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【世界遺産】 フランキンセンスの国土:香りに包まれて当時に思いを馳せる、乳香貿易で繁栄した遺跡

アラビア半島のオマーンという国をご存知ですか? 現国王の祖父王が、大恋愛の末、国王の地位を捨てて、日本人女性と結婚したことから親日家も多い国です。そのロマンチックな逸話のあるオマーンの南部、ドファール地方はオマーン特産の香料「乳香(フランキンセンス)」の産地として知られています。古代から中世にかけて何世紀にもわたって乳香交易の拠点として栄え、当時の繁栄の様子を伺える遺跡などが残っています。 遺跡の資料的価値から、2000年には、フランキンセンスを採取できる木が自生している地域とフランキンセンスの交易で栄えた街の遺跡群があるオマーン南部の地域がユネスコの世界遺産に登録されました。 インド洋の海風の影響で緑も多く、農作物も豊富で魚介類がおいしいオマーンでフランキンセンスの香りに包まれてみませんか? フランキンセンスを取り巻く文化とフランキンセンスの国土を紹介します。

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更新日: 2024年4月28日

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フランキンセンスとは?

©Unesco

http://whc.unesco.org

フランキンセンスの国土、または乳香の土地と呼ばれるオマーン南部のサラーラにある遺跡などがユネスコの世界遺産に登録されました。フランキンセンスと言われても、ピンと来ない人も多いのではないでしょうか。

5000年前から使われていたフランキンセンス

フランキンセンスは、日本語で乳香(にゅうこう)と訳されることが多いお香の一種で、5000年前から使われていたと言われます。

乳香とは、樹木から分泌される乳白色の樹脂のことです。これを香呂で焚いた香りは、古代エジプトにおいて太陽神への祈祷に欠かせないものとされ、絶世の美女クレオパトラも好んで使用したといいます。レモンのような爽やかさと魅惑的な甘さをもち、沈静効果があることから、瞑想やリラクゼーションにも利用されていました。

インドやスリランカのアーユルヴェーダにも取り入れられ、古くからキレイになりたい女性の味方として活躍してきました。現在は日本でも、ハーブやアロマテラピー専門店などでエッセンシャルオイル(精油)を購入できます。

聖書にも登場するフランキンセンス

古代エジプト第18王朝第5代のファラオ、ハトシェプスト女王が紀元前1458年に亡くなったとき、墓室の壁一面に乳香を貼り付けられたという記述が残っています。
乳香は古代ユダヤ人にも受け継がれたため、聖書にもその記述が見られ、キリスト教世界でも重要なアイテムです。ベツレヘムでイエス・キリストが生まれた時、東方の三博士が捧げた贈り物のひとつに「乳香」があり、古くから聖なる香りとして認識されていたことがわかります。

そして、家にはいって、母マリヤのそばにいる幼な子に会い、ひれ伏して拝み、また、宝の箱をあけて、黄金・乳香・没薬などの贈り物をささげた。

(新約聖書:マタイによる福音書、第2章11)

このようにフランキンセンスはユダヤ教、キリスト教で儀式にはなくてはならないものでした。

ボスウェリア属の樹木から採れるフランキンセンス

フランキンセンスはムクロジ目カンラン科ボスウェリア属の樹木から採取する液で作られます。その樹液が乳白色の液状の物質で、しばらく空気に触れていると固まります。乳白色の樹液であることから乳香と呼ばれ、固まったものを焚いてお香として使われます。現在では、水蒸気で蒸留し、香水の材料や食べ物に香りをつけるためにも使われています。

フランキンセンスを採取する樹木は、アラビア半島南部、東アフリカ、インドに自生しています。 ボスウェリア属の樹木は、栽培することが難しく、自生する地域の特産品となっています。特にアラビア半島南部のオマーンのフランキンセンスが良質で、高価です。

現在も使われているフランキンセンス

サラーラのアル・フスン・スーク(Al Husn Suk)、マスカットのマトラ・スーク(Muttrah Souk)などオマーンの湾岸にある都市の市場(スーク)だけではなく、ドバイやドーハなどアラビア半島の各都市の市場では、フランキンセンスや各種香料を専門に扱い、常にフランキンセンスが焚かれ、フランキンセンスの香りが風景の一部のようにそこら一面に漂っています。
フランキンセンスの日本語名「乳香」という名前から甘い香りを想像する人もいるかもしれませんが、「乳」はあくまで樹液の色からつけられた名前で、フランキンセンスの香りはもっと清々しい匂いです。フランキンセンスを炭で焚き、燻される煙の香りによって心身を清め、衣服にも香りがたっぷり含まれ、生活の中に今も生き続けています。

オマーンのフランキンセンスを使ったラグジュアリーな香水・アムアージュ

実は最近では安価なソマリア産のフランキンセンスが国際的に流通されるようになり、オマーンのフランキンセンス産業が衰えつつありました。オマーンのフランキンセンスの伝統を維持し、活性化させるため1983年香水会社アムアージュ(Amouage)がカブース国王の命によって創設されました。

香水の都と呼ばれるフランスのグラース市と合同でオマーン産フランキンセンスにカルダモン、白檀、丁子などの香辛料やマンゴーやパパイヤなどの果物エキスなどを120種類位上の香りをブレンドし、世界最高級の香水が開発されてきた。マスカット郊外に建設された工場は一般公開もしており、観光の新しい名所になっています。

アムアージュの香水はネット販売のほか、マスカット、ドバイ、ドーハ、マナマ、クウェート、ジェッダ(サウジアラビア)、ロンドン、ローマ、クアラルンプールなどのアムアージュの店舗で販売されています。アムアージュの名声が新たにオマーンのフランキンセンスの名前を国際的に有名にしました。まだ、日本では販売されていませんから、オマーンのお土産にいかがでしょうか。

アムアージュ

https://www.amouage.com/

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世界遺産「フランキンセンスの国土」の見どころ

2000年に世界文化遺産に登録された「フランキンセンスの国土」。世界遺産の登録対象となっているのは、紀元前2世紀ごろに繁栄したオアシス都市「シスルの考古遺跡」、乳香の貯蔵庫などが発見された港「ホール・ルーリの考古遺跡と自然環境」、紀元前1300年~前300年の鉄器時代に港町として発展した「アル=バリードの考古遺跡」、さらに、現在も乳香の樹木が生い茂る「ワジ・ダウカの乳香公園」です。

エキゾチックな砂漠の交易路を通って、古代エジプトにも運ばれていた乳香ですが、現在は交通の便があまり良くないので、タクシーかツアーで回りましょう。

シスルの考古遺跡(Archaeological site of Shisr)

シスル遺跡はサラーラの北方およそ170kmに位置します。紀元前2〜3世紀頃の交易都市の遺跡で、古くはウバルと呼ばれていました。トーマス・ E ・ロレンス(アラビアのロレンス)が「砂漠のアトランティス」と名付けた伝説の都市で発見できないままでしたが、1992年にアメリカ合衆国の研究チームが衛星写真の解析して発見しました。

ホール・ルーリの考古遺跡と自然環境(Archaeological site and natural environment of Khor Rori,

サラーラから東へ約35キロメートルに位置する古代都市サムフラム(Sumharam)は、ホール・ルーリー(Khor Rori)という名前でも知られている、紀元前1世紀に建てられた港町で、乳香の貿易をし、栄えていました。その交易のための港と要塞跡が残っています。フランキンセンスの貯蔵庫もここで発見されました。

アル=バリードの考古遺跡(Archaeological site of al-Balid)

Al Balid Archeological Park

アル=バリードはサラーラの東部の沿岸部に位置します。紀元前1300-前300年頃に栄えた港町で、中世、つまり紀元後12世紀頃まで栄えました。

©Unesco

http://whc.unesco.org

全体で64万平米の広がりをもち、アラビア半島南部最大規模の遺跡、モスク跡などが残っています。2007年にはフランキンセンスの国土博物館(Museum of the Land of Frankincense)が考古遺跡公園内にオープンしました。フランキンセンス貿易によって栄えたオマーンの歴史やオマーンのイスラーム教の発展などについての資料が展示されているほか、中庭に植えられた乳香の木に触れたり、ショップでエッセンシャルオイルなどを購入することもできます。

ワジ・ダウカ乳香公園(Frankencense Park of Wadi Dawkah)

©Unesco

http://whc.unesco.org

サラーラの北部約40キロメートルに位置するフランキンセンスを採取するボスウェリア属の樹木が自生している公園です。普段は枯れた川で、雨季になると水が流れる川(ワジと呼ばれます。)のある場所に湿地帯が広がり、フランキンセンスの木が生えています。紀元前3000年に採取し始めていたとされています。ワジ・ダウカ乳香公園は、ユネスコの世界遺産に登録されているだけではなく、国立公園に指定され、保護されています。環境保護のために、1万本の木が植樹されました。

フランキンセンスの国土/Land of Frankincense

Oman Dhofar Province
※名称は、データ部分のみユネスコ日本サイトの表記に合わせています
http://whc.unesco.org/en/list/1010

フランキンセンスの国土へのアクセス

オマーンはアラビア半島に南部、ペルシア海とアラビア海に面し、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イエメンに隣接しています。首都はマスカット (Muscat)。フランキンセンスの国土は、オマーン第二の都市サラーラ(Salalah)にあります。サラーラはマスカットより南にあり、イエメンとの国境に近い都市です。

オマーンへの直行便はありません。日本から行くには、エミレーツ航空でドバイ経由、カタール航空でドーハ経由、トルコ航空でイスタンブール経由、タイ航空でバンコク経由などで、フランキンセンスの国土があるサラーラに到着できます。約12時間のフライトです。

または、首都マスカットに行き、そこから国内線でサラーラに行く方法もあります。マスカット国際空港からサラーサ国際空港まで約1時間45分です。アル=バリードの考古遺跡まで国道47号経由で約20km、30分かかります。ワジ・ダウカの乳香公園まで国道31号経由で約50km、45分などです。

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Agoda

入国にビザは必要ですが、オマーンの空港で簡単に取得できます。ただし、早く並ばないと長い列になり、待たなくてはいけない場合があるので注意してください。費用は6リアル(約180円※2017年12月現在)です。
オマーンはかなり厳しいイスラム国家ですから、アダルト系のものを持ち込むことは禁止されています。入国のとき、スーツケースを検査され、所持していると没収だけではなく逮捕されることもありますから注意してください。

オマーンの気候、サラーラの気候

オマーンは砂漠地帯に近いというイメージがありますが、サラーラはインド洋に面しているため、意外と湿気もあり、モンスーン気候の影響があります。写真のようにサラーラの近郊は緑がいっぱいです。6月から9月は強い雨が降る日も多いです。夏の間は、オマーン全体が40度以上の高温になりますから、旅行は11月から翌3月くらいが一番過ごしやすいです。夜になると冷える場合がありますから、ジャケットの用意をしましょう。

イスラム教の地域ですから、女性はあまり肌の露出のある服を避け、ムームーのようなふんわりした服を着ると暑さ対策になります。

サラーラの海岸で楽しめるアクティビティー

Agoda

サラーラの海岸は、白い砂が続き、その美しさは他に例を見ないほどです。イスラム教であまり海水浴をしないこともあって、イルカや鯨が海岸近くまでやってきます。実はホエールウォッチングの穴場なのです。海はインド洋で外海ですから、流れが激しいので危険ですから、水の中には入らない方が良いでしょう。海沿いにいろいろなものに乗って散歩するのがおすすめです。

Agoda

サラーラでラグジュアリーなホテルに泊まりグルメも!

フランキンセンスの国土だけではなく、海の美しさも楽しめるサラーラはのんびり過ごせるゆったりホテルもたくさんあります。フランキンセンスの国土で楽しんだあとは、ステキなホテルでのんびりしましょう。

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