岐阜弁の意味と使い方・岐阜弁のかわいい言葉とフレーズを紹介

岐阜県はどんな県か

岐阜県は日本の中部地方に属している県で、面積は10621.29㎢・人口は199万9千人ほど（2018年時点）です。日本の47都道府県で7番目に面積が広い県で、17番目に人口の多い県（2015年時点）です。北部は飛騨地方、南部は美濃地方と呼ばれています。自然が豊かな県で、スキー場や温泉地などが有名です。飛騨地方にある明治時代に造られた「白川郷の合掌造り」は世界遺産に登録されています。

「美濃」と「飛騨」地方

岐阜県は、美濃地方と飛騨地方に分かれています。美濃地方は岐阜県の南部に位置していて、木曽川・長良川・揖斐川が流れています。水が豊かで、鵜飼などもよく行われています。低い山に囲まれていて、夏は暑くて冬は寒くなります。飛騨地方は岐阜県の北部に位置していて、飛騨山脈などの山岳地帯になっています。夏は涼しいですが、冬には豪雪地帯になります。

岐阜弁の意味と使い方

岐阜県では、岐阜弁と呼ばれる方言が使われています。岐阜弁は標準語と関西弁のちょうど中間にある方言です。2016年に公開されたアニメーション映画「君の名は」は岐阜県の飛騨地方が舞台になっていて、そこでは様々な岐阜弁が使われています。岐阜弁には独特の言い回しがあって、岐阜県の人でなければ分からない言葉もいっぱいあります。

語尾につけることが多い言葉：「やお」「やおね」

代表的な岐阜弁としては、「やお」が挙げられます。「やお」は語尾に付けることが多く、「○○やお」は標準語では「○○だよ」という意味になります。「やお」に「ね」を足して「やおね」という表現も岐阜弁ではよく用いられています。「○○やおね」は標準語では「○○だよね」という意味になります。方言はその土地に独特の語尾を持つことが多く、岐阜弁の場合は「やお」や「やおね」に当たります。

注意をされている可能性あり？：「おぞい」

「おぞい」という岐阜弁は、言葉の響きから「遅い」という標準語が訛って出来たものだと思われがちですが、実は意味は全く違っていて「悪い・お粗末な」という意味になります。場合によっては「だらしがない」という意味になることもあります。岐阜県の人に「おぞい」と言われたら、それは速さのことを言っているのではなく、悪い所を注意されている可能性があります。

「ちょっかい」や他人とのコミュニケーション：「かまう」

岐阜弁の「かまう」は、標準語では「ちょっかい」という意味になります。「他人とのコミュニケーション」という意味で使われることもあります。それとは別に、「自分で～を意識する」という意味で使われることがあります。例えば「服装にかまう」という岐阜弁の表現は、標準語に直すと「服装を意識する・服装に気を遣う」という意味になります。

相手が怒っていたり呆れていたりする可能性も？：「たわけ」

岐阜弁の「たわけ」は、標準語の「馬鹿」よりも少しきついニュアンスで用いられています。相手をきつく叱ったり罵倒したりする時に使われています。岐阜県の人に「たわけ」と言われたら、その人はただ怒っているだけでなくもっと激しく怒っている可能性があります。怒りを通り越して呆れている場合も考えられます。また、岐阜県の人にはなるべく「たわけ」と言わないように注意しましょう。相手を深く傷つけてしまうことになるからです。

つっこみ表現として使われる：「あかすか」

岐阜弁の「あかすか」は、標準語で「良いわけがないだろう」という意味です。現地では「そんなことあかすか」などと話されています。標準語では「そんなことで良いわけがないだろう」と解釈することができて、つっこみ表現として使われています。「あかすか」の部分に上昇調のイントネーションが置かれていて、話者の気持ちをよく表しています。

料理の評価によく使う：「あじない」

岐阜弁の「あじない」は、標準語では「まずい」という意味です。おそらく語源は「味気無い・味が無い」ですが、それが転じて「まずい」という意味になって岐阜弁として定着しています。「あじない」は、料理の評価などによく使われている岐阜弁です。岐阜県の若い人達の間では、「あじない」の代わりに「あじねー」などと言われています。

面白い岐阜弁1：やったけど、えか

その他にも、岐阜弁には面白い表現がたくさんあります。「～やったけど、えか」は、その内のひとつです。標準語で「～でよろしいですか」という意味で、岐阜県では年配の人がよく使う方言として知られています。「えか、えか」と、語尾を繰り返すこともよくあります。実際に岐阜県では、「えか」の部分を強調して会話がされています。

面白い岐阜弁2：あんたの家にケッタで行くわ

「あんたの家にケッタで行くわ」は、標準語で「あなたの家に自転車で行くよ」という意味です。岐阜県だけでなく、東海地方（岐阜県・愛知県・三重県）でよく使われています。「ケッタ」とは自転車のことで、「蹴りたくる」という言葉が派生して自転車を表す言葉になったものと推測されています。これも主に年配の人達によって使用されている方言です。

面白い岐阜弁3：銀行行ってお金をこわしといて

「銀行行ってお金をこわしといて」は、標準語で「銀行に行ってお金を崩しておいてください」という意味です。岐阜県だけでなく、東海地方（岐阜県・愛知県・三重県）でよく使われています。この場合の「こわす」とは「物を壊す」という意味ではなく、「銀行などで紙幣を小銭に両替する」ことを意味している方言です。これも東海地方独特の表現です。

面白い岐阜弁4：ガバリ危ないから手ぇ気ぃつけえ

「ガバリ危ないから手ぇ気ぃつけえ」は、標準語で「画びょうは危ないから手に（ケガをしないように）気をつけてください」という意味です。「ガバリ」とは「画びょう」を表す岐阜弁で、画びょうの「画を貼る」役割から転じて「ガバリ」と呼ばれるようになったと推測されています。岐阜弁について説明する時に、よく使用されている言葉です。

日本の真ん中岐阜と近い方言ー名古屋弁？半関西弁？

上述したように、岐阜弁は標準語と関西弁の中間にある方言です。語尾に付ける「やお」や「やおね」は、関西弁では「やね」や「やな」などに対応しています。しかし愛知県に近いこともあって、名古屋弁の影響が見られることもあります。「ケッタ」=自転車・「B紙」=模造紙などは、名古屋弁と同じです。岐阜弁は「ありがとう」などのアクセントも名古屋弁と同じで（「が」のところ）、岐阜弁に近い方言として知られています。

まとめ

様々な岐阜弁の意味と使い方について、面白いフレーズやかわいい言葉などを織り交ぜながら紹介しました。アニメーション映画「君の名は。」にもよく登場している岐阜弁は、映画を見た人には結構身近なものに感じていることでしょう。そして、周囲に岐阜県出身の人がいる場合にはその人に積極的に話しかけて、岐阜弁の魅力に実際に触れてみることをおすすめします。それは岐阜県の良さを新たに発見することにもつながります。

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