【香港】ビクトリアハーバーで100万ドルの夜景を超えるプライスレスな体験を

香港の都市景観の代名詞、「ビクトリアハーバー 」

香港のこれまでの発展において、重要な役割を担ってきたのがビクトリアハーバーです。このエリア一帯は、もともと漁村が集まる地域だった場所で、中国の悠久の歴史においても数々の歴史的瞬間の舞台ともなった場所です。かつて水上生活者の船がひしめき合っていた湾は、現在では国際貿易の中心地ともなっています。ビクトリアハーバーは香港のみならず世界有数の都市景観といえるでしょう。

ビクトリアハーバーの名前の由来はかの帝国の女帝だった

ビクトリアハーバー はその名の通り、旧宗主国であったイギリスのビクトリア女王の名前が冠された名称です。イギリスと香港の関係が始まるのは18世紀。当時の中国は清朝で、イギリスは中国との交易で中国茶や絹、陶磁器などを買う一方で、当時イギリスの植民地であったインドで生産したアヘンを中国に売っていました。この三角貿易が後の「アヘン戦争」へと発展していくのにそう長い時間は要しませんでした。1841年1月に勃発したアヘン戦争では、圧倒的な軍力に清朝はなすすべもなく、イギリスは翌1842年5月には上陸した香港島から上海までを占領しました。その結果、1842年8月に清朝がイギリスと「南京条約」を結び戦争は終結したのですが、この時にイギリスに譲り渡されたのが香港島です。現在でこそ商用の船舶が行き交っていますが、かつては水上生活をする小舟が寄せ合って停泊する時代もありました。

ビクトリアハーバーの入場料・チケット情報は？

ビクトリアハーバーを含む周辺スポットでは、各施設・アトラクションによって入場に関する条件が変わるため、各項目でそれぞれご紹介してまいります。

夜景だけじゃない！ビクトリアハーバーの見どころ4選

ビクトリアハーバーの楽しみ方を海から陸からあらゆる角度から探っていきましょう。

香港の景観を海から丸ごと味わってほしい、ビクトリアハーバークルーズ

ビクトリアハーバーを思いきり体感するならまずはこちらから！ハーバー内にはいくつかのクルーズ船が就航していますが、その中でもおすすめのクルーズをいくつかご紹介します。

ビクトリアハーバークルーズの重鎮。「スターフェリー」

ビクトリアハーバークルーズの代表格ともいえるのが、「スターフェリー」です。運行会社は1898年創業と歴史があり、かつてビクトリアハーバーの海上交通において要でしたが、現在ではもはや交通機関というより観光名物として名を馳せています。香港島〜九龍島・中環の間をおよそ10分で結びます。船の座席は木製で背もたれを前後どちらにも変えられるのがポイント。所有するフェリーにはそれぞれ名称があり、どのフェリーにも必ず「星」の字が入っています。現存する最も古いフェリーは1958年製造とのことですが、もちろん現役で活躍しています。運行状況によりセーラー服姿の船員さんとの記念撮影などのチャンスもあるかもしれません。しばしのショートクルーズで素敵な乗船体験をぜひ。

ナイトクルーズがおすすめ！「アクア・ルナ」

およそ45分かけてビクトリアハーバーの上環〜北角間をぐるりと一周する、赤い帆が印象的な伝統的な中国の海賊船「張保仔」スタイルと白地に青い龍紋のアクアルナ2（大張保）の2隻で運行する観光船です。途中の中環周辺で見上げる摩天楼の間から、光が降り注ぐような夜景の美しさを体験できるはず。海の上から見上げる夜景を堪能するためにも、1日6便運行しているナイトクルーズでぜひお楽しみください。

よりゆったりとハーバー クルーズを楽しむなら「ファーストフェリー」

先述のスターフェリーの補完的役割として航行するファーストフェリー。乗船時間は20分近くあるので、スターフェリーよりもさらにじっくりと香港のシティービューを味わうことができます。シートは簡易的ではあるものの、タイミングよく夕暮れ時などに乗船できれば夕焼け色に染まった香港のシティービューに出会えたりと、昼間や夜とはまた一味違ったクルーズ体験ができるのではないでしょうか。

尖沙咀（チムサーチョイ）プロムナード

さて、次は船から降りてビクトリアハーバーを陸から体感していただきましょう。モダンな高層ビルが建ち並ぶビジネス街「香港島・中環」と、東西に新旧さまざまな店がひしめく商業の街「尖沙咀（チムサーチョイ）」。この尖沙咀が位置するのは、ビクトリアハーバーに面した香港・九龍島の最南端エリアです。地図をご覧になっていただくと分かるかもしれませんが、こちら尖沙咀の街の歩き方に効率化を求めてはいけません。メインストリートの「ネイザン・ロード」から東西に伸びた通りには、昔ながらの小さな商店から新進気鋭の大きなショッピングモールまで、実にたくさんの魅力的なショッピングエリアが広がっています。そんな活気あふれるこちらのエリアで訪れたいのが、「尖沙咀プロムナード」です。海に面した時計台の先に伸びるプロムナードは2018年に整備が完了したばかり。晴れた日の展望台からは絶景のビクトリアハーバービューに出会えること間違いなしです。香港の定番の夜景はもちろんのこと、日中の青空をバックにしたスカイライン、そして、たくさんの船が行き交うビクトリアハーバーをじっくり眺めてみてください。

アベニューオブスターズ

続いて、先ほどご紹介したプロムナードの一部にある「アベニューオブスターズ」へ行ってみましょう。ここには香港映画界に貢献した俳優や監督たちの手形やサイン付きネームプレートが埋め込まれた遊歩道があります。およそ3年にわたる改修工事を経て、2019年1月に再オープンしました。2005年に設置されたブルース・リー像や、香港の歌姫、アニタ・ムイの銅像などを見ることもできます。銅像の前で写真撮影をする人や、憧れのアクションスターの真似をする子どもなど、観光客はもちろんのこと地元民にも愛されているスポットです。歩き疲れたら「アーバー（花見亭）」と呼ばれる日よけ付きの休憩エリアで一休みしましょう。周辺にはお土産やさんもいくつか点在するのでそちらも散策してみては。

20時の待ち合わせはあの場所で。ギネス認定の光のショー・シンフォニーオブライツ

朝からたくさんのものを見て触れて、海から陸から香港の街を堪能してきました。そんな1日を締めくくるのに最高のスポットが、毎晩20時から開催される「シンフォニーオブライツ」です。ビクトリアハーバー沿いの高層ビル群から色とりどりの光が放たれ、香港の夜空を彩ります。まさに高層ビル群の壁面に現れた光の巨大アート！鑑賞場所でおすすめなのが、尖沙咀のスターフェリー乗り場の東側にあるプロムナードです。世界の中で長期的に継続している光と音のマルチメディアショーとしてギネスにも認定されているお墨付きです。毎日20時から息を飲む13分間をぜひ全身で体感してください。

番外編！極上のホテルで優雅な時間を。ペニンシュラホテル「アフタヌーンティー」

イギリスの伝統的なお茶の習慣、アフタヌーンティー。近頃は伝統的な様式だけではなく、さまざまなスタイルのものも増えてきました。アフタヌーンティー初心者の方も、慣れている方にもぜひ体験していただきたいのが、尖沙咀にあるペニンシュラホテル「ザ・ロビー」の正統派アフタヌーンティーです。スコーンやキューカンバーサンドなど3段トレーにはクラシカルなスタイルの定番アイテムが盛られています。サプライズ的に準備される特別なスイーツにも巡り会えるかもしれません。

ビクトリアハーバーを楽しむには所要時間はどのくらい？

ハーバークルーズに掛かる時間は、乗船する船により10〜45分程と幅があります。移動重視なのか、はたまた観光重視なのかにより選ぶ船もかわってくるのでスタイルに合わせてお好みで選んでみてください。ビクトリアハーバーを陸から楽しむ「尖沙咀プロムナード」や「アベニューオブスターズ」などは合わせて1時間程度あれば比較的ゆったりとまわることができるのではないでしょうか。

ビクトリアハーバーへのアクセス

尖沙咀にあるスターフェリー乗り場へは、MTR東尖沙咀駅のL6出口から徒歩約8分
ファーストフェリーの北角フェリーターミナルへは、北角駅A1出口から徒歩約3分

ビクトリアハーバーと合わせて訪れたいスポット3選

ビクトリアハーバーへ行くならぜひ立ち寄りたいおすすめスポットを3つご紹介します。

スカイ100

2011年4月にオープンした香港一高いビル「ICC」の100階にある展望台です。香港で唯一360度の大パノラマを望むことができます。なんといっても海抜393mの高さから対岸に広がる香港島や九龍島の摩天楼や高層住宅などを見渡せるほか、香港の今昔を再現したタイムトンネルなどのマルチメディア体験ゾーンも。香港100万ドルの夜景を堪能するまさに隠れたベストポジションといっても過言ではないでしょう。

ビクトリアピーク

前述のスカイ100のさらに上を行く高さで、香港の頂点を目指すなら「ビクトリアピーク」へ。香港島の最高地点である552mのビクトリアピークにはピーク・トラムの山頂駅や東側斜面に建つピーク・タワーなど香港でとても人気の夜景スポットがあります。その中でもピーク・タワーのそばにある「獅子亭」が穴場の無料展望台で、ピーク・タワーほどの高さはありませんが、断崖から見下ろす夜景は迫力満点です。

金鐘(ガムチョン)〜湾仔（ワンチャイ）エリア

香港島にある金鐘(ガムチョン)〜湾仔(ワンチャイ)のウォーターフロントエリアには比較的新しいビルが建ち並ぶモダンな湾側と、山手側に広がる昔ながらの民家が並ぶ下町風情にあふれたレトロなエリアの2つの側面があります。ウォーターフロントには、1997年7月に香港返還記念式典が行われたコンベンション・アンド・エキシビジョンセンターを中心とした、香港藝術中心(香港アートセンター)などの施設も見どころとなっています。さらに湾仔は、「ミシュラン香港」などでも話題となった名店が数多くあり、香港きってのグルメタウンとしても楽しめるエリアです。

オプショナルツアーについて

ビクトリアハーバーを効率よく周るなら、オプショナルツアーを利用するのも旅の選択肢の一つに検討してみてはいかがでしょうか。ガイドブックには載っていない穴場情報をキャッチできるかもしれません。

さいごに

昔から香港の人々の生活の要であり、国際交易の拠点、そして現代では世界中からたくさんの観光客が押し寄せる香港の海上交通の心臓網として欠かせない存在のビクトリアハーバー。香港観光の際のプランニングにぜひ取り入れてみてください。

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