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【恵比寿】山種美術館:重要文化財を含む1800点所蔵。 貴重な芸術作品の数々が人々の感性を刺激する

「山種美術館」は、全国初の日本画専門美術館。三井住友フィナンシャルグループ傘下の日本の準大手証券会社「SMBCフレンド証券」の起源となる山種証券を創立した山崎種二(1893-1983)が集めたコレクションをもとに、1966年7月に東京・日本橋兜町で開館しました。2009年10月には、現在の所在地である渋谷区広尾に移転。 有名な日本画家の作品や重要文化財をいくつも所蔵し、作品の質の高さには定評があり、年間を通して多彩なテーマで個性豊かな展覧会を開催しています。 グローバル化が加速する21世紀の世界に向け、日本ならではの財産である日本画の良さを伝え続ける山種美術館。訪れる人々の心を引きつける、数々の魅力を紹介します。レジャーや観光の参考に、ぜひどうぞ。

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更新日: 2023年11月21日

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「山種美術館」の概要

明治から平成の近代・現代日本画を中心に展示

創立者の山崎種二は「絵は人柄」という信念で、当時の画家たちと親交を深め、横山大観(1868-1958)や上村松園(1875-1949)、川合玉堂(1873-1957)などの作品を収集。奥村土牛(1889-1990)のように、まだ世間的には知名度の低かった画家に対しても将来性を買って支援したといいます。その後、横山大観の「世の中のためになることを」という言葉が原動力となり、美術館創設へ。後年も二代目館長・山崎富治(1925-2014)とともにコレクションの充実に努め、現在までに収蔵された作品は明治から平成の近代・現代日本画を中心に古画、浮世絵、油彩画などを含め、約1800点にもなります。

若手日本画家を応援するために1971年から1997年までは「山種美術館賞」を設け、隔年で実施。受賞作品の購入などを通じて、新たな才能の発掘と育成にも尽力し、日本美術界の発展にも貢献しました。

山種美術館が入るビルは、2009年に完成。「品位と格調」「時代の影響を受けない普遍的な価値」「心地いいゆとりの空間」といった設計コンセプトで建てられました。美術館らしくも周辺の環境と調和する外観と、印象的な短冊状の外壁が1階のロビーが見えるようデザインされているのが特徴です。明るく広々としたロビー正面の壁面には、加山又造(1927-2004)の陶板壁画『千羽鶴』が常設展示され、美術館の顔として日々多くの来場客を迎えています。

地下のメイン展示スペースは、企画展示室、山種コレクションルームと合わせて約650㎡という開放感あふれる空間。時間を気にせず、ゆっくり美術鑑賞を楽しめるよう、ゆとりのある広さが確保されています。特に企画展示室には、高さ3.8m、総長40.5mの壁面展示ケースが設置され、屏風作品もゆったりと展示可能。さらに、総長92.5mの展示壁面には大型作品も陳列でき、見ごたえ十分です。展示スペースでは、年5〜6回の展覧会が開催され、多くの所蔵品の魅力を発信しています。

40年以上にわたって美術館の入口を飾ってきた「山種美術館」のロゴは、歴史や文学をモチーフにした人物画で知られる安田靫彦(1884-1978)の直筆。初代館長の山崎種二の依頼によって美術館のために書かれた文字を彫ってつくった看板は、エントランスと地下展示室の入口で観賞できます。

「山種美術館」のコレクション

速水御舟・作『炎舞』と『名樹散椿』

炎舞

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速水御舟(1894-1935)は、東京府東京市浅草生まれ。大正から昭和初期に活躍した日本画家です。松本楓湖に師事し、1914年今村紫紅らと赤曜会を結成しました。紫紅の没後は日本美術院で活躍。1930年には渡欧を果たし、南画的な作風を示した後、ストイックな写実に移行しています。その後、琳派などの研究に没頭し、装飾性や画面構成にこだわった独自の作風を完成させました。

1925年に制作された『炎舞』は、1977年に重要文化財に指定された、御舟の最高傑作。近代日本画の歴史上の名作としても高い評価を集める作品です。作品づくりにおいては、家族と約3ヶ月間滞在した軽井沢での体験がモチーフ。思い立っては採集した蛾を室内で写生したり、焚き火をして群がる蛾を写生したり、イメージを醸成していったといい、その証に蛾の緻密な写生が現存しています。

名樹散椿

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1929年に制作された『名樹散椿』も、『炎舞』と同年に昭和期の作品として初めて重要文化財に指定されました。この作品は、京都市北区にある昆陽山地蔵院の古い椿を描いた意欲作。背景の金地には、金箔や金泥を使っておらず、「撒きつぶし」という技法で金砂子(金の細粉)を一面に撒いて仕上げられました。金地に映える、繊細に描かれた鮮やかな椿の美しさは見るものを魅了してやみません。

竹内栖鳳・作『班猫』

班猫

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竹内栖鳳(1864-1942)は、京都生まれの日本画家。近代日本画の先駆者として約半世紀の画歴を誇ります。戦前の京都画壇屈指の大家として知られ、特に動物をモチーフにした作品においては、その匂いまで描くといわれるほどの達人だったといいます。

作品に描かれている猫は、沼津に滞在中に偶然見つけた近所の八百屋で飼われていた愛猫。その姿に見惚れ、絵心がかき立てられた栖鳳は、飼い主に頼み込んで猫を譲り受けて京都に連れ帰ります。そして、自らの画室で自由奔放に過ごす日々を丹念に観察して名作をつくり上げました。タイトルには「班」の漢字が使われていますが、現代では「斑」を使うのが一般的です。しかし、「班」にも「まだら」の意味があるため、栖鳳自身が書いた箱書きに従い、山種美術館では『班猫』としています。

村上華岳・作『裸婦図』

裸婦図

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村上華岳(1888-1939)は大阪に生まれ、大正から昭和初期に活躍した日本画家。1907年に京都市立美術工芸学校、1911年に京都市立絵画専門学校を卒業。1908年の第2回文展で初入選を果たします。1921年ごろから持病の喘息が悪化して画壇を離れますが、後年も制作を続行。個展を中心に意欲的に作品を発表し、六甲の山、牡丹、仏画などを描きました。

『裸婦図』は、京都の若手画家たちが大正期に立ち上げた国画創作協会の第3回展の出品作品。描かれている女性は、耳飾、胸飾、首飾、臂釧(ひせん)、腕釧(わんせん)などの装身具を身につけており、菩薩のような印象を放っています。その一方で人間の女性の官能美も感じさせ、異なる2つの要素が見事に調和しているのが特徴です。

上村松園・作『砧』

上村松園(1875-1949)は、京都生まれの女性日本画家。鈴木松年・幸野楳嶺・竹内栖鳳に学び、各種展覧会で受賞し、画壇に認められます。町方の女性や、謡曲、王朝美人など、女性ならではの視点で描いた美人画を数多く制作。帝国芸術院会員、帝室技芸員となり、1948年には女性初となる文化勲章を受章しました。

『砧』は、世阿弥がつくった能の秀作といわれる同名の『砧』を題材にした傑作。女性が元禄から享保ごろまでの風俗で表現されているのが特徴です。松園は作品について「これは空を仰いで月を見ながら都にいる夫を想い、今まさに砧を打とうとする妻を、肖像もしくは仏像のような気持ちで描いたもの」と語ったと伝えられています。

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「山種美術館」の館内施設

個性的なカフェやミュージアムショップも人気

1階の「Cafe 椿」は、この美術館の所蔵品の中でも特に人気のある速水御舟・作『名樹散椿』から名づけられたカフェ店。陽光が差し込む明るい店内では、四季折々の駒沢通りの風景を眺めながら、特製の和・洋菓子やオリジナルメニューが堪能できます。なかでもこだわりの和菓子は、展覧会に出品された多様な作品に登場する花やフルーツ、動物などをモチーフに、青山の老舗菓匠「菊家」とコラボしてつくっている逸品。店内のインテリアも厳選し、イタリア・カッシーナ・イクスシー社の家具を採用。品のある居心地のいい空間で、美術鑑賞のあとの豊かなひとときを楽しんでみてはいかがでしょう。

また、山種美術家を訪れたら、ぜひ立ち寄っておきたいのが地下1階の「ミュージアムショップ」。多くの人がもっと気軽に日本画に親しめるよう、お土産にもぴったりなオリジナル商品を数多く取り扱っています。ショップの場所が展示スペースのそばにあり、美術鑑賞の途中でふらっと覗くことができるのもうれしいポイント。作品を観た後、感動の余韻に浸りながら楽しく買い物できますよ。

商品は充実のラインナップで、思わず手にとって見たくなるグッズが勢ぞろい。おすすめは、歌川広重(初代)の『東海道五拾三次』文具シリーズ。ビッグサイズのクリアファイルはダブルポケット付きで、江戸の日本橋から京都の三条大橋に到着するまでの55図の風情あふれる宿場の光景をすべて展望できます。速水御舟・作『名樹散椿』のコットン製アートクロスも人気。色鮮やかな椿の花が粋にあしらわれており、センタークロスやランチョンマットとして使え、食卓に華やかな彩りを添えてくれます。

「山種美術館」の基本情報&アクセス

公共交通機関を利用しての来場がおすすめ

開館時間は、午前10時から午後5時。入館は閉館の30分前までです。特別展の開館時間は、変更になる場合があるので念のため事前に確認を。休館日は毎週月曜日、展示替え期間、年末年始です。月曜日が祝日の場合も開館し、翌火曜日が休館となります。

入館料は、大人1,000円、大学・高校生800円、中学生以下は無料ですが保護者の同伴が必要です。特別展を開催している期間は内容により料金が異なります。障害者手帳、被爆者手帳を提示した方とその介助者1名は無料です。山種美術館では、4台の車いすと1台のベビーカーを常備。必要な方は、受付で借りることができます。1階には車いすやベビーカーで入れる多目的トイレがあるので安心です。なお、展示室内では写真やビデオ撮影、模写、および飲食は厳禁なのでご注意ください。

山種美術館へのアクセスは、JR・恵比寿駅西口および東京メトロ・日比谷線恵比寿駅 2番出口から徒歩約10分です。バスを利用の場合は、恵比寿駅前で日赤医療センター前行都バス(学06番)に乗り、バス停・広尾高校前で下車し、そこから徒歩約1分。または、渋谷駅東口ターミナルで日赤医療センター前行都バス(学03番)に乗り、バス停・東4丁目で下車し、そこから徒歩約2分の道のりです。また、山種美術館は専用駐車場がないので、公共交通機関の利用を推奨しています。車の場合は周辺の有料駐車場を利用しましょう。

まとめ

明治から平成の近代・現代日本画を中心に古画、浮世絵、油彩画などを含め、約1800点にのぼる作品を所蔵する山種美術館は、全国初の日本画専門美術館。重要文化財や重要美術品をはじめ、多彩な作品の常設展示のほか、年間を通じて多様なテーマで展覧会も開催しています。たくさんのアートにふれ、感性を刺激するひとときを楽しんでみてはいかがですか。

山種美術館

〒150-0012東京都渋谷区広尾3-12-36
03-5777-8600
【2020年コロナの影響で営業時間短縮】11:00~16:00(入館~15:30)
毎週月曜日(祝日は開館、翌日火曜日は休館)・展示替え期間・年末年始
JR恵比寿駅西口・東京メトロ日比谷線恵比寿駅徒歩10分
http://www.yamatane-museum.jp/

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