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【伝統芸能】端唄・歌沢入門!長い歴史を持つ唄を知ろう

更新日: 2023年11月22日

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日本には三味線音楽というジャンルが古くからあります。三味線音楽とは三味線の伴奏に合わせて歌うスタイルのことですが、地歌(じうた)、長唄(ながうた)、浄瑠璃(じょうるり)など様々な種類があります。端唄(はうた)も歌沢(うたざわ)もそんな三味線音楽のひとつです。
端唄は江戸末期に武士や庶民の間で広く親しまれました。短い曲にのせて庶民の生活を歌うもので、大流行をみせました。その後、端唄から派生したものが歌沢です。
端唄や歌沢の誕生にはどのような歴史があったのか、そしてどのような曲があるのかなど、端唄や歌沢に触れるのが初めての方にも分かりやすくまとめてみました。

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端唄・歌沢とは?意外に知らない基本情報を見てみよう!

端唄は江戸時代に成立した三味線音楽のひとつです。幕末に武士や町人、一般の庶民など大衆の間で広く親しまれたいわば流行歌でした。特定の形式をもたず、短編の楽曲で成り立っていました。明治以降は宴の席などで人気が出て、レコードやラジオを通じて広まりました。関西地方で流行っていた「端歌(はうた)」「上方端歌(かみがたはうた)」と区別するために「江戸端唄」と表現することもあります。
歌沢は端歌から派生した短い歌謡のことです。サラリと歌う端唄に対し、歌沢はこってりと丁寧に歌います。歌沢、哥沢とそれぞれ名乗る二派が誕生したことから、それらをまとめて「うた沢」と表記されることもあります。

端唄・歌沢を広めた人って?気になる「歌沢大和大掾」について

端唄は大衆の間に浸透していた地歌から生まれました。そのため創始者は不明です。一方歌沢の創始者は「歌沢大和大掾(うたざわやまとのだいじょう)」です。歌沢は端唄から派生したものであり、端唄と歌い方を変えることでその独自性を保っていました。1857年、笹本彦太郎という旗本が歌沢大和大掾という名を受けた事により歌沢は公認されたものとなりました。成立当初は御家人のような武士と、畳屋、火消し、魚屋などのような町人とが端唄の同好者として一緒に活動していました。

いつからあったの?端唄・歌沢の歴史をたどってみた!

端唄とは長唄との対語であり、その記録は元禄年間に刊行された『松の葉』に見ることができます。この端唄が流行したのは1842年の天保の改革以降です。この当時、三味線は贅沢品とみなされて、幕府は庶民に三味線演奏を禁止しました。歌舞伎伴奏などのプロの奏者は営業を認められましたが、街の稽古場などでは禁止されてしまいました。10年ほどこの禁止令は続いたと言われています。三味線が解禁されたのち、久しぶりに三味線を手にした人々は気軽に演奏できる小曲を好み、端唄が大流行しました。
大流行の中でいくつかの同好団体ができあがりますが、そのうちのひとつが「歌沢連」という歌沢笹丸(うたざわささまる)を中心とした団体でした。歌沢笹丸はのちに歌沢大和大掾を受領します。歌沢連は一大勢力となり、劇場や花柳界へ進出し、端唄の体質が変わってしまいました。
明治初期になると明清楽(みんしんがく)や唱歌の影響を受けて端唄は衰微していきます。大正以降はますますその勢いは弱まり、昭和に入ると端唄は忘れ去られてしましました。しかし1968年根岸登喜子(ねぎしときこ)により「端唄の会」が開催され、以降も定期的に催されることにより、端唄は人々の間に再び浸透し始め、現代文化として定着するようになりました。

いま有名な「根岸禮知」さんてどんな人?

一度は衰退し、消滅しかかっていた端歌を蘇らせたのは根岸登喜子さんでした。登喜子さんは1964年に邦楽技能者育成会を卒業しました。それまで小唄を教えていた登喜子さんはこれを機に端唄へと転向することになります。端唄を復活させようと古い歌本やレコードを集め、端唄の歴史や音楽を組み立てました。そして1968年に「端唄の会」を発足。端唄は復活することができました。
こうして誕生した端唄根岸流は現在は二代目家元根岸禮(れい)さんが宗家となり、三代目家元には根岸禮知(れいとも)さんが就任しました。現在は宗家禮さんも三代目家元禮知さんも稽古などを通して端唄の伝承に尽力しています。

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これであなたも端唄マスター!注目の春雨をご紹介

端唄の代表曲のひとつに『春雨(はるさめ)』があります。江戸時代嘉永(1848-54)頃に流行しました。作詞は柴田花守(しばたはなもり)、作曲は長崎の花街・丸山の遊女と言われています。
遊女をウグイスに、梅の木を男性に例え、梅の木に一途に寄り添うウグイスのようにいつしか自分の想いも結ばれるようにとの願いが込められています。この歌は、その歌詞になぞらえて『鶯宿梅 (おうしゅくばい)』と題されることもあります。
歌詞は以下の通りです。

春雨に しっぽり濡るる鶯の
羽風に匂う 梅が香や
花にたわむれ しおらしや
小鳥でさえも 一筋に
ねぐら定めぬ 気は一つ
わたしゃ鶯 主は梅
やがて身まま気ままになるならば
サァ 鶯宿梅じゃないかいな
サァサ なんでもよいわいな

端唄『猫じゃ猫じゃ』をご紹介します!

江戸末期から明治にかけて流行した江戸端歌の中に『猫じゃ猫じゃ』という歌があります。妾が間男と会っている時に運悪く旦那が帰宅します。慌てて間男を隠した妾は「今、来ていたのは猫だ」と言い訳するも・・・という歌詞です。歌の最後を「オッチョコチョイノ チョイ」というはやしことばで締めることから「おっちょこちょい節」とも言われます。この『猫じゃ猫じゃ』には元の歌がありました。1828年『蝶蝶蜻蛉』です。また、夏目漱石の『吾輩は猫である』には「その内の一疋は席を離れて机の角で西洋の猫じゃ猫じゃを躍っている」という記述がみられます。
以下が『猫じゃ猫じゃ』の歌詞です。

猫ぢや猫ぢやとおしやますが
猫が、猫が下駄はいて
絞りゆかたで來るものか
オツチヨコチヨイノチヨイ

日本の粋/端唄・小唄のおけいこ 第6集 宴

歌沢にはどんな流派があるの?

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端唄から派生した歌沢は1857年に成立しました。歌沢は端唄に品と重みを付けて、丁寧に、ゆっくりとした歌い方をします。端唄が大衆に浸透していたのに対し、歌沢は身分のある人々の間に浸透していったと言われています。
歌沢は初代家元である歌沢笹丸の没後、「虎派」と「芝派」に分派します。畳屋の平田寅右衛門(ひらたとらえもん)が歌沢寅右衛門と名乗り初代歌沢家元となると、その4年後に御家人であった柴田金吉が歌沢から離れ、哥沢芝金(うたざわしばきん)として哥沢芝派として分派しました。
以降、寅派の歌沢と芝派の哥沢の両派が続き、これらをまとめて総称するときは「うた沢」とするようになりました。

江戸の文化(2)長唄/哥沢/端唄/小唄

端唄や歌沢ではどんな楽器を演奏するの?

端唄も歌沢も三味線音楽ですので、三味線を伴奏として用います。三味線は450年ほど前に琉球から大阪に伝わりました。もともとは中国の三弦(サンシェン)という楽器が起源だとされています。三味線には細棹、中棹、太棹という三種類があり、演奏するジャンルによって使い分けられています。端唄で用いられるのは中棹三味線です。三味線は棹の太さだけではなく、胴の構造、皮の張り方などによっても音色や響きに大きな変化が見られます。さらに糸、駒、撥(ばち)の組み合わせによってもまた変わるため、とても繊細な楽器といえます。

やさしく学べる 三味線入門

野口 啓吉 (著)
¥770

端唄を演奏したい!どこで教えてもらえるの?

実際に端唄を演奏してみたいと思ったらどうしたらいいのでしょうか。日本各地にお稽古が受けられる教室がたくさんありますので、そちらに問い合わせるといいでしょう。
端唄は一曲3分程度と短いので、初心者の方でも比較的取り組みやすいジャンルだと言われています。端唄の教室では三味線はもちろんのこと、小唄も習えるところが多いようです。
費用は稽古時間や稽古回数にもよりますが、月に1万円くらいからが一般的です。三味線も用意しなければいけませんが、三味線はだいたい7万円~10万円ほどが相場のようです。三味線に必要な小道具類も併せて、10万円前後で用意できるでしょう。ここで注意すべきは習う流派によって、使用する三味線が異なること。購入前にはどのような三味線が良いのかを必ず先生に確認してくださいね。

端唄根岸流 東京都本部神保町教室

東京都千代田区神田神保町1-34 根岸ビル
090-3574-5305
水曜日午後
体験教室あり
http://www.hauta-negishi.com/

端唄を知るにはこの一冊!おすすめの本をご紹介します

端唄は武家や町人、庶民など大衆の間で広まったので、その歌詞からは当時の人々の生活をうかがい知ることができます。恋のやり取り、故郷への思い、世相への風刺などが端唄の歌詞にはこめられています。その口調もだいぶ俗っぽく、当時の人々をより身近に感じられることでしょう。
江戸末期を中心に明治中期までの江戸端唄を収録し、注釈をつけたいわば江戸端唄の集大成ともいえるべき本が『江戸端唄集』です。
一般的に知られている端唄はほとんど収録されているので、これから端唄を知りたいと思う方にはおすすめしたい一冊です。

江戸端唄集 (岩波文庫)

倉田 喜弘 (編集)

まとめ

三味線音楽のひとつである端唄と歌沢は幕末から大流行していました。端唄は1曲が3分程度と短く、その気軽さからも人々の間で瞬く間に広がっていきました。当時の人々の生活が描かれており、当時を知る手がかりにもなるでしょう。歌沢は端唄から派生した同じく三味線音楽ですが、端唄よりも丁寧でゆっくりとした曲調という違いがありました。それぞれに面白さがありますね。
端唄も歌沢も短い曲なので、三味線が初めての人にも取り組みやすい音楽です。聴くもよし、自分で演奏するのもよし。粋に三味線を演奏し、歌うことができたら素敵ですね。

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