大都会・東京の海の玄関口である東京湾。世界有数の国際貿易港を有するこの海において、海と自然に親しむことができる葛西臨海公園には日々多くの人々が癒しを求めて足を運んでいます。そんな葛西臨海公園の中にあって、東京の海、日本の海、そして世界の海を観察することができる施設が葛西臨海水族園です。今回は、東京湾に面して佇むこの葛西臨海水族園の魅力をご紹介していきます。
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東日本一の人気を誇る水族館
葛西臨海水族園が開園されたのは1989年（平成元年）。東京湾岸地区整備事業の一環として、上野動物園開園100周年を記念して計画されました。「海と人間との交流の場」となることをそのモットーとしており、様々な海の生き物の展示やふれあいイベントなどを積極的に開催しています。東日本でもっとも人気のある水族館として知られており、開園初年度には年間入場者数355万人を記録し、当時の日本記録を大きく更新するものでした。
水族園にいる生き物の多くは職員が現地で採集してきたもの。南極や北極のような極地にも赴き、直接葛西臨海水族園に連れてきています。そのため他の水族館にはいない、珍しい生き物も多く展示しているのが特長の一つです。また、飼育用に使用されている海水のほとんどは八丈島沖から船とトラックでわざわざ輸送してきたもの。東京湾に面する立地条件から海水にはまったく困らないはずなのに、よりよい環境を目指して努力を惜しまない姿を見られます。47の水槽に約650種もの生き物が展示されている葛西臨海水族園はとても広く、すべてをしっかりと見て回ろうと思えば十分な時間を用意しておく必要があるでしょう。
世界の海を一堂に会した数多くの展示
大洋の航海者
東京湾の上に浮かぶようにそびえるガラスドームの入り口を通り、エスカレーターを降りた先にある最初のコーナーである大洋の航海者。このコーナーにはまずアカシュモクザメやマイワシの群れ、ウシバナトビエイなどが正面に姿を現します。そこから1階に進むと、葛西臨海水族園の目玉の一つでもあるドーナツ型の大水槽がお出迎え。水量2200トンの規模を誇るこの水槽ではクロマグロ、キハダマグロ、カツオといった回遊魚がすごいスピードで群泳する迫力のある姿を間近で観察できます。ドーナツ状の水槽の内側はアクアシアターと呼ばれ、自分の周囲を魚たちが泳ぐ幻想的な空間を演出しています。
世界の海
太平洋、インド洋、大西洋、カリブ海、深海、北極海、南極海といった世界中の海から集められた珍しい海の生き物を展示している「世界の海」。熱帯のサンゴ礁に住む色鮮やかな魚から極寒の極地の海に住む強靭な生物まで見ることができるこのコーナーでは、まるで世界中を旅しているような感覚を覚えることができるでしょう。
ペンギンの生態
水族館や動物園の人気者ペンギン。葛西臨海水族園にはフンボルトペンギン、イワトビペンギン、フェアリーペンギン、オウサマペンギンの4種類が飼育されています。その規模は国内最大級。動き回るペンギンを陸上から、水中から、2つの異なった視点から観察することができるようになっています。
海藻の林
海藻の林に展示されているのは、世界最大の海藻ジャイアントケルプ（和名はオオウキモ）。コンブ科に属し、最大では50メートル以上にもなる種類です。主にアメリカの西岸に生息しており、葛西臨海水族園ではその主要な生息地であるカリフォルニアの海の生態を再現しています。巨大な海藻が林立し、あたかも海中の森のように漂うさまをゆったりと眺めましょう。
東京の海
東京の海、とは決して東京湾のみを指す言葉ではありません。大都会東京から南海のパラダイス・小笠原諸島に伊豆七島と、さまざまな環境を有しています。葛西臨海水族園では、小笠原諸島、伊豆七島、東京湾の3つのコーナーに分けて、東京の海の生態を展示しています。東京の広さと、その享受している自然の恵みを感じることができるはずです。
海鳥の生態
海に暮らす生き物といえば魚を主に思い浮かべがちですが、その海の上では多くの海鳥たちも生活しています。海のめぐみを享受しながら生きているエトピリカやウミガラスといった海鳥たちも、葛西臨海水族園で展示されています。彼らの特長は、まるで空を飛んでいるかのように水中に飛び込み、泳ぐことができること。そうすることで上手に魚を捕らえて食べています。海鳥たちのハンティングを間近で楽しみましょう。
水辺の自然
今でこそコンクリートジャングルと化した東京ですが、かつては水にあふれ、自然が豊かな土地でした。「水辺の自然」では、水辺が多く存在していたころの東京の淡水環境が再現されています。大きく2つのコーナーに分かれており、「池沼」では多くの水草を植え込んで流れの少ない池や沼の環境を再現し、モツゴやドジョウなどの生き物を観察できます。「渓流」では、ウグイなどといった山間の渓流魚が流れに逆らって泳いでいく様を展示しています。
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魚介を活かした食事が人気
葛西臨海水族園の1階にはセルフサービス式のレストラン「シーウインド」があり、ここで食事をとることができます。屋内席のみならず屋外のテラス席もあり、東京湾を眺めつつ、潮風に吹かれながら爽やかなひと時を楽しむことができるでしょう。一番のおすすめはまぐろカツカレー。猛スピードで泳ぐマグロを目で楽しんだ後は、カラッと揚げられたマグロを舌で楽しむのもまた乙なものかもしれません。広い水族園を見て回る間の休憩にも活用しましょう。
都内で移動水族館を実施
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葛西臨海水族園では、実際に来園するのが難しい人たちに対してや、収益を目的としない教育目的の公共イベントなどに対して、移動水族館を実施しています。専用トラック「うみくる号」とワゴン車「いそくる号」を使って都内の各所に水族館が来てくれるうれしいサービスとなっています。サンゴ礁に住む生き物や、東京湾に住む生き物などと実際に触れ合い、学ぶことができるこの移動水族館。素敵な思い出となること間違いないでしょう。
東京都心に至近のアクセス
葛西臨海水族園の最寄り駅はJR京葉線の葛西臨海公園駅。ここから徒歩で約5分の距離にあります。葛西臨海公園駅までは東京駅からわずか13分で到着。非常にアクセスのいい場所にあるといえるでしょう。地下鉄東京メトロ東西線の葛西駅および西葛西駅からは都バスで向かうこともできます。
葛西臨海水族園ならではのアクセスとして、水上バスもおすすめ。両国やお台場海浜公園、浅草といった観光地からも発着しています。都心を流れる荒川や隅田川の上から東京の街並みを眺めながら、楽しく葛西臨海水族園に向かうことができるでしょう。
大都会のウォーターフロント・葛西臨海公園
葛西臨海公園は東京湾に面して造られた広大な公園で、その規模は都立公園の中でも最大級のものです。葛西臨海水族園もこの葛西臨海公園のなかに位置している施設の一つ。公園内はいくつかのエリアに分けられており、それぞれ特色のある造りとなっています。
公園東部にある鳥類園ゾーンは広大な森となっており、その中にある淡水の「上の池」と汽水の「下の池」には多くの野鳥や渡り鳥が生息しています。バードウォッチングの施設もそれらの池のほとりを中心に充実しており、日々野鳥観察愛好家たちが集っている場所です。
公園西北部にある芝生広場ゾーンの目玉は大観覧車「ダイヤと華の大観覧車」。日本で2番目の大きさを誇るこの大観覧車からは、すぐそばの東京ディズニーリゾートをはじめ、房総半島や東京アクアライン、遠くには富士山まで一望できます。その足元にある芝生広場には水仙やコスモスなどの花が植えられた花畑があり、毎年2月ごろには東京都の主催で水仙畑のライトアップなどを行う水仙まつりが開催されています。
海に面している汐風の広場ゾーンにはガラス張りの展望台があり、東京湾を一望できます。西側にある汐風の広場はイベント会場としても使用されており、過去にはAKBのライブやa-nationといった大規模なライブイベントもここで開催されました。
沖合に隣接する葛西海浜公園は1996年に「日本の渚百選」にも選ばれた風光明媚な場所です。泳ぐことは禁止されていますが、東京湾の美しい景色を眺めながら干潟で磯遊びなどを楽しめます。
葛西臨海水族園は公園の中央部付近の水族園ゾーンに位置しています。水族園を楽しんだ後は、ぜひ葛西臨海公園を散策してみるとより一層楽しめるはずです。
「葛西臨海水族園」のまとめ
大きな水槽の中で悠然と泳ぐ生き物たちの姿は心を安らげてくれるものです。世界有数の大都市・東京の都心からすぐ傍にあって、世界中の海を体感できる葛西臨海水族園はまさに都会のオアシスと呼ぶべきところでしょう。もちろん癒しを求めるばかりでなく、教育に力を入れているので子ども連れで行くのにもいいですし、水族園の雰囲気はカップルのデートにも最適な場所です。ぜひ気軽に足を運んでみてはいかがでしょうか。
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