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【伝統芸能】梯子乗り入門!知って楽しい日本の伝統文化

更新日: 2023年11月21日

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お正月の風物詩・出初式。そこで披露される伝統芸能の一つが梯子(はしご)乗りです。梯子乗りとは真っ直ぐにたてた梯子の上で曲芸をする伝統芸能です。細い梯子に登りながら様々な技を披露する様子はサーカスのような面白さがあり、見る者を飽きさせません。江戸時代の火消し文化から生まれた梯子乗りですが、なかなか見る機会もなく、なぜ梯子乗りが伝統芸能としてみられているのか分からない人も多いのではないでしょうか。この記事では梯子乗りについて初心者の方でも理解できるようにわかりやすく解説していきます。

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梯子乗りとは?意外に知らない基本情報を見てみよう!

梯子乗りに使われるはしごは高さ6.5m、15本の甲(足をかける横木)からなり、青竹から作られるのが一般的です。その梯子は演技中、揺れうごくため、演技者には高いバランス力と経験が必要です。江戸時代より演技者には火消しを担当していた鳶職の人が多くなっています。演技者だけでなく、梯子を支える人の役割も重要。二人のコンビネーションが梯子乗りには必要不可欠です。
江戸時代が終わると日常的にみられることはなくなりましたが、現在ではお正月の出初式を中心に消防士や消防団員の方が披露することが多くなっています。

梯子乗りを広めた鳶職人ってどんな人たち?

梯子乗りを広めたのは鳶職(とびしょく)の人たち。江戸時代には火事が頻発しており、その消火活動にあたったのが鳶職の人たちでした。元々、鳶職は梯子を用いて建物を建てたり、修繕作業などを行っていました。細い梯子の上で作業するには高い身体能力と勇敢さが必要でした。鳶職が持つ能力は頻発する江戸の火事に対応するのにぴったり。
当時の消火活動は水ではなく、建物を破壊し延焼を防ぐ破壊消火と呼ばれる手法で行われました。梯子を用いて消火活動を行う中で自然と梯子乗りに通じる技術が育っていきました。鳶職たちが持つ勇気と技術が伝統芸能につながっていきました。

いつからあったの? 梯子乗りの歴史をたどってみた!

梯子乗りの起源は江戸時代に遡ります。その起源には諸説あり、ここでは3つの説を紹介します。1659年開催の上野東照宮前の出初式で発祥した説、17世紀後半に行われていたはしごさしと呼ばれる見世物から誕生した説、享保3年(1719年)に町火消しが誕生したときに遠方の火災を見るために長いさすまたに町火消しが登った説です。
江戸の火消し文化の中から生まれた梯子乗りは江戸の庶民から親しまれ、現代でも東京のお正月の風物詩として人気です。平成18年3月16日には東京都指定無形民俗文化財に指定されました。

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いま有名な「今村浩一」さんてどんな人?

山梨県富士川町の消防団員・今村浩一さんは長年富士川町での梯子乗り文化を支えてきました。明治時代より消防団員だけで受け継がれてきた富士川町の梯子乗りはこの町のお正月の風物詩です。しかし、近年では人手不足が深刻で、長く続く伝統が途絶えてしまう可能性がありました。
梯子乗り16年のベテラン・今村浩一さんはその伝統を失わせることなく、後世に引き継いでいくために後継者の育成に力を入れています。今村さん自身は梯子乗りから引退していますが、梯子乗りをきっかけに地域のつながりや防災の大切さを伝えていきたいと考えているそうです。

これであなたも梯子乗りマスター!注目の出初式をご紹介

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出初式とは消防関係者により1月初旬に行われる仕事始めの行事のことです。現代で梯子乗りが鑑賞できる貴重な機会です。その起源はやはり江戸時代の火消したち。現代では地域ごとに消防関係者が主体となり開催されます。消防車の一斉放水や避難救助などの消防演習の他、梯子乗りや木遣歌などの伝統芸能が行われます。
中でも最大のものが東京消防出初式。江戸時代からの伝統を受け継ぐ江戸消防記念会による高い技術の演技が見られます。同時に10人を越える演技者が梯子の上で演技する様は圧巻の一言。ただ出初式に参加するには抽選となるため情報を得つつ、漏れのないように申し込みをすることが必要です。

ダイナミックな演技に注目!梯子乗りの鑑賞ポイントとは?

梯子乗りには大まかに3つの技の種類があると言われています。頂上技と途中技、わっぱの三つです。
頂上技とは梯子の先端で行う演技のこと。遠見(えんけん)・背亀(きはい)・肝潰しなどダイナミックで見ていてハラハラする演技が多いです。途中技とは梯子の頂上に登る途中での演技。肘掛け・吹き流しなどの演技が代表的。桟に足や手を絡ませる技が多いのが特徴です。わっぱとは「わっぱ」と呼ばれる長さ約1.3mの紐を輪にして梯子に掛け、足首などを絡ませて行う演技です。
実際の演技ではこれらの演技を組み合わせたり、アレンジを加えたりして演目を作っていきます。次々と繰り出される技に注目すると演技者の技術の高さをより実感できるでしょう。

アート蒼 絵てぬぐい「猫の江戸火消し」

こじましん

梯子乗りで使われる道具とは?

はしごのりに使用される梯子は約6m。青竹で作られています。梯子には14段の小骨と呼ばれる桟がついています。演技者はこの梯子に登り、演技を行いますが、それを支えるのが12本の鳶口(とびぐち)です。鳶口とは棒の先端に跳びのクチバシ型のカギをつけた道具です。元々は丸太や原木などの木材の移動や木造の建築物の解体に使われていました。
実際に梯子を登るために使われる道具以外には纏(まとい)が使われます。纏は江戸時代の町火消しの各組が持っていた旗のこと。旗の上部には町火消の組みを表す頭がつけられ、旗の下部には馬簾(ばれん)と呼ばれる細長く垂れ下がった飾りがついています。纏持ちが纏を振ることで演技者を鼓舞します。

江戸時代大全

稲垣 史生

まとめ

梯子乗りは江戸時代に火消しを担当した鳶職の人たちから始まった伝統芸能です。細い梯子に命綱なく登り、様々な技を繰り出す様は一見の価値あり。梯子乗りにはただ人を楽しませるだけではなく、火事が起きないように人々に注意喚起する役目もありました。現在ではなかなか見る機会がありませんが、興味のある方は地域の消防団などが梯子乗りの演技を行っていないか調べてみるのも手です。
梯子にのぼり技を披露する梯子乗りはシンプルでありながらダイナミックで緻密な技術が必要。この記事をきっかけに折に触れて、梯子乗りの裏側にある奥深さに触れてみましょう。

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