ひろしま美術館徹底ガイド：近代洋画が幅広く揃い、自然と調和した美術館

「ひろしま美術館」ってどんな所？

「ひろしま美術館」は、広島の中心都市、広島市に1978年11月3日に開館した美術館です。広島銀行が創業100年の記念、地域と共に歩んだ歴史の証しとして建設しました。美術館の周辺には、歴史を感じさせる「広島城跡」、原爆の被害を今も名を世界中に伝える世界遺産「原爆ドーム」など、有名な観光スポットがあります。

JRの駅、路面電車の駅からのアクセスも良く、有名観光スポットと合わせて、お出かけや観光の際に思わず足を運びたくなる絶好の立地です。

地域に根付いた美術館として日々発展を続けていく中で、2003年には美術館のマスコットキャラクターも誕生しました。1000を超える候補から選ばれた「ゴッホくん」は画家のゴッホをモチーフにしたキャラクターです。大人から子供まで、美術館を訪れた人を笑顔にするユニークな外見も特徴です。

「ひろしま美術館」の魅力

「ひろしま美術館」の魅力は、展示されている有名画家の作品たちだけではありません。こちらの美術館の大きな魅力は、四季のある美術館として、季節ごとにさまざまな景色を見られることです。

春には美術館前の庭に植えられた、ピカソの息子、クロード･ピカソから贈られたマロニエの木が芽吹き始めます。GW頃には赤く綺麗な花を咲かせます。
夏には美術館中庭のサツキが鮮やかなピンク色に色付きます。ピンク色に染まった中庭には思わず目を奪われます。
秋には、全国から集められたモミジの紅葉を楽しめます。色付く季節がモミジの種類ごとに異なるので、長い期間美しい紅葉を鑑賞できます。
冬には清廉な印象を感じさせる、真っ白な雪に包まれた美術館を見られます。

美術館を取り巻く四季折々の景色が、館内で過ごす時間をより特別なひと時にしてくれます。

「ひろしま美術館」の見どころ

入場前からアートな空間を楽しめる！

「ひろしま美術館」の敷地内のいたる所にアート作品が置かれているので、館内に入る前からアートな気分に浸れます。屋外には印象的な上半身のみの彫刻や、イベント展示とコラボしたアートなどが並びます。作品を鑑賞しながら美術館に足を進めれば、これから館内で出会う作品たちへの期待感も自然と増します。

また「広島市中央公園」内に建てられたこちらの美術館周辺では、移ろいゆく四季も楽しめます。季節による変化する景色と屋外アートを合わせて写真に収めれば、フォトジェニックな一枚に仕上がります。

ロマン派から印象派の展示

「ひろしま美術館」の中では時代や流派ごとに世界の巨匠が描いた作品を鑑賞できます。その一つがロマン派、印象派の作品です。人間らしい感情や民族意識を絵に反映したロマン派、繊細な筆遣い、まるで光の質や空間の奥行まで感じさせる絵を描いた印象派の作品に、思わず目を奪われます。

印象派の第一人者として名をはせたクロード・モネの「セーヌ河の朝」は、ゆらゆらと揺らめいているかの様な水面、刻々と変化していく朝のセーヌ川の情景を見事に表現しています。

色彩豊かなポスト印象派と新印象主義の展示

印象派の技術や画風を引き継ぎつつ、激しい色彩や独自のテーマを用いて描かれたポスト印象派、印象派の重視した光の動きをより具体的、理論的に絵に表現した新印象主義の絵画も「ひろしま美術館」に飾られています。

中でも美術館のイメージキャラクターにもなっているゴッホは、ポスト印象派を代表する作家として知られています。そんなゴッホが描いた「ドービニーの庭」は、ゴッホが亡くなる2週間前に描かれた作品です。ゴッホらしい色使いとタッチが見る人を引き付ける作品です。

フォーヴィスムと充実したピカソの展示

フォーヴィスムとは原色系の色を多用した感覚重視の絵画です。それらの絵に加えて、ピカソの展示がこちらの美術館では充実しています。フォーヴィスム作品としてはラウル・デュフィの「エプソム、ダービーの行進」があります。ダービーの華やかさを感じさせる明るい色遣いが印象的です。

美術史になお残すピカソの作品の中では、「酒場の二人の女」が印象的な青い色彩で見る人を惹き付けます。青い絵の具を中心に描かれた、作品からは人間が持つ悲しみがにじみ出ているように感じられます。

パリ派の画家たちの作品を集めたエコール・ド・パリ

エコール・ド・パリは、パリ派とも呼ばれる1920年代にパリで活躍した画家たちの総称のようなものです。絵画のみならず版画の分野でも才能を発揮したローランサン、ロシア、フランス、二つの土地にゆかりを持つ画家、シャガールなどの作品が飾られています。

青と淡いピンク色の色遣い、絵の構図に特徴を持つローランサンの「牝鹿と二人の女」、シャガールのユダヤ教への思いも垣間見える「ヴィテブスクの眺め」といった、世界の巨匠が描いた絵画を眺める時間は格別なものとなるはずです。

テーマを変えて開かれる特別展

「ひろしま美術館」では300点所蔵されている作品を鑑賞できる常設展に加えて、一人の画家やテーマに焦点を当てた期間限定開催の特別展が一年を通し行われています。定期的に内容も変わるので、自分好みの特別展が開催された際は、ぜひ足を運んでみましょう。

過去に開催された特別展としては、今もなお多くの人に親しまれている絵本「はじめてのおつかい」の著者、林明子の原画展、「東海道五十三次」を描いた浮世絵作家、歌川広重をテーマにした展示などがあります。個性豊かなテーマで見る人を引き付ける特別展もこの美術館の魅力です。

音楽を楽しめる「ミュージアムコンサート」

「ひろしま美術館」では、絵に対する興味、関心を抱かせるユニークなイベントが行われています。特別展とコラボしたイベント、絵について学芸員が分かりやすく解説する「ギャラリートーク」など充実の内容です。

そんな数あるイベントの中でもこの美術館らしいものが、「ミュージアムコンサート」です。月ごとの第二土曜日にピアノやバイオリンを用いた本格的なコンサートが館内で開かれます。料金は無料なのもうれしいポイントです。館内の美術作品と音楽を合わせて楽しみ、芸術を楽しみましょう。

館内レストラン「カフェ・ジャルダン」

「ひろしま美術館」内の「カフェ・ジャルダン」からは、美術館の中庭の景色を眺めながら、食事やティータイムのひと時を過ごせます。パリの一角を思わせるシンプルながらおしゃれな内装が、美術館らしさを感じさせます。

カフェメニューには、館内の絵画の名前が付けられた遊び心のあるメニューもあります。ランチセットの「アンデルセンプレート」1,080円（税込）では、5種類のパンの中から好みのパンを3種選べます。季節によって内容が変わるスープ、サラダと共にいただきましょう。

オリジナルグッズを買える「ミュージアムショップ」

美術館は、撮影可能な作品を覗いて、一般的に作品の撮影ができない場合が多いです。そんな美術館で旅の思い出やお出かけの記念となるのが「ミュージアムショップ」で販売される、アートなお土産の数々です。ショップでは、「ひろしま美術館」オリジナルグッズをはじめ、絵や展示作品にまつわるお土産を購入できます。

ポストカード、絵ハガキなどの定番のお土産から、美術館オリジナルキューピー人形、絵画がプリントされたオリジナルマスキングテープなど、こちらの美術館ならではの商品も目白押しです。額付きの複製名画作成サービスなど、アート好きな人にうれしいサービスも用意されています。

バリアフリー化された館内

「ひろしま美術館」には、観光客から地元の方まで多くの人が訪れます。そんなこちらの美術館は、足が不自由な人、ベビーカー使う子連れの両親でも安心できるバリアフリーな設備が整っています。
館内には、段差のないスロープ、エレベーターが完備され、車いすやベビーカーでも気軽に利用できます。また受付で、ベビーカー、車いすの貸し出しも行われています。
赤ちゃん連れの母親に便利な搾乳室、おむつ替え用のベビーベッドも完備されています。多目的トイレもあるので、車いすや障害を抱えた人もゆっくりと美術作品を鑑賞できます。

「ひろしま美術館」の基本情報

「ひろしま美術館」の基本情報を紹介します。こちらの美術館の入館料は、常設展示、特別展を合わせて支払う形になっています。そのため特別展示の内容によって料金が変動します。2017年11月のヴラマング展においては、一般1,300円、高・大学生1,000円、小・中学生600円となっています。変動制なのでHPを見て確認してから足を運ぶのをおすすめします。

開館時間は午前9:00時～午後5:00時です。例外として特別展開催中の金曜日のみ午後7:00時まで開館しています。休館日は特別展開催時を除く毎週月曜日、年末年始です。月曜日が祝日にあたる場合翌平日へと振替になります。

何度も通いたい方には「メンバーズ制度」

訪れる人の「愛とやすらぎのために」をテーマにしたこちらの美術館では、そのやすらぎの空間に何度も通いたくなるような割引「メンバーズ制度」があります。それぞれの用途に合わせてプランが選べるのもおすすめポイントです。

女性のみを対象にした「メープルサロン」（年会費7,000円）は、入館料、特別展が無料になるだけでなく、館内で開かれるガーデンパーティーの無料参加、館内カフェの優待割引などの特典も付いてきます。

その他にも、入館料が一年を通して無料になる「一般用フリーパス」（年会費5,000円）、高校生から大学院生までの学生に向けた「学生用フリーパス」（年会費2,000円）といった各種制度を利用して「ひろしま美術館」観光を楽しみましょう。

「ひろしま美術館」へのアクセス

「ひろしま美術館」までのアクセスには、広島市内路面電車を使うと便利です。JR広島駅、もしくは横川駅から市内路面電車に乗り、紙谷町西、紙谷町東駅のどちらかで下車します。そこから徒歩4分ほどで美術館に到着です。

広島空港からは、広島バスセンター行きのリムジンバスに乗り、広島バスセンターで下車、そこから徒歩4分ほどで美術館です。
車を使う場合、広島I.C下車後、国道54号線を通り「県立総合体育館】方面へ進めば美術館にたどり着けます。駐車場は無料駐車場は5台分のみのスペースなので、広島市中央駐車場など周辺の有料駐車場を使うのをおすすめします。

「ひろしま美術館」観光のまとめ

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「ひろしま美術館」は、観光スポットが集中する広島の中心街にある美術館です。洋画をはじめとした世界に名を馳せた画家たちの作品、期間限定の特別展を管内では鑑賞できます。アクセスもしやすい立地なので観光の際はぜひ足を運んでみましょう。

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