【埼玉】こんなところがまだあった！昭和のグルメ遺産「鉄剣タロー」

「鉄剣タロー」とは

埼玉県行田市の、国道17号バイパス沿いにある「鉄剣タロー」は、昭和63年の開業で、埼玉県内で唯一、ハンバーガーやトースト、うどんの自動販売機が稼働しているオートレストランです。東京からも近く、懐かしい自動販売機とその味、昭和レトロな雰囲気を求めて、他県から訪れる人も多い貴重なお店です。24時間営業の広い店内には、自動販売機とゲーム筐体以外には特に何も置かれておらず、店内のネオンが妖しく不思議な雰囲気を作っています。

懐かしいゲーム筐体

店内の左側にあるゲームコーナーには、反射神経テストのゲームや、昭和の時代をヒシヒシと感じられる「アイドル麻雀ゲーム」、古いテーブルゲームや初期のバーチャファイター、スペースインベーダーやギャラクシアンなど4種類のゲームが楽しめるレトロゲーム機もあります。以前はコインゲームもあったようですが、法律上の問題で置けなくなってしまったそうです。

気配りのすごいオーナー

24時間営業の「鉄剣タロー」は、基本的に無人のオートレストラン。でもちゃんとオーナーさんが居て、店内のあちこちでその細かい気配りが感じられるのも「鉄剣タロー」の特徴です。使われていないUFOキャッチャーには、植木や草花、植物の種をご自由にどうぞとの張り紙。冷却装置が壊れてしまい、冷凍できなくなったため使用できないアイスの自動販売機には、丁寧な説明書きまで貼られています。ちなみにトイレ使用の場合はジュースを1本買いましょう。

貴重な自動販売機

ハンバーガーとトーストサンドの、昔懐かしい自動販売機。修理代が売り上げをオーバーしてしまうこともあるという古強者です。特に、ハンバーガーの自動販売機は、ニキシー管のカウントダウンタイマーが動く、日本で唯一最後の一台で、出来あがりにはピンポンとチャイムが鳴る心憎いやつ。昭和63年の開業当時には、ハンバーガー、トーストサンドとも各2台設置されていたそうです。

シンプルなハンバーガー

加熱時間60秒のハンバーガーは、箱に入った状態で温められます。チーズバーガーのみの販売で、1個220円。自動販売機が非対応なので、500円玉は使用できません。中身は、バンズにパティと、チーズにケチャップのシンプルなチーズバーガー。このハンバーガーは、群馬県伊勢崎市の「マルイケ食品」製のもので、70過ぎの女性の方が週に一度、車で運んできて納品されています。肉厚でジューシーなパティが好評です。

優しい味わいのトーストサンド

自動販売機の上部には、昭和の時代にはみんなが憧れた洋風の朝食らしきパネル。購入できるのはハムサンドのみで、こちらも1個220円です。お金を入れてボタンを押すと「トースト中」のランプが灯り、約1分で出来あがります。ハムサンドはアルミホイルに包まれた状態で温められ、包みを開くとトーストされた食パン2枚の間に、四角いハムとチーズが挟まったハムサンドが現れます。手作り感たっぷりの優しい味わいです

大きなかき揚げのうどん

こちらもまた、古き良き昭和ムードたっぷりの、うどんとそばの自動販売機。残念ながら購入できるのは、うどんのみで、1杯300円です。うどんの具は、基本的にかき揚げ天ぷらのみですが、仕入れによって変わることもあるようです。たっぷりと入れられて出てくる出汁は、マルちゃんでおなじみの東洋水産製のものを使用しています。白いポリプロピレン製の器には、テープで七味唐辛子が付いていて、オーナーさんの心遣いが感じられます。

いかがでしたか？こういった、昔懐かしいフード系の自動販売機は、今では高速道路のパーキングエリアなどでたまに見かけるくらいになってしまいました。未だ現役バリバリで営業中の「鉄剣タロー」ですが、こちらに置かれている貴重な自動販売機は旧型のため、故障してしまったらもう部品が無いため、二度と稼働できない可能性もあります。現役活動中のうちに、昭和のグルメ遺産を楽しみに訪れてみてはいかがでしょうか。

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