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【伝統芸能】紙切り入門!日本文化のひとつを知ろう

更新日: 2023年11月21日

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紙切りは江戸時代に広まった日本の伝統芸能の一つです。切り絵とも呼ばれます。舞台や宴席の上で芸人が、歌や音曲に合わせてハサミで紙を切り、様々な絵柄を作っていきます。作品の種類は風景からアニメのキャラまでバラエティ豊か。
芸人はただ黙々と作るのではなく観客と対話をしながら、即興で作品を作り上げていきます。そのため作品だけではなく、話術も含めて楽しめます。しかも作られた作品は観客にプレゼントされるのが普通。見るだけではなく、自分も参加して楽しめるのが紙切りの魅力です。
この記事で紙切りを基本から徹底的に解説していきますので、紙切りを知らなかった人もぜひ参考にしてみてください。

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紙切りとは?意外に知らない基本情報を見てみよう!

紙切りは落語の寄席(よせ)の合間に気分転換を目的に行われる曲芸(落語以外の芸)の一種です。紙切り師が紙をハサミで切り込み、様々な絵柄を作っていきます。一つの絵柄にかかるのは30秒〜1分ほど。観客からの注文を受け、その場で作っていくのが普通です。
切っている間、紙切り師はその話術で喋り続けることが多く、これも見所の一つです。抽象的なテーマでもすぐに具体的な絵柄に落とし込む技術も必要とされ、紙切り師には頭の回転の速さと話術も求められます。現在では東京に本部のある落語協会に多くの紙切り師が所属しており、落語協会主催の寄席で紙切りを鑑賞できます。

紙切りを広めた人って?気になる「初代 林家 正楽」について

初代 林家正楽(はやしや しょうらく)は大正から昭和にかけて紙切りを一般に普及した人物として知られています。元々は落語家として活動し、隠し芸として紙切りを披露していましたが、これが好評になり、大正12年に紙切り師に転向します。
3枚の紙を別々に切り分け、それらを重ね合わせることで一つの絵柄を作る方式を発案。名人芸との評判を得ます。昭和天皇やマッカーサーなどの前で披露するほどの腕前でした。現在の3代目林家正楽も紙切り師として活躍するなど「林家正楽」の名は紙切り師の大家として受け継がれています。

いつからあったの?紙切りの歴史をたどってみた!

紙切りの歴史は江戸時代の宴席で始まったとされます。謠や音曲に合わせ、紙を切り抜く遊びが紙切りのルーツ。しかし、当初は地味で紙切り師も少なく、マイナーな芸能でした。
明治初期に入り、男芸者「喜楽亭おもちゃ」が紙切りを演芸として洗練させ、寄席の出し物として披露したのが正式な紙切り芸の始まりとされています。第二次世界大戦後、テレビ放送が始まり、クイズ番組の中で紙切りが使われるようになると一気にお茶の間でも楽しまれる演芸となります。
しかし、現在の担い手は少なく、現在、紙切り師として日本芸能実演家団体協議会に登録しているのは5名と貴重な存在です。

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いま有名な「林家今丸(いままる)」さんてどんな人?

林家今丸さんは東京都出身の77歳。紙切り一筋60年の超ベテランです。今丸さんの特徴は海外公演の多さ。英語とフランス語が堪能で30年ほど前から海外公演を積極的に行ってきました。巧みな話術と精密なハサミさばきに魅了される外国の方も多いのだそう。日本の伝統的な絵柄からグローバルな作品まで自由自在に紙を切り分けていきます。
訪れた国はカナダ、フランス、中東など様々。現地ではただ紙切りを披露するだけではなく、ワークショップなども行い、紙切りを世界に広める活動も精力的に行っています。今後は生涯現役を目標に弟子の育成に力を入れていきたいと考えているそうです。

これであなたも紙切りマスター!注目のペーパー・カッティング・クラフトをご紹介

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実は紙切りは「ペーパー・カッティング・クラフト」として世界で楽しまれている日本の伝統芸能です。紙切りのような演芸は世界でも例がなく、外国人にとって非常に珍しい芸能の一つ。言葉が通じなくても伝わるため、披露するハードルが低く、海外でも受け入れられやすい芸能です。
実際、多くの紙切り師が年間何回も海外を訪れ、講演を行っています。紙切り師が所属する日本落語協会を中心に海外に紙切り師を海外に派遣し、日本文化の普及に努めています。海外では日本文化らしい盆栽や舞妓さんなどの絵柄が人気だそうです。

紙切りが見たいならここに行け!ゆかりの土地・浅草をご紹介!

紙切りゆかりの地といえば、紙切りが広まった江戸(東京)。中でも浅草は現在でも紙切りを楽しめる場所として多くのファンが訪れます。紙切りのルーツは寄席の中で披露される色物のため、紙切り師はその多くが浅草に拠点を持つ落語協会に所属しています。
落語協会が持つ浅草の演芸ホールや浅草演芸館では寄席が開催されており、紙切りはその合間合間に披露されます。柳家正太郎や青空麒麟児(きりんじ)など人気の紙切り師の熟練の芸を間近で見ることができます。紙切りを楽しみたいなら江戸時代からの伝統が脈々と受け継がれている浅草を訪れるのがベストです。

落語紙芝居 古今亭志ん生シリーズ 火焔太鼓/替り目 (落語紙芝居古今亭志ん生シリーズ)

古今亭 志ん生, 林家 正楽

紙切りに使う道具とは?普通のハサミとは違う?

紙切りに使う道具の基本がハサミと紙。ハサミは一般的なものよりも指を通す部分が広く設計されており、大きな部分には中指と薬指を入れるようになっています。しかも、大きさの割には非常に軽く、細かい絵柄を作るのにも適した形になっています。
紙の種類はケント紙が基本。薄すぎず厚すぎずの絶妙な厚さでないと芸に支障が出てしまいます。お客さんにできた絵柄を見せるために黒色のファイルなどを用意することも多いです。ファイルに絵柄を挟んで、作品を披露します。紙切りに使う道具は至ってシンプル。紙切りに興味が湧いた方は、実際に見に行ってみてはいかがでしょうか。

正楽三代 ー寄席紙切り百年

新倉 典生
<参考URL>

まとめ

これまで紙切りに関する基本的な情報をまとめてきました。紙切りは江戸時代に始まり、落語の寄席の合間の色物として楽しまれてきました。観客からのリクエストに応えて、その場で次々と絵柄を作っていく技術はまさに名人芸。切っている間の話術にも注目です。
現在では海外でも「ペーパー・カッティング・クラフト」として海外でも楽しまれ、まさにクールジャパンを表現する伝統芸能の一つ。紙切りを披露する人は少なくなっていますが、本場・浅草を中心に現在でも楽しめます。この記事を参考に紙切りに興味を持っていただければ嬉しいです。

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