2022年からこれがないとヨーロッパに行けなくなる？！

イギリスのコンサルティング会社ヘンリー＆パートナーズ社が毎年発表する、パスポート信頼度ランキングでは、今年2020年も日本のパスポートが１位に輝きました。常に上位をキープしている日本のパスポート、その理由は様々ですが、滞在先での日本人によるオーバーステイなどの犯罪が少ないことが理由の一つしとて上げられます。その恩恵もあってか、日本人がビザなしで渡航・滞在が可能な国が１９１か国と世界で一番多いです。
しかし近年ヨーロッパを中心に移民・難民やテロ問題が深刻化し、その対策の一部として２０２２年末よりETIAS（欧州渡航情報認証制度）の導入が欧州連合理事会より発表されました。
今まで日本からヨーロッパ諸国へ旅行する場合、ビザが免除されパスポートの提示のみで入国できていましたが、導入後はそうもいかなくなるようです。そこで今回は、ETIAS（欧州渡航情報認証制度）についてまとめてみました。これからヨーロッパ諸国に行く方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ETIAS（エティアス）とは

2022年末以降、ヨーロッパ諸国へ入国するには、このETIAS（エティアス）の取得が必要になります。簡単に言うとアメリカのESTAのヨーロッパ版です。
2016年11月に欧州委員会は、ヨーロッパ諸国に入国する外国人渡航者に対し、新しい制度、「欧州渡航情報認証制度」（ETIAS：エティアス）の導入を発表しました。
ETIAS導入の目的は、「インターネットで事前に入国審査の申請認証を行い、域内の治安を向上し、非正規移民を防ぎ、市民の健康を守り、危険人物を事前に特定することで入国審査での遅延を減らすことに寄与する。」と欧州連合は説明します。つまり、ヨーロッパへビザなしで入国する訪問者に対する事前セキュリティチェックです。

申請が必要な国

EU諸国 26か国 と 極小国家と呼ばれる3か国 （モナコ公国、バチカン市国、サンマリノ共和国）へ渡航する際にETIASの取得が必須となります。

ETIAS導入国

オーストリア、ベルギー、チェコ共和国、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルグ、マルタ、オランダ、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、スイス、サンマリノ共和国、モナコ公国、バチカン市国

申請が必要となる人

日本を含む世界60か国 の国から、一回の滞在が 90日以内で観光・商用・トランジット目的 でETIAS対象国へ渡航する人です。留学や就労が目的の場合は、ETIASではなくそれぞれ要件に応じたビザを取得する必要があるので注意しましょう。

有効期限と滞在日数

ETIAS（エティアス）の 有効期限は3年 。オンライン申請時に使用したパスポートと電子的にリンクされるので、パスポートがETIASの有効期限前に失効した場合は、新たに新しいパスポートでの申請が必要になります。また、有効期限3年間は複数回ETIASを使用して入国することが可能です。

申請方法

ETIASはオンラインでの申請になるので、パスポートと、ETIASを受信する為のメールアドレス、申請料金を支払うクレジットカードが必要です。パスポート情報などの個人情報に加え、セキュリティに関する質問事項などが設けられる予定です。

まとめ

導入が発表された当初は、2020年が導入予定年でしたがその後延期され、現在正式に2022年末と発表されています。新型コロナウィルスの流行などで、2020年は移動を制限され海外に渡航できる機会もありませんでしたが、2022年には自由に行き来できるようになっているはずです。2019年には日本から海外へ渡航した人が過去最高の2000万人を突破しています。この数は毎年上昇傾向にあります。導入までの間に詳細が徐々に発表されていくので、最新情報を常に確認することをおすすめします。
事前に申請が必要な為、渡航者にとっては手間は増えますが、入国の際パスポートに電子的に管理されたETIASを所持していれば、入国審査がスムーズになるというメリットもあります。
今後さらにグローバル化が進み、国境という概念がなくなる中、こういった個人をデジタル上で管理するシステムの導入が進んでいくと思われます。「デジタルトランスフォーメーション」という言葉もよく聞くようになりました。個人情報の保護や安全な管理システムの構築など課題は残りますが、個人レベルでこの変化に対応する柔軟さが求められるようになるでしょう。

ETIASのサイトで確認する

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