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■コーヒー生育の厳しい条件をクリア
コーヒー栽培に適した条件は、熱帯特有のものです。朝と夜の温度差が大きい高地で、栄養に富んだ水はけのよい火山灰の土壌、年間2000mm前後の降雨量と十分な日照量が必要となります。標高1400～1600mのアンデス山地の急斜面は、この条件にぴたりと当てはまるのです。人間の背丈に近いコーヒーの木が山肌に並ぶ光景は、どこか日本の茶畑のようです。畑にはコーヒーの木だけではなく、バナナやグアバを植えて、直射日光があたらないように日影を作る工夫もされています。
この地域には、約2万4000軒にものぼるコーヒー農園がありますが、そのほとんどは小規模な家族経営です。機械化できない作業が多く、完熟した赤いコーヒーチェリーは手摘みして、天日で自然乾燥したあと、水に浸けて精製します。また、畑の上にあるカフェテロのスペイン風の住まいは、竹や木の支柱がある広いバルコニーやパティオ、粘土の瓦屋根、練り土の壁が特徴です。
■まぼろしの「エメラルドマウンテン」
コロンビアのコーヒーといえば、「エメラルドマウンテン」が有名です。しかし、そういう名の山も産地も存在しません。「エメラルドマウンテン」とは、コロンビア国立コーヒー生産者連合(FNC)の検査に合格した、最高ランクの豆に対する呼び名なのです。FNCは、300gの見本の豆で格付けします。スクリーン（サイズ）が17(6.8mm)以上の豆が80％を超えていれば、最高級「スプレモ」とし、そのうち、とくに良い豆が「エメラルドマウンテン」と呼ばれるのです。
「エメラルドマウンテン」と評価されるには、100％手摘み、天日乾燥、水に浸ける湿式精製、FNCの手作業チェック、7回のカッピング(鑑定士のテイスティング)、定温倉庫に保管されていることなどが条件とされます。「エメラルドマウンテン」は、スプレモ全体の1～3%しかない、本当に貴重な豆なのです。
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■コーヒーの苗を植えれば罪が許される!?
コロンビアで初めてコーヒーの木を植えたのは、1730年頃、ベネズエラ国境に近いタパヘ(Tapaje)のサンタ・テレサ修道院のホセ・グミジャ神父だといわれています。神父は、1736年にポパヤン(Popayan)の修道院にも苗木を植えました。とはいえ、当時コーヒーは修道院で飲まれるくらいで、ほとんど広まりませんでした。
そこで1834年、フランシスコ・ロメロ神父は、ベネズエラ国境に近いサラサールのククタ(Cúcuta)で、コーヒーの苗を植えれば「罪」が許されるといって、植樹をすすめました。1835年には、ククタコーヒー2592袋を、ベネズエラのマラカイボ港から輸出するほど普及しました。コロンビアは、現在では年間65万t以上も生産しており、ブラジル、ベトナム、インドネシアにつぐ世界第4番目のコーヒー大国となっています。
■コーヒー産地の文化的景観への行き方
難易度：★★★★☆（行くならツアーがおすすめ）
コロンビアの首都ボゴタからアルメニア(Armenia)、ペレイラ(Pereila)、ポパヤン(Popayan) などへの直行便で行けます。
文化的なことを知りたい場合は、ツアーに参加することをおすすめします。
■コーヒー栽培を学ぶツアーに参加！
コーヒープランテーションツアー＜英語ガイド／ボゴタ発＞
©UNESCO/FNC/MC/David Bonilla Abreo
甘い香りとマイルドな味わいのコーヒー豆の産地であるコロンビ・ボゴタ南部の街でプランテーションを訪れ、コーヒー豆栽培について学べるツアーです。
コーヒープランテーションツアー＜英語ガイド／ボゴタ発＞
- 催行：月～金曜／料金：$42～／問い合わせ：VELTRA／日本語：NG
©ＵＮＥＳＣＯ/Beatriz Helena Ramirez Gonzalez
コロンビアのコーヒー産地の文化的景観／Coffee Cultural Landscape of Colombia
- Caldas Colombia／Risaralda Colombia／Quindío Colombia／Valle del Cauca Colombia
- ※名称は、データ部分のみユネスコ日本サイトの表記に合わせています
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