れている原因の1つとされています。

また、最近では、インダス文字と言われている紋章は文字ではないという説も出てきています。

突然の消滅

モヘンジョ=ダロには、最大で4万人の人々が居住していたと言われています。しかし、紀元前2000年前後、短期間のうちに滅亡したとされており、未だにその理由は明らかになっていません。
様々な憶測がありますが、近年では大規模洪水の発生によって、急に衰退したのではないかという説が有力です。

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■モヘンジョ=ダロ遺跡の見どころ

遺跡の構造

遺跡は東西の2つの遺丘で構成されています。 東丘は市街地となっていて、一般の家屋や上下水道の跡を見学できます。 西丘では、城塞や市制を司っていたとされている建造物、穀物倉、大浴場などの跡が存在しています。

また、モヘンジョ=ダロは、7層もの遺跡が重なり合っているとされています。そのため実際に現在遺跡として見えるものは、異なる時代に作られた建造物も混在しています。

展望台 ストゥーパ

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モヘンジョ=ダロ発見のきっかけとなったストゥーパは、2〜3世紀頃の仏教遺跡とされています。 都市自体が栄えたのは紀元前2300年〜1800年頃なので、そのずっと後につくられたものです。 高さ15mの煉瓦でできた建造物で、遺跡全体を見渡すことができます。都市全体の構造が理解できるので、最初に訪れるのがおすすめです。

城塞地区

©UNESCO/CRA-terre/Pascal Maitre

市街地区を見下ろすように一段高く造られているのが、城塞地区です。堅固な城壁の内側中央部には、長さ12m、幅7m、深さ2.4mのほどの規模を誇る大浴場があり、遺跡群のなかで最大の見どころとなっています。また、集会に使われた広場などもあり、政治の中心地であった地区だと考えられています。

市街地区

©UNESCO/CRA-terre/Pascal Maitre

大小の一般の家屋をはじめ、隊商宿や、労働者用の小屋、上下水道の跡等を見学できます。道路は碁盤の目のように整備されており、さらにそこにレンガが細かく敷き詰めることで、強度を高めていたとされています。住宅地の保存状態はよく、当時の様子を鮮やかに想像できます。

各戸には下水道が備えられ、水洗トイレや浴室が設置されていました。汚水は小路の排水溝へ通じ、さらに大路の排水溝へ集められるという、当時としては非常に画期的なシステムができあがっていたことがわかっています。

沐浴場跡

水洗トイレや家庭用の風呂まで設置されているモヘンジョ=ダロですが、街には共同浴場と沐浴場も存在していました。街の中央にある大きな沐浴場は、長さ約12m、幅約7m、深さ約2.4mもの大きさがありました。

最近では、ここは政治や祭儀の場に使われていたのではないかと考えられているようです。インダス文明では神殿のような跡が見つかっていないこともあり、この沐浴場が神殿のような役割を果たしていたのではないかという説もあります。

■モヘンジョ=ダロ博物館

©UNESCO/CRA-terre/Pascal Maitre

モヘンジョ=ダロ遺跡の入口には博物館もあります。規模は小さいですが、モヘンジョ=ダロの街並みの想像図、遺跡から出土した生活の道具類や、装飾品、それらのレプリカ等が展示されており、遺跡と合わせて見学をすることで、インダス文明についてより理解を深めることができます。

「神官王」とよばれる胸像をはじめ、さまざまな像、動物の絵が刻まれた印章など、貴重なものが見学できるので、ぜひ立ち寄ってみたいものです。

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こちらの踊り子像は、インダス文明の人々が優れた鋳銅技術を持っていたことがわかる重要な出土品です。モヘンジョ=ダロ博物館にあるのはレプリカで、本物はデリーの博物館に保存されています。手首と肘にはブレスレットをつけています。

■インダス文明 もう1つの都市遺跡ハラッパー

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インダス文明のもう1つの重要遺跡であるハラッパーは、同じパキスタン国内のパンジャーブ地方にあります。インダス文明をもっと知りたくなった人は、モヘンジョ=ダロ遺跡と合わせ、ぜひハラッパーにも足を運んでみてください。

■モヘンジョ=ダロへのアクセス

モヘンジョ=ダロへ行くには、まずはパキスタンに入り、国内の空港を経由して行きます。カラチからアクセスをする方法が一般的ですが、ツアーを活用するのもおすすめです。 インダス川周辺は治安があまり良くないため、入念に下調べを行なった上で出発しましょう。

首都イスラマバードからカラチへ

飛行機で移動
所要時間 2時間程度

カラチ空港(ジンナー国際空港)からサッカル空港へ

飛行機で移動
所要時間 1時間5分程度
※サッカルはモヘンジョ=ダロの最寄りの都市です。
※遺跡の近くにはモヘンジョ=ダロ空港という空港がありますが、本数が非常に少なく不便です。サッカルからアクセスするのがおすすめです。

Karachi Airport at Dawn

サッカル空港からモヘンジョ=ダロへ

タクシーで移動
長距離のため、タクシーを1台チャーターすることになります。
所要時間 1時間40分程度

観光バスで移動
所要時間 1時間40分程度

※モヘンジョ=ダロへ向かう鉄道もありますが、治安があまりよくないためおすすめできません。

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モヘンジョ=ダロ空港からモヘンジョ=ダロへ

カラチ空港からモヘンジョダロ空港までは、約1時間15分です。空港からシャトルバスに乗り換えて、モヘンジョダロの遺跡群直接向かうことができます。
一応こちらのルートもあることを覚えておきましょう。

カラチからの飛行機+シャトルバス
所要時間:約1時間30分
運賃:飛行機 約Rs10000

■モヘンジョ=ダロへ行く際に注意すべきこと

安全面に注意しよう

パキスタンは治安がよくありません。外務省から「渡航の是非を検討してください」「渡航の延期をおすすめします」等の危険情報が出ていることもあります。現地の治安情報に必ず情報収集をし、無理な渡航は避けましょう。

外務省渡航安全情報

最も暑いシーズンを避けよう

この地域は、夏の平均最高気温は45度を超えます。最も暑いシーズンである4〜6月は避けることをおすすめします。また、冬でも平均最低気温が30度前後と非常に暑いため、健康には十分に気をつけ、水分補給を心がけましょう。

日焼け・乾燥対策を徹底しよう

モヘンジョ=ダロは、日差しが強い上に、日陰になるような建物はほとんど存在しません。帽子、サングラス、日焼け止め、飲み物を準備し、備えておきましょう。

また、このエリアは1年を通じて乾燥していて、雨はほぼ降りません。リップクリーム・ハンドクリーム等肌を保湿できるものも準備しておきましょう。

モヘンジョ=ダロ遺跡は4kmにおよぶ広大な遺跡で、遺跡見学だけで3時間ほどの時間がかかるので入念な準備をしておきましょう。

宿泊は別の都市で計画しよう

モヘンジョ=ダロ遺跡の周辺は、まだ観光化が進んでいません。旅行者が滞在できるようなホテルはなく、治安も悪いので、宿泊をすることはできません。
宿泊は、別の都市でモヘンジョ=ダロへは日帰りで帰ってこれるような行程を計画しましょう。カラチ等の都市であれば、多くのホテルが存在しています。

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